20240430「小さな工作」

ないならないで
必要なら工夫して
小さなものを作る
大掛かりだとしても
少しずつ準備をして
こつこつやって
少しだけ上手になる
繰り返し繰り返し
まあ飽きないのなら
そのまま続ければいい
中途半端もたくさんあるし
どこに行ったのかも
わからないものも多い
それらのことを思い出そうと
また目を閉じる
そして記憶をかっ浚う

浮かび上がるものと
そうでないものも
同じ所にあるのだろう
動かしたその手の先で
わたしはもう一度
そのわたしになれるかもしれない
空気の濃度を吸って
忘れた何かを呼んでくる
誰かがそれをそっと口にして
そんなこともあったのだと
今更に思う
出来事の半目を瞑って
開けたものを同時に見ている
細々したものから
ひと救いして
塗れた手のひらを開く

小さな想像
小さな物たち
必要なのはそれらの組み合わせ
いつものように使いこなして
それを日常にする
心地いいなら続ければいい
そうでないければ
また別のようなそれを
作ろう
撫でてみて
触ってみて
ちょっといい感じだと思えるなら
手元に持っておこう
それがあるから
わたしに戻れるような
そんな小さなものを作ってみよう