![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162302992/rectangle_large_type_2_7c2f3b26dd0c1190f1c56bc2bab69680.png?width=1200)
【感想・あらすじ】星を編む 凪良ゆう
大ヒットした「汝、星の如く」に登場する北原先生にまつわる
サイドストーリー。
幼い結とともに二人で瀬戸内の島に移住することとなったいきさつ、
結の誕生秘話、
北原先生と結の成長を追いかけつつ
井上暁海と互助会結婚をしてからの互いの心の変化など、
知られざる事実が明らかになっていく。
読んでいて苦しくなる場面もありつつ
心温まる物語。
結の誕生秘話
結は島で北原先生の娘として育っていく。
しかし、結には母親がおらず縁あって暁海と互助会結婚をすることとなった。
家族となってから、前作では明らかにされてなかった結の生まれたいきさつ。
読んでいてすごく気になった部分だったので、
本作で描かれていると知り読むのを楽しみにしていた。
ネタバレになってしまうから詳しいことを書くことはできないけど、
結の誕生にはたくさんの人の思いが絡み合い、
まわりまわって結を守るために北原先生が親となった。
読んでいて苦しくなることもあり、
生まれ育つ環境を選択できない現実にぶち当たった。
でも、その環境の中でも
どのように生きるか自分で決める強い心
を持つことの大切さを学ばせてもらった。
互助会家族の心の変化
「汝、星の如く」では北原先生と暁海が互いを支えあう、
という意味で”互助会結婚”をした。
互いが空いた心を埋め支えあうための結婚。
しかし、結婚してからも学生の頃のように接しあう二人。
その様子には”互助会結婚だから”という思いが表れており
少し寂しい感じもした。
前作では末期がんの櫂を支えるため
暁海は北原先生に背中を押され、櫂の最後まで付き添った。
そして櫂との時間が終わり、家庭に戻ってきた暁海。
櫂と過ごした時間は暁海にとって忘れられるものではなく…
そんな暁海を温かく迎え入れる北原親子。
不思議で継続が難しそうな関係性だけど
3人で過ごす時間はとても穏やかで、読んでいて癒された。
また、歳を取るに伴い共に過ごす時間が積み重なっていき
お互いへの気持ちに変化が訪れる。
特殊な関係でも互いを思いやる気持ちを大切にしてきた2人。
それぞれ苦しい思いを乗り越えてきた経緯を知っているだけに
読了後は温かい気持ちになった。