
Photo by
pianoman3sasagu
20241210「見聞への探索」
曇天の下を
今日も歩く
雨が少し降り
濡れてしまうのは
外に出て進むため
これくらいなら大丈夫
きっと大丈夫だと
そう言いきかせて
明日もないような
そんな気分であっても
知らない何かを
見つけに歩き回る
そこに在る何かを
見定めながら
目配せして先に行く
在りもしない恐怖や竦み
勘違いの虜になってしまって
足元を確かめている
踏み込む先では
何かが待っていて
気づけないくらいに
もう現れている
それをどう捉えるのかは
自分次第
見えない裏側もまた
その存在を
一面だけ見せて
他は未確認のまま
それらを仔細に感応させ
皮膚感覚を蒔いている
出くわせばそれはそれで
慄くが
何もなくても
緊張の糸を確かに保ち
その一歩を踏む
どれだけ登ったのか
どれだけ降りたのか
その足元を確かめ
そこがどういうことになっているのか
見聞の探索を拡げ
領域を見定めている
風が吹き
空気が変われば
待て、と心音を操って
気配だけを取り込んでいる
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