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湯はり 【世にもになるまで書いてみた・あじふらいClassic73作目・全6話】

~あらすじ~
文芸サークルに所属する主人公は、新作のプロットの事で頭を悩ませていた。 気分転換で風呂に入ろうとすると・・・

これまでの話はこちら!

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〇 主人公の家・リビング

 日曜日の夜。
 主人公の家。築30年のワンルーム。
 部屋の至る所に山積みになった本。
 部屋の隅にはデスクが。
 主人公 デスク上のパソコン相手に格闘中。何か悩んでいる。

主 (諦めて)・・・・・・あー!もう無理!思いつかん!!

 主人公 椅子に身を預けるように脱力する。かなり疲労困憊な様子。

主 (ポツリと)・・・・・・あんなこと言わなきゃよかったな。。。

 主人公 そうつぶやくと小さくため息をつく。

〇 大学・文芸サークル部室

 回想。2日前。
 部員たち(男A・女B) 自分たちの書いた作品を読みあっている。
 そんな中、主人公は自らの創作論を後輩たち(A・B)に熱弁している。

主 でだな、
  作家というのは多少道を外れた者でないと生きていけないんだよ。
  だから俺は・・・

 後輩たち 完全に飽きている。Aに至ってはスマホをいじり始めていた。
 主人公 スマホを無理やり取り上げる。

A ちょ・・・! 先輩返してください!
主 やだね! 大体、先輩のありがたい話を無視して・・・

 B クスクス笑いだす。

主 (カチンときて)おい。お前何笑ってんだ?
B だってだって・・・w 先輩ってず~っと創作論語ってるだけですよね?
  何か作品書いたことあるんすか?w
主 あ、あるに決まってるだろ!
B え~? 去年の文芸誌に先輩の作品無いじゃないですか。
主 去年はあれだよ! バイトに明け暮れてたから・・・
B というか先輩が執筆してるところ一度も見たことないっす。
  部室でずっと漫画読んでるか、今みたいに創作論を僕らに・・・
主 (図星だったのか焦って)う、うるせぇ! 
  いいか!?俺はな!4年間掛けて「超大作」を書いてんだよ!
A マジっすか!? 
B (ニヤニヤ笑いながら)いや、絶対嘘だからw
主 嘘じゃねぇよ! 
B じゃあ証拠見せてくださいよ。プロットだけでいいんで。
主 それは・・・ その・・・

 A 主人公に期待のまなざしを向け見つめる。
 B 半ばバカにしたようにニヤニヤと見つめる。

主 わ、わかった! 週明けに持ってきてやる! 驚くなよ!

 主人公 その場から逃げるように去る。


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あじふらい【奇妙な世界を目指して956日目・現在134作目・毎日21時に投稿】
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