献花台 【創作台本・世にもになるまで書いてみた・あじふらいclassic・全6話】
~あらすじ~
暑い夏の夕方。
主人公とその友人は、異常な外気温に耐えながら家を目指している。
そんな彼らは、飲み物が並んだ献花台を見つけ・・・
これまでの話はこちら!
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〇 住宅街
ある真夏日。午後18時ごろ。
どこからかセミがかなりの声量で鳴いている。
大学の近くにあるようで、住宅街にはアパートが建ち並んでいる。
住宅街を2人の男が歩く。主人公と友人。駄弁りながら家を目指す。
2人ともあまりの暑さにノックアウト寸前。
友 あっちぃ・・・ 東京ってこんなに暑いのか?
主 東京だけじゃねぇよ。今なら北海道も暑いんじゃね?
友 そうかもしれないけどさぁ。
あ、わかった! 東京だけ設定温度高めって説は・・・
主 あるわけねぇだろ。お前暑さでおかしくなったのか?
友 たぶんな~ てか喉乾いた・・・
な!この近くに自販機あるじゃん。水買わね?
主 ・・・わりぃ。今金欠すぎて買えねぇんだ。
友 いやいや100円自販機だぞ? 買えるだろ。
主人公 無言で財布の中を見せる。
友人 あまりの金の無さに絶句。
友 ・・・ごめん。
主 やめろ。悲しくなる。というかそういうお前はどうなんだよ。
友 ・・・・・・ま、俺のことはいいじゃん。
主 ・・・じゃあ最初から提案するな。
友 えー?じゃあ家着くまで我慢しろってことか?
あ! お前水筒持ってたよな!?
主 もう既に空だ。残念だったな。
友 マジかよぉ~ この状況で水も飲めんとか地獄すぎるだろ・・・
主 仕方ないだろ。早く家帰ろうぜ。
友 お前は近いからいいだろ! 俺そこからもうちょい歩かなきゃ・・・
・・・・・・ん? 何だありゃ。
主 は? 急にどうした?
2人が目にしたのは「献花台」。空き家同然の一軒家の前に設置されている。
白いテントの中にテーブルが1台あり、その上や下に花や飲料水が置かれている。
〇 献花台のテント
献花台までやってきた2人。
主 献花台・・・? 朝無かったよな?
友 うん・・・ というかこの家って事故物件だったっけ?
主 さぁ。というかここ人住んでないだろ。
友 (家を見て)そうかもな~ 言われてみれば人いるの見たことないわ。
主 だろ? なんなんだろこれ。
友 まぁいいじゃん。お!【スポーツドリンク名】あんじゃん!
もーらい!
友人 献花台からスポーツドリンクを取ろうと手を伸ばす。
主人公 慌てて手を掴み阻止。
友 おい何すんだよ!
主 それはこっちのセリフだ! 窃盗だぞ!?
友 大丈夫だって! 1本くらい無くなってもバレないって!
主 ダメだっての!
友 じゃあ一口だけ!
主 それもダメだバカ!
主人公 無理やり友人を引っ張り、家に向かう。
友 あ~! 俺の【スポーツドリンク名】~!
主 そもそもお前のじゃないっての!!
2人の言い争いは続く。
献花台のアップ。
タイトルテロップ『献花台』