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おさかなきねんび

娘が1番好き嫌いなく食べていたのは、1歳半くらいまでだったと思う。

もともと大学は食物栄養の学科で、(栄養士として働いたことはない)食べるのもだいすきな私。
育休中で暇だったのもあって、離乳食にはそこそこ熱心に取り組んだと思う。
ありがたいことに娘は初めから食べっぷりがよく、咀嚼もよくするタイプ。
何を出しても残さないので、嬉しくて毎日手を変え品を変え作っていた。
秋刀魚の塩焼きだけは2度とやらないと思ったけれど。(小骨取りが地獄)

しかし、ゆるゆる大人のごはんから取り分けを開始したあたりから、選り好みが始まった。
あるあるですよね。
1番顕著だったのは、お肉より好んでいたお魚を好かなくなってしまったこと。

お魚の力は偉大なので、どうにか好きになってほしい。
夜ごはんのお魚の頻度増やしたいなと思っていた。

ナマモノを解禁した3歳あたりから、娘はお刺身は大好きに。なのに相変わらず、焼き魚は好まない。
我が家は週一しか買い出しに行かないので、ナマモノしか選択肢がないとなると、自ずと娘が魚を口にする機会も週1〜2に…(給食では嫌々食べているらしい。)

シンプルな焼き魚以外にも色々な調理法を試したけれど、魚料理というだけで手をつけない日々。
まぁ、しばらくは食べられるナマモノ(鮪、鯛、鰤、鰹、サーモン)とツナ缶だけでいいか。と半ば諦めモードだった。

そんなある日、鯛のアラが安かったのでパスタか炊き込みご飯にしようと購入したところ、思いのほか身が多く付いていた。
これはそのままシンプルに食べたいと思って、娘は食べないだろうと思いつつ、お頭の部分を塩焼きに。
大根おろしとレモンを添えて。
そうしたらなんと、食べてみようかなぁ、と娘。
レモンをキュッと絞って、自分から身をほじくって食べ始めた。

「ん、おいしい」
焼き魚に対して、初めて娘が放った言葉。
それだけでも嬉しかったのに、私の真似をして目玉まで食べ、大きな骨以外は皮も綺麗に食べた。

その日、娘は夫のスマホでTimeTreeを開いて
【おさかなきねんび】と登録。
我が家の新しい記念日爆誕。

それからは、焼き魚も食べるようになった。
(皮がすきらしい。飲兵衛の期待…)
未だに何がきっかけだったのかは分からない。

【喉元過ぎれば】
思えば子育てってこれの繰り返し。
あんなに悩んでいたことも、今では思い出せないことも多数。

ゆるゆるとした坂道のような成長もあれば、急階段のような突然の変化もある。
きっと今の、時計の読み方が怪しいこととか、引き算が苦手なこととか、これも全部、喉元過ぎれば…なんだろう。

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