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#蛙噺

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今まで書いた小噺をまとめたものになります。
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2014年5月の記事一覧

apagador.1

マスキングテープ友達整理致しましょう。 いらない人から、マスキングテープで目隠しのほうさ…

apagador.2

消しゴム消しゴムってすぐ無くしてしまうから嫌いなの。 だから、文字を消す時は黒い煙を書い…

口紅1

桜色の口紅おかあさまからもらったきれいなくちべに。 あか、きいろ、みどり、むらさき、そし…

口紅2

緑の口紅姉さまの口紅がピンクから赤に変わったのはいつからだっただろう。 私が姉さまに欲情…

口紅3

紫の口紅「叔父様は紫の口紅がよくお似合いだ」 私は姉さまとお母様によく似た青年に恋をした…

書く事が好きだった二人が書く事をやめてしまったお話。1

あるところに物語を書く事が好きな少女がいた。 少女はいつも不機嫌だった。 眉間に皺を寄せ…

書く事が好きだった二人が書く事をやめてしまったお話。2

あるところに物語を書く事が好きな少年がいた。 少年はいつも無気力だった。 口をぽかんと開け、「おなかすいた」というのが口癖だった。 少年の書くお話は常に人が死んだ。 世界が滅びることも多かった。 少年は言った。 「出来れば人が死なない話を書きたいんだけどね」 「上手くいかないんだ、うん」 物語に出てくる登場人物や世界には細かい設定がついていた。 話すときとの指の仕草、部屋の隅っこにいる蜘蛛の描写まで細かく書きこまれていた。 「物心がついたときから人付き合い

書く事が好きだった二人が書く事をやめてしまったお話。3

少女は少年の話を私から聞き、是非お話を読んでみたいと言いました。 少年は少女の話を私から…

書く事が好きだった二人が書く事をやめてしまったお話。4

あの日から、彼らが私のもとに来る日数が減りました。 来たとしても、以前のように物語を披露…

ハローグッバイ-Hello,hello-

彼女は「私の夢は宇宙人になることなんだ」と、僕に言った。 彼女はわらべうたが好きで、よく…