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現役の税理士に聞く!税理士業はAIに駆逐されるのか? 【お金の授業#18】

今回は、いつもお金の授業をしてくれる友達の税理士さんに、税理士とAIの関係性、税理士として働くメリットとデメリットなど『税理士業界のリアル』を本音で聞かせて頂きました。



1:ズバリ!税理士はAIに駆逐される職業なのか?

私は友達の税理士さんに『税理士はAIに駆逐される職業なのか?』とズバリ聞いてみた。

友達の税理士さんは、『感覚からすると、税務処理を全部AIで解決するのは難しいと思う。』と答えてくれ、具体的な話もしてくれた。

友達の税理士さんいわく、税理士という職業には大きく2つの必要な能力があるのだと言う。
まず、1つ目は、社長さんなどとコミュニケーションを取って悩みを聞き、話し、解決に導く能力。
2つ目が、数字の打ち込みだったり、書類の作成、会計処理の能力だそうだ。

本来であれば税理士が、この2つの能力を持ち合わせていなければいけないのだが、現実では、1つ目のコミュニケーションが苦手で、2つ目の会計処理能力は得意という人が結構いるそうだ。

このコミュニケーションが苦手で会計処理だけ得意な人達は、今後AIに駆逐される可能性が大いにあると友達の税理士さんは話してくれた。

理由は、実際に『今』AIでの会計処理は税理士も業務で普通に使うほど、制度が上がってきているそう。
そうなると近い将来、税理士がいなくても会計処理が出来る日が訪れる可能性はあるという。

しかし、前回のnoteでも話に出たが、税金の事で『そもそも自分が何がわかっていないのかを、わかっていない。』というパターンは大いにあると言う。

そうなるとやはり、税理士という生身の人間が、コミュニケーションを交えて解決に導く手順が必要で、友達の税理士さんいわく『AIオンリーで解決するようになるのは、相当先の話になるのでは無いか。』と話してくれた。



2:ChatGPTにも、『税理士はAIに駆逐される職業なのか?』と聞いてみた。

私は友達の税理士さんだけでなく、AI(ChatGPT)側にも聞いてみた。

以下は、ChatGPT側の『税理士はAIに駆逐される職業なのか?』に対する問いの回答。

税理士が今後AIに駆逐される可能性がある理由はいくつかあります。主に以下のような点が挙げられます。

①:データ処理と自動化の進化
・AI技術の進化により、税務処理や会計データの分析が自動化されるケースが増えています。
・AIは大量のデータを迅速かつ正確に処理することができ、税務申告や帳簿の管理といった定型業務を効率的にこなすことができます。
・これにより、税理士が行っていた基本的な業務がAIに代替される可能性が高まります。

②:コスト削減と効率化
・企業や個人事業主は、コスト削減や業務効率化を図るために、AIを活用した会計ソフトや税務ソリューションを利用するケースが増えています。
・これにより、従来の税理士の役割が減少する可能性があります。

③:AIの学習能力と精度向上
・AIは機械学習を通じて、より高度な税務知識や規制の変化に対応できるようになっています。
・AIの学習能力と精度が向上することで、税務の専門知識を持たない人々でも高度な税務処理が可能になり、税理士の必要性が減少する可能性があります。

④:オンラインプラットフォームの普及
・クラウドベースの会計ソフトウェアや税務申告プラットフォームの普及により、個人や小規模事業者が自分で税務処理を行うことがより容易になっています。
・これにより、従来の税理士業務の一部が代替される可能性があります。

⑤:新しい税務規制やルールへの迅速な対応
・AIは膨大なデータを分析し、最新の税務規制やルールの変更に迅速に対応できるため、税理士が必要とされるような税務アドバイスや対応もAIによって補完される可能性があります。

ただし、AIが全ての税理士業務を完全に代替するわけではありません。
税理士には顧客との対話や個別の状況に応じたアドバイス、複雑な税務問題の解決など、人間の判断や専門的な知識が求められる部分が多くあります。

したがって、AIと人間の税理士が共存しながら、それぞれの強みを生かしていく形が現実的であると考えられます。

ChatGPT(チャットGPT)

ChatGPT(チャットGPT)の回答は、基本的には、友達の税理士さんが話してくれた内容と同じであるように感じた。

むしろAIの発展は、税理士の事務的な所を軽減してくれるようにも感じた。

やはりそうなると、私にはこらからの税理士に求められるのは、コミュニケーション能力からくる『人間力』が大事になってくるように思えた。



3:改めて『税理士として働くメリット』を聞いてみた。

税理士という士業が、AIに駆逐されるというよりは、税理士の業務をAIが助けてくれる事を感じた私は、友達の税理士さんに『税理士として働くメリット』についてズバリ聞いてみた。

まず、友達の税理士さんが答えてくれたのは『収入』のメリットであった。

税理士の平均年収は、一般的に約600万円から800万円程度とされているそうだ。
しかし、経験を積むとともに年収も上がり、ベテラン税理士や独立して成功した場合には年収1,000万円以上は普通だと言う。
経験年数や地域、事務所の規模などによって年収は異なるが、頑張れば頑張るほど年収があがる業界だと話してくれた。

友達の税理士さんが次にメリットに挙げてくれたのが、『感謝される仕事である。』と言う事だ。

その理由は、クライアントの多くは税金や経理・会計の事で困って税理士さんの所に相談にくる。

お客さんは既に困っている状態なので、税理士としての仕事をすると、お客さんにお金を払ってもらっているのに有難うと言われる事が多々あると言う。
なので、真摯にお客さんと向き合い、全力で仕事すると感謝される仕事が故に、仕事の満足度も高いのだと言う。

友達の税理士さんは、税理士という資格を取れば『それなりの収入も見込め、人から感謝される仕事である。』と自信を持って話してくれた。



3:メリットだけでは無い?税理士の辛いところ。

何事にも陰と陽があるのが、世の中の仕組みである。
友達の税理士さんに、『税理士の仕事の辛いところ』も聞いてみた。

税理士という職業特有のデメリットは『忙しい時期が決まっている。』という話をしてくれた。
理由は、確定申告の時期と、企業の本決算の時期が続く、12月から5月くらいまでがとにかく忙しいそうだ。
なので、ウィンタースポーツが好きな人は、あまり税理士という職業はオススメ出来ないと話してくれた。

続けて、話してくれたデメリットは『お客さん次第な所』と答えてくれた。

理由を聞くと、人間同士なのでやはり合う合わないがあるそうだ。
コミュニケーションが重要となる税理士業の中で、お互い根本的に人間性が合わないと、お互いストレスを積み重ねてしまう事が多々あるという。

ただ、この問題は税理士業に限った話ではなく、どの業種でもある話なので、失敗も経験と捉えて場数を踏んで、ストレス耐性を作る事も大切と話してくれた。

あとは、税務処理をしたのにお金を踏み倒そうとして払ってくれなかったり、お金を払っているのだからという理由で、大変横柄な態度をとる人も一定数いるそうなので、精神的ストレスを溜め込まない事も重要と話してくれた。

総じてこの問題解決には、前の授業でお話に出た通り、税理士と依頼者の『マッチング』が大切であると話してくれ、最初の段階でお互い人間としての相性の良さを図ることが重要になると話してくれた。



4:税理士業界が抱える問題。

税理士業界全体が、高齢故にDX化が遅れている事は、問題視されているが、それ以上に問題とされているのが人手不足だそうだ。
つまり、税理士事務所で働く、事務員がいないというのが大きな問題となっていると話してくれた。

理由は、事務員さんの仕事が単調な仕事である場合が多くキラキラしていない事と、どこの税理士事務所も人手が足りないので、せっかく育てた事務員さんが取り合いになっていると話してくれた。

ただ、この問題にはニーズも隠れていて、難関な税理士試験に合格せずとも、税理士の『偉大なる副官』として活躍する人が増えてきているそうだ。
つまり、税理士を目指さず『プロの会計職員』を目指す人が増えてきており、税理士事務所での事務員のニーズがある故に税理士にならずとも、高収入は目指せると言う。

あとは、友達の税理士さんいわく、1人税理士事務所も人件費や雇用に悩む事が無いのでオススメとも話してくれた。



5:友達の税理士さんの話を聞いた私の感想

今回、友達の税理士さんに、税理士という職業について、良い面、悪い面、将来性など、色々と細かく聞かせて頂いた事で税理士という職業を詳しく知る事が出来た。

税理士という職業に就くと、税務の事だけでなく、会計、保険、投資に関するリテラシーも付随してついてくるとも友達の税理士さんが話してくれて、税理士という資格はとても意味ある資格だと感じた。

理由は、改めて『お金の知識は大切』と感じるからです。
『お金の知識』をつける事で、自分自身の生活を守ることは勿論の事、家族の生活、友人達の生活もサポート出来る可能性があると思うと『力になる資格』だと感じました。

友達の税理士さんいわく『社長は変わっている人が多い。』との事で、対峙すると『人間的面白さも感じるし、刺激ももらう。』と話してくれ、羨ましいなぁとも感じた。

税理士という士業、これは『お金の知識』がつき、『人に感謝され』、『面白い人とも出会える』大変魅力的な職業だと深く感じた。

ただ、税理士の試験に受かるのは、ヒマラヤ登山のように険しく難しい・・・


この連載について

この連載は、学校では教えてくれない『お金の知識と知恵』を『基礎からわかりやすく』学ぶ事を目的とした連載です。

筆者が実際に友人の税理士さんに『お金の授業』をして頂いた内容を公開メモとしてnoteに記録しています。

なお、下記のバナーから、『お金の授業』をマガジンとしてまとめて読む事が出来ます。

【友達の税理士さん】萩原寛太郎税理士事務所の萩原寛太郎氏

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