昼寝じゃなくて「午睡」をしてみましょう!
皆さんは「昼寝」をしますか?
午後のパフォーマンス向上(集中力持続)のために、昼食の後に
『短時間の昼寝』
をすると良いって聞いた事がありませんか?
今ではベンチャー企業や柔軟な考えの会社だとそういう時間を設けている、もしくはそういう行為を許しているケースがありますよね。
ただ、この短時間の昼寝は色々と注意する点があります。
まず全ての世代、全ての人が必要って訳じゃありません。
この昼寝をする事で夜の寝つきが遅くなったり、睡眠時間を減らしている場合はやらない方が良いです。主に小さいお子さん、園児や児童の事ですね。
もっとも保育園に通っていると基本的に昼寝の時間があるんで、「分かっているけど…」ってケースも多いでしょうね。保育園の昼寝は保育士さんの休憩との絡みがあったりするので、色々と難しい問題です。
昼寝をする保育園に通うケースはまず帰宅してから浴びる光の「色」や「量」を見直す事から行いましょう。昼寝をしちゃって、夜も光を浴びてだと、子供は本当に眠らなくなりますからね。保育園とは違って、自宅の照明環境なら自らの意思で替える事が出来ます。
では、
短時間の昼寝はどんな人が必要なのでしょうか。
以下の3タイプに分けてみました。
①昼食後に眠くなる人
(午後に頭がボーっとする人)
②夕方にうたた寝をしてしまう人
(夕食の前後で軽く寝ちゃう人)
③早く寝過ぎて早く起き過ぎる人
(極端な朝型、主にご年配の方)
短時間の昼寝の話でメインとされるのは①ですよね。中高生ぐらいから午後の早い時間に自然な眠気が生じるので、「その眠気を事前に解消しておき、パフォーマンス低下を防ぎましょう」って話に繋がります。
私はセミナー等では「トイレと同じ」と話をします。生理現象としての眠気に抗うのは非合理的なので、トイレに行く感覚で昼寝は捉えましょう。
②は「生活リズムを乱さない事、夜の睡眠の質を下げない事」が目的です。夕方に寝てしまって眠気を解消してしまうと、夜に眠るのが遅くなってしまいます。この状態が続くと夜の睡眠時間が減って、最悪の場合は朝に起きる事が出来なくなり昼夜逆転の生活リズムに変わってしまう事もあります。
③は「生活リズムが極端な朝型に既にズレてしまっているケース」です。主にご年配の方の話ですね。早朝覚醒なんて言ったりもします。具体的には夜の8時位に眠くなってしまって、朝の3時位に起きるみたいな状態です。この極端な朝型にズレた生活リズムを正しいリズムに戻すために、夜更かしを促すための昼寝をします。
どうでしょうか?皆さんは必要ですか?
別に午後に眠くならないし、うたた寝もしない。寝るのも起きるのも早過ぎる事もない。そうだとすれば別に短時間の昼寝はしなくてもOKですからね。
では、最後に短時間の昼寝をした方が良さそうだなと思った人に、
短時間の昼寝をする時の『注意点』
を3つ紹介します。
①『寝なくても構わない』
②『15時まで(若い子ほど早く行う)』
③『寝る場合の時間は若い子ほど短時間』
です。
「昼寝」って言っているのに、いきなり"寝なくても構わない"って変な話ですが、まぁ読んで下さい。
この短時間の昼寝の目的は「脳の小休憩」です。人は起きている間、常に脳に情報が送られて、その情報を常に処理し続けています。そんな起きた時から働きっぱなしの脳が「ちょっと休ませてくれ」って発するアラームが午後の眠気なのです。
尚、夜の長い睡眠は脳の修復やアップデートまで含めた本格的な休憩と考えて下さい。
つまり、あくまでも小休憩なので脳が処理する情報量さえ減らせば効果があります。
脳への情報量を減らす方法で一番簡単なモノは『目を閉じる事』です。これで視覚からの情報が無くなります。
次は『耳を塞ぐ事』です。これは昼寝を行う環境によって簡単な場合もありますし、難しい場合もありますね。難しい場合は「耳栓」を活用しましょう。音楽を流さずにイヤホンをするでも良いです。これで聴覚からの情報が減ります。
脳の小休憩はこれでOKです。この状況になって眠たくなる人は寝ればいいし、そうならない人は寝なくても充分ですからね。
実は最近までは昼寝という表現が分かりやすいと思ってセミナー等でも使っていたのですが、この言葉だと眠る事ばかりが頭に残って、別に眠らなくてもいいって補足の部分が伝わっていない気がしてきたんです。
睡眠の相談を受けた際にも「昼寝しようと思っても寝れないんです。」って話す人がチラホラいたりして。
確かに短時間の昼寝について説明していると、昼寝よりもむしろ「マインドフルネス」とか「瞑想」って表現の方が近い気もします。
そこで
昼寝じゃなくて「午睡(ごすい)」
という表現に立ち戻ろうと思ったんです。
短時間の昼寝の効果が注目される様になったキッカケは恐らく福岡県の明善高校という進学校の取り組みだと思うんですよ。この高校で始まったのは2005年、約20年近くも前に昼寝の時間が取り入れられたんです。
その時に、その取り組みを伝えるメディアは昼寝とか仮眠って表現を使っていましたが、久留米大学の睡眠研究グループがサポートに付いてたこの取り組みの学術的正式名称が「午睡」なのです。
ツテを頼りに頂いたこの取り組みの2010年度の報告書のタイトルも「午睡」と書かれています。
かえってこの聞き慣れない表現なら寝るではなく「脳を休ませる行為」っていう本質がまだ伝わるかなと思うんですよね。
そういう事でここからは午睡と書きますね。
午睡における②つ目の注意点ですけど、夜の睡眠に影響が出ちゃうと逆効果なので、15時位までを目安に行いましょう。とにかく夕暮れになったらダメです。それと年齢が若い子ほど早めに行って下さい。基本は昼食をとった後の昼休みですね。
最後の③つ目は寝れる場合ですが、その時間は若い子ほど短時間に設定して下さい。それこそ中高生は5分位です。逆にご年配の方は30分位寝ても大丈夫です。これは深い眠りへの入りやすさ、正確にはノンレム睡眠の第3段階に到達するスピードの違いによるものです。
若い子ほど短時間で深い眠りが訪れます。深く眠ってしまうと、午睡から目覚めにくくなる上に、目覚めた時に逆に頭が重たく感じて本来の頭のスッキリ感が出ません。
そういう意味でも若い子ほど午睡という表現を使って、寝るではなく脳への情報を減らす行動という本質を伝えた方が良いと言えますね。
尚、30代の私は昼食後に20分位の午睡をしています。
5分位して寝ちゃう事がほとんどですけど、寝ない時もありますよ。
午後のパフォーマンス向上(集中力持続)のため
生活リズムを正しく整えるための
「午睡」
是非皆さんも生活に取り入れてみて下さい。
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