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残機 ⑥/全7話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・134作目】

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○ 主人公・オフィス

 オフィス内。朝礼前。社員達はパソコンを立ち上げるなど、仕事の準備中。頭上の数字は50~70代が多め。
 白いテロップ「翌日・・・」

 主人公 出社。どこか意を決したような表情。

B 部長。おはようございます。
主 ・・・おう。おはよう。

 主人公 自分の机の前に立ち、社員達を見渡す。

主 えー、ちょっとみんないいか。朝礼前だが話がある。

 社員達 主人公に注目する。

主 ・・・・・・みんな、すまなかった。

 主人公 頭を深々下げる。

B ぶ、部長!? どうしたんですかいきなり!?
主 ・・・・・・君たちに「失敗してはいけない」空気を作らせてしまった。
  責任は全て私にある。
  (頭を上げ)だから、今日からは大いに失敗してくれ。
  いや、君たちのミスは、全て私のミスだ。私が全て責任をとる。
B 部長・・・

 社員達の顔が明るくなっていく。
 主人公の表情カット。スッキリしたのか、どこか晴れやかな表情。

主 (心の声)よかった。これで失敗は減るはず・・・
B あ、そうだ部長。私、昨日FAXの送信ミスしてしまったんですよ。
  これも部長の責任でいいんですよね?
主 ・・・え?

 他の社員達も、昨日犯したミスを告白し始める。

社 僕も昨日、社用車に傷をつけてしまって・・・ ごめんなさい!
社 私、この前削除してはいけないデータを消してしまって・・・
社 私は忘れ物を4日連続で・・・
主 お、おい、何でも責任を取るってわけじゃなくて・・・

 他の社員達 ミスを告白しながら、主人公を窓際に追い詰めていく。
 主人公のカット。頭上の数字は、物凄い勢いで減っていく。

主 や、やめろ・・・ 俺の数字が「0」に・・・

 主人公の頭上の数字のアップ。願い空しく「0」になってしまう。

主 a・・・

 主人公のアップ。気を失い、その場に倒れ込む。

○ 真っ黒な空間

 辺り一面が黒く、無機質な空間。
 主人公 目を覚ますと、その場に立っている。

主 (辺りを見渡し)・・・ど、どこだここは!!
  おい! 誰かいないのか!?

 誰も返事をしない。

主 ・・・どうなってんだ。。。 ・・・ん?

 主人公の頭上に、ゲームオーバー画面が出現。白い枠の中に、白字で「あなたの残機は0になり、死んでしまいました」の文字が。

主 はぁ!? 
  アイツら、はめやがったな・・・!

文字が変わり、白字で「セーブした場面からやり直しますか?」という問いと、YES・NOの選択肢。

主 やり直す? セーブした場面?
  ・・・よくわからんが、NOを選んだら、おそらく俺は。。。
  とりあえず、YES! YESだ!!

 白字のアップ。YESが1度点滅する。
 主人公のカット。白い光に包まれる。自分の身に何が起こっているのか、わかっていないような表情。


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あじふらい【奇妙な世界を目指して962日目・現在135作目・毎日21時に投稿】
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