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Photo by
take_kuroki
20241010「感覚の浸透」
2度下がる
また冷たくなっている
熱を冷まし
空気に合わせ
衣を纏い
色を合わせ
紛らわせる
どれもが渾然としてあり
そのどれもが固有として
それらの存在を認めて
わたしの冷たさは更に
度を増している
気づけないうちに
気づいてもいるのなら
もっと寒くなるうちに
その準備をしておく
ひかりを測り
憶測の度合いを定め
的確でまたはどうとでも
合わせた標準の誤差を認め
わたしの網膜はもう
閉じている
目に見えないそれらの粒
おおまかな揺らぎをもって
その抽象を象る
宛てがわれた充溢として
どれもが反射し
存在を示している
わたしのあなたは
あなたのわたしではないのだろう
気づけないまま
刈り取られつつ生きている
隙間から零れれてくる空気を吸って
どういう具合なのかも分からずに
吐いて吸っての繰り返し
意識もせずに
わたしを置いて
気付いたらもうそこにはいない
どこへと遠退き
いつの間にか
新しい空気を取り入れ
返すのは何というのだろう
浸透する意味を待って
素肌の滑らかさと歪さ
撫でられる透明の檻
隙間を通し
刈られる相互を考慮して
挙げ句の果てにもう見えてもいない
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