中国ショートムービーは好機到来(最終回)
ショートムービーのルールとユーザー特性を理解する
私が日本企業の中国向けプロモーションを支援している中で、非常に悲しく思うことの一つは、日本は2年前の中国を見ていることだ。この記事を見ている日系企業の中国プロモーション担当者の方は、広告代理店から、Weiboのインフルエンサー配信のみをよしとして提案され、企業アカウント運用といえばWeChatだけを、そしてフォロワーは知らず知らずに自然人ではないゾンビフォロワー(ロボット)を買わされているかもしれない。3つ目以外は2年前においてはすべて正しく、また他の選択肢や現在のトレンドを踏まえた上であれば上記施策にフォーカスするというのも正しい。ただし、事実としては現在の中国国内のせめぎ合いの中では、上記施策は勝負所のプロモーション手法ではない。
現在では、「いかにショートムービーのトレンドに乗るか」について考えていない中国企業はない。実際に、中国企業や日本以外の外資企業の多くは、ショートムービーの研究を開始ししており、代理店の助けも借りてショートムービープラットフォームで既にプロモーションを始めている。この時差が非常にもったいないのである。
(震える企業Vは、デジタル成長マップを開きます)
もちろん、これらのプラットフォーム特性を理解し、消費者がここでどのような種類のコンテンツを見ているか、およびこれらのプラットフォームの活用シナリオを持っていることが大前提だ。
ブランディングとROI
メディアとコンバージョンの関係は、AIをベースにしたショートムービープラットフォームの到来によりこれまでとは違う形になってくる。つまりこれまでは、スターインフルエンサーでさえ、トラフィックを生むことは簡単でも、コンバージョンさせてマネタイズにもって行くことは難しかった。
しかし今後は、「まず想定ターゲットにリーチさせるためにXというインフルエンサーを活用し、その中でマネタイズしやすいコンテンツを作ろう」ということではなくなる。逆にプラットフォームによるコンテンツ配信の最適化を信用し「まずマネタイズしやすいコンテンツを作ることにフォーカスして配信をしてみる。結果プラットフォーム側がコンテンツの質により、トラフィックを自然に生んでくれる」という、コンテンツファーストの時代になるであろう。
ショートムービー時代の到来により、「ファンが熱狂しやすいスキマ時間を埋められるオリジナルコンテンツ」であること、これを最初から最後まで考えるべきである。それ以降のことはプラットフォーム側のAIが、マネタイズしやすい高コンバージョンのトラフィックを持ってきてくれる、こういう感覚を持つべき時代になってきている。
今後は、プラットフォーマー側のAIによるインフラ強化とともに、コンテンツ制作者やサードパーティを巻き込んだ効率的なトラフィック生成が、メディア価値を評価するための最良の基準となる。
広告もコンテンツ配信もAIをベースに高精度化
インターネット大国となった中国は、オフラインの実体経済にはまだまだ改善の余地があるが、インターネットサービスに関しては世界のトレンドを作る側に回ってきている。過去10年間において中国の新しい企業はインターネットの進化、特にモバイルITの進化によって急速な成長を遂げている。
おわりに
中国のショートムービー市場はまだ始まったばかりである。日系企業で中国展開を模索する企業や、今後の日本マーケットにて次のトレンドを模索している方々は、ぜひこれを機会に中国のショートムービー市場を研究することを強くお勧めする。
全編:https://www.sokuhou.co/2020/01/27/中国ショートムービーは好機到来/
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