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テレビの裏側

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テレビ制作・テレビ宣伝の裏側・思い出を綴ります。
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#11PM

濡れたTシャツ

濡れたTシャツ

「濡れたTシャツ」。

「11PM」のコーナーの名前である。

若い女性がTシャツだけを着て、海岸を歩いたり、海に飛び込んでTシャツを濡らしたり。プールサイドのシャワーをTシャツ姿で浴びたり。

見事な企画である。全裸の女性より「エロ」を感じる。


僕は高校生の頃、深夜、親が寝静まった後、イヤホンを付けて、「11PM」のエロいシーンを観ていた。

インターネットもHDDレコーダーも無い時代、

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「11PM」時間を間違えた‼️

「11PM」時間を間違えた‼️

その日は何かと慌しかった。

「火曜イレブン」の本番当日。
カメラリハーサルは押しに押した。(スケジュールが遅れる事)

終いには、番組の最後の一つ前のコーナーで流す「秘湯の旅」のVTRも「流したテイ」(VTRを流さずに)でカメリハは進められた。

23:33からの生放送なのに、カメリハが終わったのは、23:15。

スーパーテロップの直しも数枚。

当時はディレクターやタイムキーパーがい

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11PMの頃

11PMの頃

僕は宴会で浮かれていた。

場所はJTB(日本交通公社)の箱根の保養所。

時は1981年10月。この当時、内定をもらった学生は10月1日に東京駅に隣接するJTB本社に集合、新橋のホテルに缶詰めにされ、宴会。

二日目、箱根の保養所に移動して、またしても宴会。

そして、三日目東京駅のJTB本社に戻って来て拘束が解かれ解散となるのである。

大阪の自宅に帰って来て数日、JTBからの電話で僕は内定を

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「11PM」全国村長さん歌祭り

「11PM」全国村長さん歌祭り

11PMで、「全国村長さん歌祭り」という企画のディレクターをやった。

全国5ヶ所の村へ行って、村のいちばん誇れる場所で村長さんに十八番を歌ってもらう。

15人位の村人と一緒にである。伴奏はアコーディオン一台。

北海道・留寿都村、岩手県沢内村、新潟県弥彦村、大阪府千早赤阪村、香川県魚島村である。

弥彦村はテレビ新潟さんにお願いした。

リポートしてくれたのは、テレビ新潟の峰剛一アナウンサー。

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お見合い

お見合い

僕は20代の頃、3度「お見合い」をしている。

その内、2度は「毒親モンスター化である「母親」が仕組んだもの。

彼女の「理想」とする考えの中で、「息子は20代半ばには結婚させたいという強い思い」があったのだろう。

僕のアルバムから、写真を勝手に剥がして、それを「彼女の選んだ見合い相手の家」に渡し、段取りを全て整えてから、僕に「見合い」の事を伝えた。

もう、僕が断れる状況では無いところで。

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インターネットの無い時代の「興奮」

今までスタジオに建てたセットの中で、出来上がりに驚いたのは、「新幹線のトイレ前の通路」。美術部がJRに電話して、本物の素材を訊き、デザイン図を取り寄せ、それを元に見事、セットに仕上げた。

このスタジオ収録の前に、新幹線ロケがあった。秋田駅でのロケから始まり、途中二駅のホームでの撮影。最終的に上野駅のロケで終わるという強行軍。このロケは、行きつけのバーで顔馴染みになったJR関係の方が動いて下さり実

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「11PM」と「EXテレビ」

「朝の連続ドラマ」が終わり、僕は「制作部」内で異動する事になった。

いろんな番組を作っていたが、「EXテレビ」(日本テレビ・読売テレビ制作、日本テレビ系1990〜1994年)だけは行きたく無かった。

「EXテレビosaka」(火曜・木曜、読売テレビ制作)。

番組のコンセプトは、「今までの『テレビ』を壊す事」。何事にも妥協しない敏腕のUさんがプロデューサーをやっていた。

テレビのプロデューサ

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「11PM」風俗最前線

「11PM」風俗最前線。
「触れてはいけない裏文化」があった時代の話。

新宿歌舞伎町・ノーパン喫茶「USA」のイヴ。在籍は1年。
目がクリクリとして可愛い女の子だった。

「ノーパン喫茶」はウェイトレスが歩く通路に「鏡」が張り巡らされ、客はその「鏡」を通して、女の子の「ノーパンのスカートの中」を見られるのが「売り」。

イヴを目当てに「USA」の前には男性たちのどこまでも続く長蛇の列が出来た程の

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藤本義一さんと11PM

藤本義一さん(1933〜2012年・79歳没)。深夜のワイドショー「11PM」(1965〜1990年)の司会者。作家。脚本家。

僕はAD時代を含め、2年半ほど、「11PM」で一緒に御仕事を御一緒したが、「キレたり」「怒ったり」する姿を一度も見た事が無かった。

「木曜イレブン」は冬の時期、隔週で「地方の系列局」を回る。「地方局のディレクター」が作る「個性豊かな番組」にも上手くコメントをしておられ

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「11PM」雄琴での会議

「11PM」のタイムキーパー(番組を時間内に収める人)をやっていて感じた事。

それぞれのディレクターの個性をしっかりと把握する必要があると。せかせかした人もいれば、のんびりした人もいる。個性によって、「時間読み」も違って来るのである。

「木曜イレブン」のプロデューサーであり、ディレクターでもあるNさん。「鳥人間コンテスト」のディレクターも長年務められた。

Nさんの印象は「静か」で「聡明」な人

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松本真実さん

松本真実さん

「11PM」の生放送冒頭、水着ギャルの顔のアップからカメラが引いて来て、全身になるカットがある。

その20秒のカットに「踊り子が踊る、動くスーパーテロップ」が上に乗っかる。

1983年当時、「生のスタジオの映像に、『動くスーパーテロップ』を乗せる」為には、タイムキーパーが「テレシネ(フィルムを再生する部署。タイムキーパーがフィルムを事前に持って行く)」にマイクで呼びかけ、フィルムを再生してもら

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「11PM」3つの歌合戦

「11PM」をやっていた時、毎年恒例の「3つの歌合戦」があった。

1つは秋の行楽シーズンに放送していた「バスガイド歌合戦」。

日本全国の観光地で観光バスに乗務している女性バスガイドさんに集まってもらい、その観光地の写真がスライドで出る前で「観光地にちなんだご当地ソング」を得意の美声で歌ってもらう企画。もちろん、各バス会社の制服姿で。

その当時でも「都市部」で「バスガイド」を見かける事はほぼ無

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APS

僕は構成作家のKさんと東京・高田馬場にある塩見孝也(1941〜2017)の事務所に向かっていた。(以下、全て敬称略)

塩見孝也、元・共産同赤軍派議長。テロリスト。「日本のレーニン」と呼ばれる。

1970年3月逮捕、その半月後に起こった「よど号事件」他で起訴される。

1989年、約20年の刑期を終え、府中刑務所から満期出所。つまり、あの「赤軍派」を作った人と言えば分かりやすいかも知れない。

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濡れたTシャツ

「濡れたTシャツ」。「11PM」のコーナーの名前である。若い女性がTシャツだけを着て、海岸を歩いたり、海に飛び込んでTシャツを濡らしたり。プールサイドのシャワーをTシャツ姿で浴びたり。

見事な企画である。全裸の女性より「エロ」を感じる。

僕は高校生の頃、深夜、親が寝静まった後、イヤホンを付けて、「11PM」のエロいシーンを観ていた。インターネットもHDDレコーダーも無い時代、「エロ」は生放送の

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