見出し画像

#9 「なまえ」のはなし|名前を与える、名乗ることの意義

「スナックテレカン」は、北海道と京都に住むミニマム経営者の宿木雪樹(@yuki_yadorigi)と瀬良万葉(@seramayo)が、業務終わりにお酒を飲みながらZoomでしゃべるだけの番組です。

「どんなこと話してるの?」という方に向けて、このnoteではPodcastの内容の一部をテキストにまとめています。今回は「なまえ」のはなしとして、お互いの呼び名や本名についてしゃべっています。一部抜粋なので、おもしろそうと思ったら、ぜひPodcastで聴いてみてください!

奈良産の大和橘、レモングラスを使用した爽やかな小麦ビール「PHILHARMONY」(奈良醸造)

 宿木雪樹(やどりぎゆき):先日、リスナーさんから「瀬良さんは雪樹さんのことを『雪樹さん』と名前で呼んでいるのに、雪樹さんは『瀬良さん』と名字で呼んでいますよね。名前呼びと名字呼びだと距離感が違うのでは?」とご指摘をいただきました。

瀬良万葉(せらまよ):そこに気づくまで聞いてくださっているの、うれしいですね。

宿木雪樹:すごくちゃんと聞いてくださっているんでしょうね。ありがとうございます。私、言われるまで、名前呼びと名字呼びになっていることを全然気にかけていませんでした。

瀬良万葉:私もです。言われてみて、そういえばそうだなって。

宿木雪樹:私の名前は本名ではなくライターネームなのですが、瀬良さんが私のことを「宿木さん」ではなく「雪樹さん」と呼ぶのは、たぶん「宿木」が言いづらいからですよね。

 瀬良万葉:言いづらいかどうかわかりませんが、「宿木(やどりぎ)さん」は「雪樹(ゆき)さん」に比べて長いんですよね。

宿木雪樹:そうですよね。だから、私は仕事関係の方から「宿木さん」ではなく「雪樹さん」と呼ばれることが多いです。瀬良さんは「瀬良(せら)万葉(まよ)」なので、名字と名前のどちらで呼んでもしっくりきますよね。

瀬良万葉:でも、私、リアルの知り合いに「瀬良さん」でも「万葉さん」でもなく、「瀬良万葉さん」ってフルネームで呼ばれていますよ。「せらまよさん」も「やどりぎさん」も同じ長さ(4文字)じゃないですか!

宿木雪樹:あはは、確かに「せらまよ」って一つの言葉としてまとまる感じがありますよね。「せら」も「まよ」も綺麗な音だし、くっついて「せらまよ」になったときも、すっと口にしやすくてなじむんですよね。

瀬良万葉:そうですか? でも、私は「せらまよ」と通して言う文化(?)に対抗しようとして、このPodcast番組のタイトルコールは「せら・まよ」って区切って発音してるんですよ。

宿木雪樹:そんなこだわりあったんだ、知らなかった。

瀬良万葉:「宿木雪樹」と来たら、自分も名前っぽさ出したいなと思って。

宿木雪樹:名前っぽさって何、「ぽさ」って(笑)。だって、瀬良さんはこれ本名ですよね。「名前っぽさ」と言われて心苦しいんですけど、宿木雪樹のほうが本来の名前じゃないから、名前っぽさは低いはずなんです……。

瀬良万葉:だって、最近まで「宿木雪樹」が本名じゃないって知らなかったんですもん。

宿木雪樹:本名は実に平凡な名前でございます。

瀬良万葉:平凡ではないです、綺麗な名前ですよ。

宿木雪樹:ありがとうございます。でも、仕事でこの名前(宿木雪樹)を使い始めてから、本名で呼ぶ人が少なくなってしまって。本名が自分の名前だという認識がだんだん薄れて、たとえば病院の受付で本名を呼ばれたときに反応できなかったりするんです。

瀬良万葉:わかります。私は結婚していて、戸籍上は夫の方の名字なので、病院で「瀬良万葉さん」ではなく夫の名字で呼ばれると、反応できないときがあります。

宿木雪樹:「え、私?」みたいな間が一瞬ができますよね。

瀬良万葉:2回くらい呼ばれて「あ、私のことか!」ってなります。

宿木雪樹:ご指摘いただいた「名前呼びと名字呼びだと距離感が違うのでは?」に戻ると、私はもう「瀬良さん」って呼ぶのに慣れちゃってるから、今から「万葉さん」呼びに変えるのってちょっと難しいかも……。

瀬良万葉:今から万葉さんになったら、すこし照れくさいですね(笑)。

宿木雪樹:瀬良さんは「CRAZY GAL ORCHESTRA」という音楽団体で活動されていらっしゃると思いますが、そちらで「まょぴ」と呼ばれているのを見て、新しい扉を開いたなって思いました。

瀬良万葉:そうなんですよ。メンバーに全員にギャルネームを与えて、チラシにもそれで記載するっていうコンセプトで。

宿木雪樹:すごい。めちゃくちゃ面白いですよね!

瀬良万葉:ふふ、ありがとうございます。

宿木雪樹:面白くて、ついつい何記事も読んじゃいました。メンバーの中に本家のギャルがいませんか? コンセプトとしてギャルというより、ガチでギャルじゃないと使えないワードが飛び交っているなあと思って。

瀬良万葉:読んでもらえてうれしいです。ギャルのポテンシャルがある人ばかり集めていますが、いわゆる元・平成ギャルはいないんですよ。

「CRAZY GAL ORCHESTRA」のネーミングには2つの意味が込められていて。1つは、クラシック音楽の業界はすごく保守的だけれど時代は変わってきているし、伝統に縛られるんじゃなくて自分のやりたいことをやってみようという意味。もう1つは、男性作曲家が主流だった音楽史において女性でありながら作曲家をしてきた人たちは周りに何と言われようと自分のやりたいことをやっていたわけで、そこにギャルみがあると思ったからです。

あと、「女性は黒のドレス、男性は黒の礼服ぽいスーツ」みたいなルールを破ってみたい気持ちもあって、ギャルをコンセプトにしています。

宿木雪樹:すごくいいコンセプトだし、型を破ってくのがハマりますよね。クラシックという世界にメッセージ性もあるし、最高だと思います。

瀬良万葉:ありがとうございます!

宿木雪樹:さっきギャルのポテンシャルって言ってたけど、まょぴもギャルのポテンシャルあるの……?

瀬良万葉:「ギャルのポテンシャルがある」の定義が難しいですが、今までの人生であまりルールは守ってこなかったかもしれないですね。

宿木雪樹:そっか、ギャルって自分の型を持つというか、世の中の型にはまらない精神の象徴なのでしょうか。

瀬良万葉:そういう側面もあるし、ギャルの定義はいろいろありますよね。ファッションも含めて、好きなことを信じるってのがまず一つかなあと。あと、意外と家族や友人に優しいってのもあるかもしれない。いろんな良さがあるし、いろんなギャル性があると思っています。

それ(自分のギャル性)がどんなものであれ、自分がギャルオケ(CRAZY GAL ORCHESTRA)の一員だと名乗ることで、自分の中にある「封印されていた部分」を解放できたらいいな、と。

宿木雪樹:開花するわけですね。

瀬良万葉:はい、名乗ることって大事だと思うんです。

宿木雪樹:名乗ることの大事さ、確かに。私はライターを始めたときに「宿木雪樹」という名前でやってこうと決めたわけですが、そこには「ライターとしてこう生きていきたい」という想いが込められているから、別人格ではないですけど、解放された部分がある気がします。

全編はPodcastにて

今回のエピソードは「#9 『なまえ』のはなし」からの抜粋です。実際のPodcastでは、お互いの呼び名のほか、なまえの由来、ペンネームと本名についても話をしているので、ぜひ続きを聴いてみてください。

「今さら名字呼びから名前呼びに変えるのは難しい」と言っていた宿木ですが、ラストで「これから、瀬良さんじゃなくて万葉さんって呼びます」と宣言をしています。(ので、このnoteも以降それに合わせます)

ご感想やリクエストがあれば、このnoteへのコメントか、Podcast「スナックテレカン」へのお便り受付フォームまでお気軽にどうぞ。

この投稿をいいなと思ってくれたら、♡を押してもらえるとうれしいです。フォローもお待ちしています。(更新の励みになります!)


いいなと思ったら応援しよう!