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20240913「戦ぐ泳法」

その向こうまで
泳いでいた
手足をばたつかせ
疲れているのかいないのか
脱力して浮かべばいいのに
どうしても前へ行こうとするから
余計に疲れるし
押し寄せる波には抗えない
きっと何処かに着くのだろうし
それは何処でもいいのかもしれない
行き先は決めてはいないのだから
これからのことを
ぼんやり考えつつも
あれこれを集積してたり
ぽかんとしてたり
立ち泳ぎ
風が吹いてまた移動する

此処と其処
その移動で
わたしも変わる
さっきまでのことも流されて
浮力を得る
随分と水を飲んで
循環されて
一体となり
また放散している
どれもが漂い
それらのことを飲み込み
経由した出来事を
反芻しながら
岸へと向かう
それが何処なのかは
きっと誰も知らない
それ以外を考慮しつつに

事件の顛末をも流し
誰のことなのか
きっとわたしに知らしめし
そういうことだと与えるのだろう
いや要らないのだけれども
くれるというなら受け取っておこう
役になるかもしれないし
そうでないこともあるだろう
全部のわたしを濾過して
残ったのがわたしの全部
あとはいいよいいよと
肯定と否定を飲み込み
泳法を編み出す
身体の経由
思考の漏れ
溢れる水の上で
雲間に戦ぐ

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snufkinsmile
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