半径4mのささやかな日常に、子供の成長が詰まっている。
「凄いな、今日300メートル以上泳いでるよ」
長男(小2)のスイミング見学中、隣で観覧していたお父さんがボソっと呟いた。
ホント、凄い。
準備体操が終わるや否や、早速25メートルプールを泳ぎ始める。
板キック、クロール、背泳ぎ、平泳ぎ。
端まで泳いだら早歩きで戻ってきて、また泳ぐ。
久しぶりに見た長男のスイミングに、やっぱり私は感動していた。
初めての坂道
普段はスイミングへ行く時はスクールバスで送迎してもらっている。
だけど、この日は振替だったので親が連れて行かなければいけなかった。
夫は在宅勤務で時間的に間に合わない為、私が連れて行く事に。
スイミングスクールの場所まで約3.5キロ、夫なら確実に車で送っていくところだけど私の免許証は「身分証明書」と化している為、車では送迎できない(笑)
スイミングスクールの場所は少し大きめの駅の、線路の向こう。
バスで行っても最後は線路を超える為に10分程歩く。
自転車で行く場合は、線路をくぐる為に坂道がある。
しかも駅周辺は物凄く人が多い。
更にはスイミングスクールを終えるのが18:30になる為、帰りは結構暗くなる事が予想される。
スイミングでがっつり泳ぐ事を知っているので、行き帰りに疲れさせたくはない。
けれど、どちらを選択しても疲れそうだ。
悩ましかったので、どういう道のりなのかも説明した上で長男の希望を聞いてみた。
すると「自転車で行きたい」と言う。
長男は普段、自転車で行動する事が殆どない。
土日は大体、夫の運転する車ででかけている。
平日は学童へ行くか、目の前の公園で遊んでいるだけ。
月に1回乗るかどうか…と言う位、自転車の出番がない。
更には、自宅周辺は有難い事にとても平坦な道しかなく「坂道」を走った事がない。
私はとても不安だった。
だけど、代替え手段らしきものがなかったので挑戦させてみる事にした。
さすが元保育園児
イザ自転車でツーリングをしてみると、全く問題がなかった。
保育園で6年間みっちり「交通ルール」を教え込まれているので、左右から車が来る可能性がある場所ではしっかり止まって確認する。
信号を守るどころか、点滅が始まったら絶対に渡らない。
坂道を下る所もゆっくり降りて、登りも頑張った。
スイミングスクールに到着する頃には、もうレッスンを終えたのかな?と思う程汗だくだったけど。
初めて線路を超えた先まで走りきれた事に満足そうな顔でプールへ向かって行った。
手の放し方を模索中
5月に一緒に見学した以来、久しぶりの見学。
すっかり慣れた様子で、黙々と泳ぎ続ける長男を見てぼんやり考えた。
休日に家族4人で行動していると、自転車に乗る事は殆どない。
たまに夫が自転車で公園に連れていく事はあるけれど、大きな駅周辺に行く事はほぼない。
今の所、「親不在」な状態で自転車に乗った事もない。
でも、この先いつかは「友達同士」で自転車に乗って遊びに行く…というケースも出てくる。
私も小1位の頃は、既に自転車に乗って1人で習い事に通っていた。
でも急に1人で自転車で行動する様になったワケじゃない。
最初の頃は、母親とツーリングで通っていた。
母親が私の運転を見て「怖い!」「もっと端に寄って」等とハラハラしていた事を覚えている。
今後「友達と自転車で遊びに行きたい」と言い出す日も出てくる。
その日は突然来るかもしれない。
その日の為に、子供と色々な道を並走する事は結構大事なのではないか?
そう思えた。
想定外の自転車旅だったけど、良い経験になった。
そして、あれだけの長距離と坂道を自転車で走り回って10分もしないうちに泳ぎ始める。
休む事なく。
ガラス越しで見学する私を目が合ってもはしゃぐ様子もなくクールな長男。
とても頼もしく思えた。
今日も有難うございました!