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Pilot's note NZ在住Ashの飛行士論

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NZ在住のパイロットAshによる飛行士論です。パイロットの就職、海外への転職、訓練のこと、海外エアラインの運航の舞台裏などを、主に個人的な経験に基づいて事実と意見を織り交ぜ、毎回…
自分が訓練生だった時に、こんなレポートがあったらよかったな!と思えるような内容を意識しています。自…
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2021年6月の記事一覧

ATRのシミュレータ訓練に突入!

今週に入っていよいよ本格的にシミュレータ訓練が始まりました。 今まではプロシージャのみでしたが、シムは基本的に実機と同じように扱いますから、操作するスイッチは実際のものですし、操縦桿をつかって飛行機をコントロールしなければなりません。プロシージャを立て板に水のように喋るだけじゃだめってことですね。 先回も書きましたが、今まで乗っていたダッシュ8とATRでは、大小様々な違いがあります。今回はその違いをさらに掘り下げていきましょう。 トグルスイッチの仕様オートパイロットのこ

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第4世代飛行機のスゲーところ

プロシージャトレーニングが終わりました。 ここからいよいよシミュレータに入りますが、今回ATRのプロシージャトレーニングをやってみて気が付いたことがいくつかあるので、ちょっとまとめておきたいと思います。 第4世代のATRと第3世代のダッシュ8私が今、操縦資格を取ろうとしているのはATRの中でも600シリーズなる最新型で、ヨーロッパ製ということもあってエアバスA320やA380と近い設計思想を持っています。 コクピットには液晶画面がずらりと並び、様々な情報がデジタル処理さ

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続・パイロットは長い長いコクピットプロシージャをどうやって覚えているのか

前話はこちら 今回、機種移行の訓練は私を含めて4人。これまで学科は4人が同時にクラスで受けていましたが、プロシージャトレーニングからは2人1組みで行います。バディのドム(仮称)は50代。前話で話した通り、このままでは年寄り勢は置いてけぼりにされてしまいます。こりゃまずい。 若い衆がプロシージャトレーニングをしに行った後、午前中のようにその見学をせずに、ドムを食堂に連れ出しました。私の手には、昼飯とともにマニュアルが入ったiPadとカミレータが。 カミレータとiPad

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パイロットは長い長いコクピットプロシージャをどうやって覚えているのか

着陸後、たまに子供たちに軽くコクピット見せることがあるんですね。 で、子どもたちが 「こんなにたくさんのスイッチどーやって覚えんの!?!」 と叫ぶのが常なのですが、今回は、私が目下行っている機種移行訓練に絡めて、この質問に答えてみたいと思います。 2話完結です。後半はこちら。 ATR機種移行訓練さて、私のATRへの機種移行訓練ですが、退屈だった学科が終わり、プロシージャ(コクピットでのスイッチ操作や確認事項の手順)を憶える訓練に入りました。 FPTと呼ばれるコクピ