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入院日誌|病と。未来へのエール
入院するたびに、人生をつかみなおす。
自分を支えてくれる人たち、必要なこと、好きなもの。
そのたびにシンプルになっていく。
こんな機会が定期的に与えられるなんて、なんと恵まれた人生だろう。
入院生活を助けてくれた夫、両親、義両親にも、心から感謝を。
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1カ月の入院と言われていたけれど、予想以上に体調は早く回復し、2週間ほどで退院できることになった。
仕事は結局、ほとんどしなかった
それは突然差し込んだ光のようだった
難病を持つ自分が、障害者メディアに関わるということは、なんというか、突然思いがけず差し込んできた光だった。
それまで、病気があることは、社会人として生きていく上での障害でしかなかった。再発を繰り返しても、普段は元気だし大丈夫だ、と言い聞かせてやってきたけれど、働きだしてから初めての再発(昨年12月)がきっかけになって「もうこれは、病気を受け入れざるを得ないな」という良い意味でのあきらめが出てきた
ひきつづき、弱さについて
「弱いのは悪いことじゃない」と本気で最近そう思うんだけど、親しい人にそれを話したら「でも、弱いままでいいと思ったらだめだよね」と言われて、そうなのか?うーん、となった。
「弱いのは悪いことじゃない」というのと「弱いままでいい」というのは、私の中ではまったく別のことだからだ。
何かが人よりできなかったり、人と違ったりすることが、社会の中で不利に働くとき、それは「弱さ」として機能しはじめる。ただの
入院日誌|病と。⑨バカンスの終わりに
いよいよ退院が明日に迫った。
退院したらやりたいことを書いてみる。
完全に自分のためのメモ。
体力づくり
・毎日歩く
・家事をする
・人に会いに出かける
自己メンテナンス
・メガネの調整に行く
・髪を切る
・化粧の仕方を思い出す
料理
・つくりたいものから、つくってみる
・基本的なことを丁寧にやる
・レシピノートをつくる
書く・編む
・編集中のゲラを入稿する
・自分のエッセイを書く
・ライ
入院日誌|病と。⑧本能のままに
入院27日目。あと3日で退院!
今日は友達に付き合ってもらって、新宿御苑を散歩した。
ひんやりした空気に、真っ青な空。太陽の下で、花々は光るように咲いている。スイセン、ロウバイ、寒桜、ジャノメエリカ。知っている花も知らない花も、ひとつひとつ見て回る。冬ってこんなに鮮やかだったのね。
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その友人と会うのは2回目だったけれど、すぐに何かが通じ合った。彼女のことは全然知らないのに、出会った
入院日誌|病と。⑦美しい人
入院20日目。
退院の日が26日に決まった。あと10日。
職場に連絡したら「キリがいいので復帰は2月から」と言われ、ありがたいやら拍子抜けするやらである。
今日は大学の同期が会いに来てくれたので、友達についての話。
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同世代の友人と話していると、どうしても結婚や仕事の話になる。
そろそろ結婚しそうな人もいるし、転職を考えている人もいる。
26歳。みんなどこかの分岐点。
人生は容
入院日誌|病と。⑥息を吐く必要
入院16日目。
薬がよく効いてくれたらしく、ようやく寛解(症状がほぼなくなって正常な状態になること)に達した。誕生日までには退院できそうだ。
でも、4人部屋の他のベッドには、もっと大変な人もいて、素直に喜べない。みんな色々あるのだ。色々。
そんな中でも、私はワクワクしている。
人生の動き出す音が、遠くかすかに聞こえる。
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初めて公の媒体に、文章を書いた。
ひっそり(?)ライター
入院日誌|病と。⑤私は強くなんかない
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
お仕事始まった皆さん、おつかれさまです。
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入院11日目。
経過は順調。筋肉が落ちるのを防ぐため、歯磨きしながらスクワットしたり、電話しながら爪先立ちしたりしている。今日は「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた扉の奥に非常階段を見つけた。病院内の床はバリアフリーのスーパーフラットなので、階段は貴重な運動源なのだ。「はたして、入院患者は『関係者
入院日誌|病と。④一緒にいる意思
入院6日目。
大晦日は日付が変わるまで紅白歌合戦を楽しみ、そのせいで昨日は見事に寝正月となった。今日は思いがけず外出許可をもらい、新宿の花園神社へ行ってきた。おみくじは大吉。なんだかんだ、しっかり年越しを満喫している。
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今日は、ずっと書いてみたかった「恋愛」の話をする。
恋愛について真面目に話そうとすると、「はあ、惚気ですか」と思われるんじゃないか……という自意識で妙に歯切れが悪くな