子育て応援(されていない)マンション〈第一話〉ママチャリまで徒歩5分
「これは一体何の罰ゲームだろう」
私は、途方に暮れていた。
もうすぐ1歳になる長男を抱っこ紐で抱っこ(約10キロ)
背中には仕事のリュック(約6キロ)
右手に保育園から持ち帰った荷物。
左手には、電動自転車のバッテリー。
金曜日なので保育園の荷物の中には通常の荷物に加えてコットカバー、掛布団、靴、帽子など「金曜日セット」が入っている。
そしてよりによって金曜日に充電が切れるなんて!!!
電動自転車のバッテリーは鬼のように重い。
前後左右に荷物を抱えてヨロヨロ歩きながら思う。
「家が遠い」
幻想の子育て応援マンション
数年前。
夫と私は同じ勤務地だった。
同じ勤務地なので、通勤時間が短く住む場所+お互いの実家への距離がほぼ同じ場所という理由で、「住む場所」を決めた。
そこは縁もゆかりもない土地だった。
家探しを始めると、賃貸は想像以上に高い。
そこで、当時よくニュースになっていた「大規模マンション」を見学してみる事にした。
大規模マンションの売りは
という点だった。
当時、家探しをしていたエリアは建設ラッシュで沢山の選択肢があり、結婚式の準備と並行して、毎週の様に「マンション見学」をしていた。
その時見つけたのが、今のマンション。
角部屋でルーフバルコニー付き。
窓が多くて日当たりが良い。
夜景が楽しめる。
バルコニーから外を見下ろすと、同じような見た目の戸建てが密集しているエリアがあった。
あれでは、逆に隣の家の生活音が聞こえてきそうである。
このマンションは子育て応援マンションを謳っていた。
色々と悩むポイントもあったけど、和室に腰を下ろすとルーフバルコニーという空間の先に景色が広がっていた。
「このルーフバルコニーがあれば、子供とビニールプールやるのも良いかもね」
私達はルーフバルコニーを見つめながら、「ここで子育てしたい」そう思って、人生初の買い物をした。
ママチャリまで徒歩5分
でも、今なら分かる。
このマンションが決して「子育て応援」ではない事を。
キッズルーム?
そんなモノは育休中に数回しか使った事がない(生後5か月で復帰)
パーティールーム?
コロナ禍で丸2年使用できなかった。
そもそも世帯数に対して数が足りないので予約を取れない事が多い。
そんな事よりも、日々の生活である。
マンションは縦に長いタワマンではない。
横に長いマンションなのだ。
上にもそこそこ長いが、とにかく横に長い。
横に30世帯以上あるマンションの角部屋にある我が家。
マンションに沿うように、ズラーっと並んでいる中で一番端に私の自転車置き場がある(抽選)。
家と正反対の場所にマイカー(ママチャリ)がある。
角部屋の我が家からエレベーターまで歩き。
エレベーターを降りたらひたすら一番端まで歩く。
家を出てから自転車に辿り着くまで、徒歩5分。
抱っこ紐時代はとにかく重くてツライ。
そして、チョロチョロ歩き出すようになると「目的地に辿り着かない」が発生する。
マンホールの下に水が流れてる。
植え込み周辺に石が転がっている。
気になる草花がある。
自転車がズラリと並んだ裏側の隙間に入ってかくれんぼ。
当時は、徒歩5分どころでは済まなかった。
長男が1歳の時、次男を妊娠した。
妊婦の時は、この「徒歩5分」中に吐き気を感じて大変な事も多々あった。
次男が産まれた後は、冒頭の前後左右に大量の荷物?を抱える+チョロチョロする長男を追いかける…という苦行が発生した。
そして次男も歩き出すようになるとチョロチョロする子供が2人になり、更に収集がつかなくなった。
駐輪場で「オシッコに行きたい!」と言われて大急ぎで走った事もある。
何の予告もなく、ジャーっと漏らされた事もある。
その度に思う。
アレ?ここって「子育て応援マンション」だったよね?
自転車降りてからこんなに大変って、おかしくない?
今年やっと長男が小学生になり、チョロチョロする2人を追いかける日々はほぼ終了した。
「大変のピーク」は過ぎた。
でも、やっぱり遠い。
自転車が遠い事を理由に、私は今でも帰り道に寄るスーパーで牛乳を2本以上は買わない(笑)
あとがき
日々ストレスを感じていたので、「いつか書こう」と思っていたネタを出してみました(笑)
今となっては、勤務地も変わってしまったし、実家の近くでもないし、引っ越したいと思う事もしばしば。
でも、長男が「絶対転校したくない!」というので、仕方なく住んでいます( ;∀;)
まぁ、実際に大規模マンションだったお陰でマンション内に同じ小学校の友達も多いし、朝はエントランスに出たら必ずお友達がいるので色々安心ではあります。
「第一話」としている様に、いくつかネタはあるのですが。
第二話を書くかどうかは分かりません(笑)
下らない愚痴に最後までお付き合い頂き有難うございました。
大規模マンションを検討している方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
今日も素敵な一日になりますように。
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