20241008「残像の夢」

朝に目覚めて始めている
ずっとそうであったようで
それすらも気にしていない
目に見える物ごとを
何となく映し
それらを本当のことだと思っている
わたしの歪みは相当だが
それでも続きを見ているようで
その輪郭や線とか点とか
触ってもみないのに
それはそうだと見なして
本当の所は確実でもない
残像を挟み
勝手な解釈で
現実を触っている
右を向いて左を向く

ずっと録画しているのか
見ては捨てて
ある場面を切り取って
自分仕立てな記憶も作る
創作のあやふやさで
きっと違うだろう風景
感覚の書き換えで
新たなわたしになろうとしている
そんな偏心をして
揺れに任せ
どっちを選んでもいいと
そう呟いている
わたしの台詞は誰かの真似
わたしたちのそれらが呼応して
ぐるぐる廻って
次の展開を待っている

目に見えないものまでも
余白を見据え
かつて無い現代を抱え
いつもそうなのだろうが
いついつと過ぎ去り
編集の仕組みで
継ぎ接ぎされる
意図の糸
文脈の齟齬を見直しつつ
それでもいいのだと
ひとり合点しつつ
流れる景色を穏やかにしている
それらの現象の階層を彷徨い
よろよろと右往左往
夜になれば
もう別の夢を見てるのだろう