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《詩》 : 『再来』


深いやみ閃光せんこうがはしる


新しき旭日きょくじつに空は染まる


星々の光は淡く溶けて旭日きょくじつへと融合する


光の糸 解けては結び、結んでは解けて、新たなる体系を創出させる


円を描く心の波紋はもん



ものぐるしさのなか、まどろんで意識は遠のく

.......なにかゴツゴツと、あらく組まれた岩肌の通路を進んでいるかのように思える


たどり着いたのはかすかに光す天然の牢獄か


そこに先人せんじんあり、ひげをたくわえた老夫のようだ


「ここへの客人きゃくじんは久しくして億劫おくごうの如し」


「多くは迷いてたどり着く事なし」


「幸運なるかな、ここは外界へとも通ずる」


「若き者よ、何を望むのか」


我は戦った、個々の尊厳と真の自由のために


なれど、否、それが為に此処ここきた


尊厳と自由に罪はあるのか


我、人、尊厳をかかげて真に尊厳にあらざるを見る


我、人、自由と称して実に不自由なるを知る


その功罪あれども、我、尊厳を卑しめる悪魔的生命を許せぬ


多様にして成熟したる真の自由を夢見るのだ


極善ごくぜんの求心力は心ある人々を自然に引きつけ理想的造形を描くであろう事を信ずる


「若き者よ、しかして外界へおもむくならば、常に大いなる勇気を選択せよ」


「未聞の未来は、誰人も胸にす永遠なる青年のたぎる熱情にかかっているからだ」


「そして、そこに英知の水脈は絶えざる事を忘れまい」


「ゆえに、若き貴方あなたの生命の剣に、勇気と熱情と英知とを刻んで外界へといださん 大いなる力を得るであろう」


そのとき神々は舞い降りて、祝福の伎楽ぎがくをなし、いかめしい岩の扉は開いた


目を覚ます

今までとは少し違った世界の像が眼前に広がった気がした……















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