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桜花2(ラバウル編)

10
美しく輝く紺碧の海と空での戦争。 敵は生きて帰さない。 それは殺しきれない敵を前にしても変わることはない。
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#一次創作

桜花2 ラバウル編10 完

 戦争が始まり、晩秋の内地を慌ただしく出、常夏の南方戦線に降りたってから、ともすると祖国…

桜花2ラバウル編8

 けたたましく響く、鍋の底を叩いて敵襲を知らせる警報音で、暑さを逃れて椰子の木陰で一服し…

桜花2ラバウル編7

 巡る季節のない南の島である。活発に噴煙を吐く火山が灰を降らし、芋の葉はそれでも陽に手を…

桜花2ラバウル編6

 日が落ちてからしばらくの間も、純矢は前進を止めなかった。杉本もついていくのが精いっぱい…

桜花2ラバウル編5

 息苦しさを感じて、杉本はくしゃみと咳とを同時にし、息苦しさに混乱しながら目を開けた。そ…

桜花2ラバウル編4

 連日、敵基地への空襲を続けている。米豪の遮断やラバウル航空基地の防衛のために、どうして…

桜花2ラバウル編2

 現場では、敵爆撃機が一機、小さな鳥に囲まれた怪鳥のように飛んでいた。 「ちぇ、大きい獲物だ」  杉本は口惜しそうに舌打ちをした。敵機はB17である。正式名称をB17フライングフォートレス、空の要塞と恐れられている米軍の爆撃機だ。爆弾を抱えて飛来し、基地に空爆を仕掛けてくるこの飛行機は、零戦が追いかけていくと、投弾前であるというのに、惜しげもなく爆弾を投棄し身軽になって逃げていく。零戦ではなかなか自身に追いつかないことを、知っているのだ。  今日は、陸攻爆撃の直掩に出ていた橋

桜花2ラバウル編1

 全身に圧し掛かる熱波に、体中の水分が吸い出されていく。風呂上がりでも、これほど皮膚から…