転校生マインド
生まれたのは名古屋で、転勤族だったので全国を転々としてきた
英語の時間の「Where are you from?」という質問に、「アイム フロム ナゴヤ!」と答えつつ、生まれただけの地域名でしかない違和感を覚え
じゃあどこが出身地?地元?という質問には何と答えていいのかわからず
中学校2年生の転勤は世の中が音を立てて壊れるのを見た
この目で、見たのだ
鴨長明の方丈記「よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世中にある人と栖と、またかくのごとし」という一文に感情移入して泣きそうになった高校時代
この世の中でずっと変わらないものなんてない
永遠はないし、同じ場所にいることなんて誰もできない
出身地なんていうのも、ただの始まりの場所であるだけ
なにもないところから「なにを大切にしたいと思うか」を、そこから考えることができることを誇らしいと思う反面、明らかに欠如している出身地という土台を埋める何かをあてどなく探している自分に目をつむることもできない
引っ越しシーズンの春が来ると、そんな子ども時代をちょっとだけ思い出す