そめおりくくり

「そめおりくくり」は、久留米絣産地のストーリーをお届けするページです。ノンフィクションライターの冨永絵美が運営しています。 https://www.instagram.com/someorikukuri/

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マガジン

  • 絣産地の女たち2020

    久留米絣の産地・筑後エリアで働く、様々な女性の声を集めてお届けするインタビュー企画です。

  • 久留米絣ひとことインタビュー

    久留米絣についてユーザー目線で語っていただくインタビューです

  • 西陣の絣と「いとへんuniverse」

  • 久留米絣織元リスト&マップ

    久留米絣の各織元の特徴をご紹介するマガジンです。織元訪問時に便利なgoogle map付き。

最近の記事

【そめおりくくりの本、できました】

久留米絣産地の女性にフォーカスする「絣産地の女たち」と、作り手ではない方から絣の話を聞く「視点」。 この度、ふたつのシリーズから計5本のインタビューを収録した『そめおりくくり 久留米絣と人』を刊行しました。 ⁡ 繊細なのにあたたかみがあるデザインで全体をまとめてくれたのはの竹藤智弥さん、そしていくつもの素晴らしいイラストでこの冊子に華をそえてくれたのは徳永あずささんです。 お二人は「DICTOM DESIGN 」のお名前で、福岡を拠点にたくさんの素敵なお仕事をされています。

    • インタビュー【絣産地の女たち2020】 vol.04 大籠千春さん(宝島染工)

      その日、大籠さんの両手はあざやかな藍の色でした。 私が初めて大籠千春さんにお会いしたのは、2019年夏に広川町のものづくりアトリエKibiruで開かれたイベントでした。時間の都合で染め場から直接、会場に駆けつけて来られた大籠さんの両手が、手首の上までしっかりと青に染められていたことが今でも印象に残っています。 「宝島染工」ができるまで福岡県三潴郡大木町。筑後川にほど近く、広々とした空と田んぼが続く、解放感にあふれた田園地帯です。 宝島染工から歩いて10分ほどのところにあるシ

      • 【視点02-経営学×久留米絣】 大田康博教授インタビュー

        ●経済学と経営学の違い ――私自身が経営学や経済学に大変疎いんですが、先生のご専門の分野は「産地経営学」ということでよろしいのでしょうか? 産地経営学…という分野はないかな。経営学ですね。 経済学と経営学の違いというのは、経済学は例えば「人間はなるべく少ない費用で目的を達成しようとするものだ」という仮定を置いて、だとすれば人間はこういう時にどういうふうに行動するのか、という一般論を作っていくものですね。 産地の生産量の増減といった大きなトレンドや、各企業の共通点みたいなも

        • 【視点01-美術館×久留米絣】 竹口浩司さんインタビュー

          ●竹口さんの文章の源にあるもの ――私、竹口さんが書かれたものを、図録などいくつか拝見しまして。 語彙が多彩で、文章が非常に詩的ですし、どうやったらこういう風にご自分の気持ちから離れないところで学術的な文章が書けるのかな、と。 影響を受けた文学者や哲学者を教えていただけますか。 えらいところから球が飛んで来ましたね(笑)。 そうですね、僕の本棚に「心の書棚」っていうのがあって、そこに並んでいるのは中上健次と保坂和志がわりと多いです。 これは単純に(自分の)スタイル(*文

        マガジン

        • 絣産地の女たち2020
          7本
        • 久留米絣ひとことインタビュー
          2本
        • 西陣の絣と「いとへんuniverse」
          2本
        • 久留米絣織元リスト&マップ
          4本

        記事

          【久留米絣ひとことインタビュー】02

          久留米絣ひとことインタビュー「久留米絣の魅力を教えてください!」にお寄せいただいた、みなさんのひとことをご紹介します。 今回もお楽しみください! ●N・Sさん 【久留米絣歴】7年 【用途】着物、小物 「綿100%の素材 子どもにも与えたいと思える綿素材 自宅で洗える すぐ乾く 軽くて持ち運びしやすい(旅行、温泉など) 何年も使い続けられるところ 使うほどに心地よくなっていくところ 色や柄がたくさんあるところ 職人の手仕事によって作られているところ 長い歴史がある織物なのに

          【久留米絣ひとことインタビュー】02

          インタビュー【絣産地の女たち2020】 vol.03 加藤田ミハルさん(元・丸亀絣織物)

          「機屋の仕事はなーんでも、一通りはしてきたつよ。」 絣職人としての経験を、そんな風に話すミハルさんの手。 小さいけれども使い込まれたしわの一本一本までが印象に残る、職人の手です。 ミハルさんが久留米絣の仕事に携わって、もう50年を超えます。 20代のはじめに絣の世界に入り、80歳※の今も、週に5日の仕事を続けている現役の絣職人です。(※2020年取材時) 久留米絣職人・加藤田ミハルさん 初めて加藤田ミハルさんにお会いしたのは、2020年6月下旬の日曜日、Kibiruでのこ

          インタビュー【絣産地の女たち2020】 vol.03 加藤田ミハルさん(元・丸亀絣織物)

          再生

          伝統の技・手括り[冨久織物]

          大変貴重な、久留米絣の手括りの様子です。冨久織物の冨久洋さんに作業の様子を見せてもらいました。 ⁡ 絣とは、あらかじめ糸に柄を染めてから織る織物です。 織る前の糸の上に柄を描く手法としては捺染や板締め注染、締機など、産地によって様々です。 その中で最も広く使われているのが「括り」で、久留米絣では主に括りによって柄が作られます。 糸束を部分的に縛ってから染める括りの技法。久留米絣では動力を用いた機械での括りと、伝統的な手括りが行われています。 ⁡ アラソウと呼ばれる麻の繊維を水につけて柔らかくし、柄に合わせて1箇所ずつ括っていきます。 手括りの場合、他産地では綿糸や紙、ビニールテープやゴムチューブなど、括りには様々な素材が用いられていますが、久留米絣はアラソウでの手括りの伝統を守り続けており、その技術は重要無形文化財の指定を受けています。 ちなみに指定技術名は筑後地方の方言のまま「手きびり」とされているのだそうです。 きびり、とは土地の言葉で縛り、括りの意味。広川町のものづくりスペース「Kibiru」の名前にもなっています。 ⁡ 現在は機械での括りが主流のため、手括りは限られた場合のみ使われていますが、洋さんのお話によれば、機械括りの部分的な補修などのために織元で手で括ることもあるのだそうです。 お手元の久留米絣にも、もしかしたらそんな手括りの部分があるかもしれませんね。

          伝統の技・手括り[冨久織物]

          再生

          【久留米絣ひとことインタビュー】01

          久留米絣ひとことインタビュー「久留米絣の魅力を教えてください!」にお寄せいただいた、みなさんのひとことをご紹介します。 実際に久留米絣を愛用しているユーザーの方から絣に興味を持っている方まで、どんなところを魅力に感じているのかを語っていただきました。 ●恒松 美里さん kibiru(ニュー・ヒロカワ)、30代・女性 【久留米絣歴】6〜7年 【用途】洋服、小物⁡ 「軽くて着心地がいいところが好きです。初めて身につけた時、生地がとても軽くて驚きました。」 ● 廻回 めぐるさ

          【久留米絣ひとことインタビュー】01

          新企画【久留米絣ひとことインタビュー】

          久留米市出身の私にとっては、子供の頃から身近にあるものだった久留米絣。近年のカラフルな絣に出会って再度興味を持ち、広川町に移住して2年4ヶ月になりました。 事あるごとに「久留米絣が好きです」という話をしながら実は、久留米絣のどこがそんなに好きなのか、言葉にして説明するのが意外に難しいのです。⁡ 実際に久留米絣が好きな方、絣に興味を持っている方は一体どこに魅力を感じているんだろう。 ということで、久留米絣のどこが好きなのか、そのポイントを伺う〈ひとことインタビュー〉を行いまし

          新企画【久留米絣ひとことインタビュー】

          【「いとへんuniverse」、久留米絣産地へ! 02】

          見学2日目、お仕事の都合で葛西さんは一足早く帰京。白須さんと共に、さらに久留米絣産地を回ります。 ・藍染絣工房 山村健 本日の1軒目は山村健さんの工房へ。 藍甕の並ぶ染め場を見学し、健さんの自在なデザインの生地を堪能した後は、白須さんのたっての希望による、ヨコ絣の織り体験です。 「めっちゃ不器用なんよー、大丈夫かな」と不安を滲ませつつ機に向かった白須さんですが、抜群の安定感で見事に来年の干支の寅を織り上げました。 手織り生地を持っての健さんとの記念撮影、白須さんの笑

          【「いとへんuniverse」、久留米絣産地へ! 02】

          【「いとへんuniverse」、久留米絣産地へ! 01】

          白須さん、葛西さんの今回の広川町訪問のもう一つの目的は、久留米絣の生産現場の見学です。 ・久留米絣広川町協同組合 まずは「久留米絣広川町共同組合」へ。 お二人は初めて見る動力による括り機に釘付け。 ヨコ括りの園木さん、タテ括りの内田さんにそれぞれの手順や特徴を質問し、丁寧な回答に聞き入っていました。 ・久保かすり織物 次に訪れたのは、筑後市の「久保かすり織物」さん。 西陣と同じくタテ絣を生産する久保さん。職人同士、熱い技術論を交わして盛り上がりました。 出番を待つ

          【「いとへんuniverse」、久留米絣産地へ! 01】

          「西陣絣×久留米絣 《絣》フカボリトークの会」開催しました!

          10月24日、Kibiruにて「いとへんuniverse」の葛⻄郁子さん (⻄陣絣加工師) 、白須美紀さん (工芸ライター)をお招きしてのトークイベント、「⻄陣絣×久留米絣 《絣》フカボリトークの会」を開催しました! 【第1部】絣加工師が語る〈西陣絣〉のこと。そして、「いとへんuniverse」とは?まずは、西陣絣についてお二人に語っていただく第1部。 葛西さんからは戦国時代に始まるといわれる西陣絣の歴史の大きな流れと、絣加工師の作業工程について、また西陣絣の現状についても

          「西陣絣×久留米絣 《絣》フカボリトークの会」開催しました!

          西陣の絣と「いとへんuniverse」 vol.2

          西陣絣をつくり、伝えるチーム「いとへんuniverse」のこと。 後編は、工芸ライター・白須美紀さんと「いとへんuniverse」の活動についてお届けします。 前編、絣加工師・葛西郁子さんと西陣絣の回はこちらから↓ 工芸ライター・白須美紀さん午後に納品の予定が控えているのにギリギリまで時間をとってくれた葛西さんの工房を後に、今度は工芸ライターの白須美紀さんから「いとへんuniverse」のお話を伺います。 本当ならこの日のうちに福岡に戻る予定にしていたのですが、大雨の影響で

          西陣の絣と「いとへんuniverse」 vol.2

          西陣の絣と「いとへんuniverse」 vol.1

          2021年7月の京都行でお会いした、西陣絣をつくり、伝えるチーム「いとへんuniverse」の葛西郁子さん、白須美紀さんのお話を全2回にわたってお送りします。 まずは前編、絣加工師・葛西郁子さんと西陣絣の回をお楽しみください! 西陣絣加工師・葛西郁子さんの工房へ雨がパラパラと降る7月のとある日。 しっとりと濡れた竹矢来が並び、ヨソモノの私にはいかにも〈京都〉らしい風情を感じる石畳の路地。その先に、「葛西絣加工所」はありました。 京都にも絣を作っているところがある、という話

          西陣の絣と「いとへんuniverse」 vol.1

          「久留米絣LIST&MAP」について取材していただきました

          久留米絣LIST&MAPについて取材していただいた記事が、西日本新聞、読売新聞の2紙に掲載されました。 記事をきっかけにお問い合わせをいただいたり、友人知人が連絡してくれたりと、いくつも反響があってとても嬉しいです。 取材に来てくださった西日本新聞の玉置采也さん、読売新聞の芦原夕奈さん、ありがとうございました。 紙面と同内容がWEB版にも掲載されていますので、ぜひご覧ください。 ●西日本新聞 2021年8月3日掲載 ●読売新聞 2021年9月7日掲載

          「久留米絣LIST&MAP」について取材していただきました

          私の久留米絣

          実は、藍染めの久留米絣の着物を一着だけ持っています。 私の母は筑後市の、久留米絣の織元が多いエリアの出身です。 母の父親、畑仕事が大好きで本当は農家になりたかったけれど末息子で田んぼをもらえなかった私の祖父は、リタイアした後に近所に畑を借りて野菜を作っていました。 祖父は朝5時から毎日畑に通い、1日の大半を畑で過ごすほど熱心でした。その畑の持ち主の方が、絣の〈出し機〉の仕事をしていたのです。 出し機とは、織元さんから糸を預かり、自宅に置いた織り機で絣を織る内職のことです。