ピピのつばさ・1ページ絵本「小さなカタツムリのメルル」
ピピのつばさ
投げ銭方式ですので無料で読むことが出来ます
どこか
遠い 遠い 世界の
広い 広い 海の上に
小さな かわいい 島がありました。
その島には
心やさしい 果物の妖精たちが
住んでいたのです・・・。
「小さなカタツムリのメルル」
リンゴさんのお家の庭に、ひと株のアジサイの木がありました。
アジサイの木には、大きなカタツムリが5匹と、小さなカタツムリが1匹すんでいました。
小さなカタツムリは、メルルと言いました。
メルルは、からだは一番小さかったのですが。
ツノは、ほかのカタツムリにも、まけないぐらい長くて立派なツノをもっていました。
ですから、ほかの5匹のカタツムリは、口には出して言いませんでしたが。
お腹の中では、
「フン、小さなからだのくせに、長いツノを持っていて生意気ね! 」
と考えていたのでした。
ある日のことです。
メルルは、アジサイの木のてっぺんに登って、お空をながめていました。
するとそこへ、傘をさしたピピが、通りがかりました。
ピピの頭には、赤くて可愛いリボンがゆれていました。
メルルは、ピピの可愛いリボンに合わせて、ツノを、ユーラリコ、ユーラリコとゆらしました。
ピピが、アジサイの木を通りすぎても、まだメルルは、ツノを楽しそうにゆらしていました。
メルルは、ピピのリボンが気に入ってしまったのでした。
メルルは、ピピと同じようにリボンを付けたくなってしまったのです。
メルルは、緑色のアジサイの葉っぱを、小さくちぎってツノにつけてみました。
でも、メルルは、葉っぱの緑色のリボンでは、満足できませんでした。
次に、メルルは、青やピンクのアジサイの花を、小さくちぎってツノにつけてみました。
でも、メルルは、やっぱり満足できませんでした。
メルルは、ピピが付けていたような、真っ赤なリボンが欲しかったのです。
メルルは、またアジサイの木のてっぺんに登ると、あたりをキョロキョロと探してみました。
すると、
「あっ、あった、あった。メルルに、ピッタリなリボンがあった」
と言うと。
メルルは、急いでその場所へいってみました。
と言っても。
ほかの生き物からすれば、とても急いでいるようには、みえませんでしたが・・・。
メルルが、急いでやって来たのは、真っ赤なバラの花の木でした。
バラの木の下には、いま、ちったばかりの真っ赤なバラの花びらがあったのです。
メルルは、さっそくバラの花びらをちぎると、長いツノに付けてみました。
すると、どうでしょう。
メルルのツノに、ピッタリで、真っ赤な、かわいいリボンになりました。
メルルが、真っ赤な、かわいいリボンを付けていると。
5匹のカタツムリたちも、リボンが付けたくなりました。
そこで5匹のカタツムリたちは、アジサイの葉や、花をリボンにしてみました。
でも、どうしても、メルルの、真っ赤な、リボンにはかないませんでした。
そこで、5匹のカタツムリたちは、本当は、きくのが恥ずかしかったのですが、メルルに材料や作り方をたずねました。
するとメルルは、ニコニコとして、すぐに5匹のカタツムリたちに教えてあげたのです・・・。
ですから、いまリンゴさんの、お家にあるアジサイの木には。
真っ赤な、バラの花びらの、かわいいリボンを付けた、6匹のカタツムリたちが楽しく暮らしています。
やさしい果物の妖精たちがすむ、フルーツ島の空には、今日もキレイな虹がでています・・・。
「小さなカタツムリのメルル」おわり
(画像内の文章と、書かれた文章では多少の違いがあります)
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使用画像 ACイラスト22366203より 加工
2022.6.7 6.8加筆 6.9加筆 6.12加筆 6.14加筆 2023.1.25加筆
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