20250223「変化の兆候」

街を彷徨き
歩くごとに
先へと進み
或いは後へ戻り
見慣れない光景に出会う
崩れかけたぼろぼろで
やってるのだろうかと思うくらい
でも何か見る価値があるのだろう
誰かが購入して誰かが売り捌く
得られたそれは
誰かの時間
持て余していたそれらを
わたしに与え
隣の広場では群衆が群がっている
見る方向で意味が違っている

何人も待っていて
それが何だと見当も付かないが
ひと目見て触ってみれば
便利さの誘惑に抗うことができない
そんなサービスが基盤となって
あれこれが騒がしいが
その狂騒もまた
わたしたちの仕業
仕様を変え少しずつ手を加え
微々たるものまでも
変化の兆候
順番に交代し
誰もがそれらを見つけるだろう
それぞれの手の中に溢れ
それをまた誰かへと伝えている

そこへ行きたいと
探してはいるが
それがどうにも見つけられない
おそらくそこだと思うが
厳重にはぐらかし
それがそれだと断定できないくらいに
わたしたちが見えない
憚られるのなら
それをそれと言ってもいいのに
誰も言わないから
それをそれだと確定もできない
未来を歩き
過去を攫い
持ちきれない過ちをも
既に転換し続ける連続の眼差し