
一択 ③/全5話 【創作台本・世にもになるまで書いてみた・133作目】
前回はこちら!
初回はこちら!
これまでの話はこちら!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
○ 主人公の勤務先・ビル出入り口
仕事終わり。
主人公 疲れ切った表情を浮かべながら、勤務先のビルから出てくる。手には黒色のビジネスバッグ。デザインはかなりシンプル。
主 ・・・すごいな。
主人公目線の映像。街の人は老若男女問わず同じ格好。カバンまでも同じ。建ち並ぶビルもデザインも高さも全て均等になっている。車も種類関係なく同じ車種。
主人公 何もかも「一択」となった世界に唖然としたまま立ち尽くしている。
スマホのバイブ音。カバンに入っているスマホに着信が。
主人公 カバンからスマホを取り出す。妻から着信が。
主 ・・・もしもし。
妻 おつかれー。
帰りに醤油・・・
・・・じゃなかった「ちょうみりょう」買ってきてくれない??
主 ・・・ん。じゃあ買ってから帰るよ。
妻 よろしくね~
主人公 電話を切り、駅に向かう。
○ 駅構内
騒がしい駅構内。スウェット姿の人でごった返している。所々で怒声が聞こえている。
声 おい!○○線どれだよ! 同じ色でわかんねぇよ!
声 あー!!もう邪魔!! 早く歩けや!!
声 うるっせぇな! 混んでんだからガマンしろよ!!
主人公 人混みをかき分けながら、自分の通勤電車を目指す。ゆっくりと歩みを進めていくが、なかなか進まない。
○ おみせ(旧最寄りのスーパーマーケット)・「ちょうみりょう」売り場
天井から吊り下げられた案内パネル。「ちょうみりょう」としか書かれていない。
陳列棚のアップ。全て同じ白いボトル。ラベルには黒字で「ちょうみりょう」としか書かれていない。
主人公 陳列棚を見ながら、悩んでいる。
主 ・・・・・・どれだ?
スーパーの女性店員(50代女性) 主人公の後ろを通りがかる。当然、格好は主人公と同じ。
主人公 女性店員に話しかける。
主 (ちょうみりょうを1本持ちながら)あの、これって醤油ですか・・・?
店 (ラベルを見て)これはみりんだね。
主 (別のちょうみりょうを取って)じゃあこれですか?
店 (ラベルを見て)これはしゃぶしゃぶのたれ!
主 じゃあどれが醤油なんですか!
店 えっとね・・・ あ~ これだよこれ!
主 ・・・見分け方って。。。
店 あ~ お客さん、それはね「長年の経験」よ! あっはっは!
女性店員 笑いながら主人公の元から去って行く。
主人公 不思議そうに店員を見つめる。「ちょうみりょう」は持ったまま。
主 ・・・経験って言われても。。。
主人公 かごに「ちょうみりょう」を入れ、レジに向かう。
※ ここでCMに入って欲しい。
いいなと思ったら応援しよう!
