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古泉一樹の夢小説

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答えはいつも私の胸に… 涼宮ハルヒシリーズに登場する古泉一樹の夢小説です。 主人公の名前は「苗字なまえ」です。 普通じゃないのが当然なら 答える私は何ができる 普通でも普通じ…
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記事一覧

笹の葉狂想曲

 「わたしはここにいる。」
 この世界にきて早1ヵ月が過ぎた。特に何の進展もなく、ただただ日常を過ごしている。まるでわたしは何の影響もない人間だといわんばかりに。
 今は体育の授業中だ。授業とは言えど今日は講師が不在でほぼ自由時間みたいなものだが、生徒たちはまじめに陸上競技を行っている。わたしか?わたしはというとグラウンドに立って太陽に向かって手のひらをかざしている。
 「まっかにながれる、ぼくの

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LIVE:ALIVE #3

 なんだかんだ1ヶ月とあった準備期間も過ぎ、文化祭当日となった。
 あれだけ失敗を恐れていた自分たちの演目も、特筆するような失敗も無く終わり、安堵しながら衣装から制服へと着替える。
 「おや、あのままで良かったのでは?」
 などと古泉は言うが、中世風ドレスで歩ってたら悪目立ちするだろうが。ただでさえ浮いた存在であるのに……などと考えながらも、幕下から次の演目を眺める。
 はぁ、疲れたから休みたいな

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LIVE:ALAIVE#2

 結局、わたしはオフィーリアの役を演じることになった訳だが…
 「オフィーリアって意外と登場シーンとセリフがあるのよね」
 「ええ、ハムレットの恋人ですからね」
 一応役柄を貰った身の責任としてセリフを覚えることに専念しようとしているが、一向に頭に入らない。これも加齢による脳の欠損なのか。
 個人練習としてセリフの少ない古泉に台本の読み合わせを手伝ってもらっている。
 「授業もあるのに台本も覚えろ

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LIVE:ALIVE#1

#夢小説 #古泉一樹 #小説

それはあの長い夏が終わりを告げた頃だった。

 「それではこれより1年9組の、文化祭での出し物を決めようと思います」
 文化祭かあ。
 私が昔通っていた高校は3年に1回のスパンで行われていて、最悪なことに私は1年生の右も左も分からない頃にやらされたのだった。なので思い出も何もない。懐かしいと思うのはこの文化祭で浮き足立つ周りの空気だけだった。
 前の席の子なんて小

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異世界人来たれり#2

 長門有希の部屋から出た後、なまえと古泉はしばらく無言だった。
 懸念事項がなまえではなく古泉であることに、古泉本人は非常に不満があるらしい。眉間に皺が寄っている。
数十分の空白の後、なまえはあることを思い出す。
 「古泉、くんは学生だったのか。」
 「今更ですか。」
 古泉が学生服ではなかったため気付くのが遅れてしまったのだ。
というか、成人女性を部屋に連れ込むような男を学生だと思うはずもないの

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異世界人来たれり#1

 「よく眠れましたでしょうか。」
 開いた扉から青年が出てくる。なかなかに顔が良く、よくもわたしのような女(しかも酔っ払い)を家に連れ込んだものだと感心した。最早イケメンにはどれも同じに見えるのかもな。
 それにしても、幾分か若すぎるような気がする。わたしと同年代と言えばそう見えなくもないが、未成年のようにも見える。
 「すみません、泥酔していてなんにも覚えていなくて。」
 「気にしないでください

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プロローグ

 平穏というものは突然になくなるものだ。まあわたしに元から平穏があったかと言えば、答えはNOかもしれない。わたしの四半世紀の人生は辛く険しいものだったかもしれないし、そうではなかったかもしれない。
わからないのだ。
 中流階級以下の家庭に生まれ育ったわたしは、もうそんなことを嘆く価値さえ無い。
 幼い頃から夢を見ていた。いつか不思議な力を授かり未来や過去へ飛んだり魔法少女や美少女戦士になって世界を

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