肌の構造とターンオーバーの仕組み
肌の構造のこと、なんとなく知ってはいるけど・・
毎日お手入れしたり、メイクをしたりと自分の肌に触れる機会は多くても、肌の内部やどんなメカニズムなのかを考えることはないですよね。
自分の肌の状態を知り、適切なケアを行うことこそが、ふっくらと明るく透き通る肌を手に入れる近道です。まずは肌の構造から見ていきましょう。
皮膚は大きく「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3つの層で構成されています。
表皮
表皮は、内側から「基底層(きていそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「角質層(かくしつそう)」の4つの層からできています。
基底層から細胞が分裂して分化し、平らになって積み重なり角層を作り、最終的には「垢(あか)」となってはがれます。
角質層
表皮の最も外側にある「角質層」は、角層細胞が10〜20層重なってできていて、NMF(天然保湿因子)、細胞間脂質などのバリア機能の働きでうるおいを保ち、皮膚の乾燥を防ぎます。
また、表面は、皮脂と汗が混合してできた皮脂膜によって、外部の刺激から皮膚を守ってくれています。肌にピリピリ感やかゆみを感じるのは、バリア機能が低下しているサインです。
シミ・ソバカスの原因となる「メラニン」をつくる部分(メラノサイト)は、表皮の下層「基底層」にあります。
表皮の厚さはおよそ0.1〜0.3mm程度と非常に薄くデリケート。
次の層、「真皮」には体温調節や老廃物を排出する役割を果たす汗腺や、血管、神経などが集まっています。
そのさらに下層にあるのが「皮下組織」。文字通り脂肪細胞で、体温維持やエネルギーを蓄える役割があります。
ターンオーバーとは
耳にする機会も多くなった「ターンオーバー」という言葉。平たく言うと、肌の生まれ変わり、つまり新陳代謝のサイクルのことです。
表皮は、新しく生まれた細胞が古い細胞を少しずつ上に押し上げ、最後は自然にはがれ落ちるようにできています。このサイクルをターンオーバーと呼び、健康な肌であればおよそ28日間(4週間)くらいのサイクルで行われています。
しかし、肌のターンオーバーのサイクルですが、
20代は一番理想的と言われている約28日であるのに対し、
30代が約40日以上
40代が約55日以上
50代が約75日以上
60代は約100日にもなると言われています。
加齢やとりまく環境により、ターンオーバーのサイクルは年々遅くなっていきます。
紫外線やほこり、外気、最近であればマスクなど、肌は常に外的刺激を受け続けていますが、それでもボロボロにならないのは、肌表面の角質層がターンオーバーによって生まれ変わっているから。傷ができても次第に治るのは、ターンオーバーの働きによるものなのです。
ターンオーバーのサイクルが乱れる原因
ターンオーバーを正常に行うためには栄養や成長ホルモンなどの材料が必要です。
当然、材料が不足するとターンオーバーがスムーズに行われず、乱れてしまいます。
ターンオーバーの乱れは、栄養不足の他にも老化や肌へのダメージ、神経の働きなど、さまざまな要因が重なって起こるものです。
ターンオーバーのサイクルを整える方法
ターンオーバーは早くても、遅くてもダメ
ターンオーバーのサイクルが早ければ早いほど、健康な肌でいられるのでは?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
ターンオーバーが早すぎると、まだ不完全な細胞が表面に上がってしまうため、肌内部の水分を充分に保つ保水力が低下したり、些細な外的刺激が大きなダメージになったりして、肌が荒れてしまうのです。
では、ターンオーバーが遅くなれば肌を守る機能が強くなるのでは?これも違います。
紫外線の影響によるシミやニキビ跡の原因となるメラニンも、ターンオーバーが遅くなると排出されずに、古い細胞とともに蓄積されてしまいます。
これが繰り返されると、色素沈着が起こり、頑固なシミやニキビ跡の原因になります。
また、はがれ落ちるべき皮膚が角質層に蓄積することで、ごわつきや肌全体がくすんで見える原因となります。
ターンオーバーの乱れは、睡眠不足や不摂生、ストレスなどでも引き起こされます。肌のためにも体のためにも、健康的な生活を心がけたいですね。
肌にダメージを与え、ターンオーバーを乱す一番の原因となるのが紫外線。