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カワモトソラト
2021年6月16日 17:16
#夢小説 #古泉一樹 #小説 それはあの長い夏が終わりを告げた頃だった。 「それではこれより1年9組の、文化祭での出し物を決めようと思います」 文化祭かあ。 私が昔通っていた高校は3年に1回のスパンで行われていて、最悪なことに私は1年生の右も左も分からない頃にやらされたのだった。なので思い出も何もない。懐かしいと思うのはこの文化祭で浮き足立つ周りの空気だけだった。 前の席の子なんて小
2021年5月22日 20:25
長門有希の部屋から出た後、なまえと古泉はしばらく無言だった。 懸念事項がなまえではなく古泉であることに、古泉本人は非常に不満があるらしい。眉間に皺が寄っている。数十分の空白の後、なまえはあることを思い出す。 「古泉、くんは学生だったのか。」 「今更ですか。」 古泉が学生服ではなかったため気付くのが遅れてしまったのだ。というか、成人女性を部屋に連れ込むような男を学生だと思うはずもないの
2021年5月22日 20:24
「よく眠れましたでしょうか。」 開いた扉から青年が出てくる。なかなかに顔が良く、よくもわたしのような女(しかも酔っ払い)を家に連れ込んだものだと感心した。最早イケメンにはどれも同じに見えるのかもな。 それにしても、幾分か若すぎるような気がする。わたしと同年代と言えばそう見えなくもないが、未成年のようにも見える。 「すみません、泥酔していてなんにも覚えていなくて。」 「気にしないでください
2021年5月22日 20:20
平穏というものは突然になくなるものだ。まあわたしに元から平穏があったかと言えば、答えはNOかもしれない。わたしの四半世紀の人生は辛く険しいものだったかもしれないし、そうではなかったかもしれない。わからないのだ。 中流階級以下の家庭に生まれ育ったわたしは、もうそんなことを嘆く価値さえ無い。 幼い頃から夢を見ていた。いつか不思議な力を授かり未来や過去へ飛んだり魔法少女や美少女戦士になって世界を