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晩秋の夜を彩る中年のパレット

金曜日の15時。
よし、時間だ!今週も終わり。

「皆んな〜お先に〜」
Googleのチャットで仕事の終わりを告げる。同僚くん達に仕事を押し付けて、毎週お決まりのプレ土曜日のはじまりです。つまり、フレックスを利用してさっさと退散してしまう作戦。


いつものように、
「マジっすかぁ」とか「汚いっすよ」なんてクレームまがいのコメントが並んでいる。そんなコメントにニヤつきながら「頑張れよ」と捨て台詞セリフ


と言っても、明日は大阪ここで学会があるので、仕事なんです。だから帰省もできないし、オッサンの一人旅もできない。


今日は早めのワークアウト、、、ウォーキングでもしようと心に決めた。
心斎橋まで徒歩で向かい、何気に立ち寄った百均でしょうもない買い物を楽しんだ。帰り際にいつものたこ焼き屋に立ち寄り、店主のオッサンとくだらない立ち話が弾む。


「今日は帰らへんのかい」
「明日は大阪ここで仕事なんよ」
「ほな、たこ焼きでも食うて元気だしぃ」


いつもより4個もサービスしてくれた。
よし、今夜は「たこパー」でもしよう。。。
寂しすぎるオッサンの決意。


自宅マンションへ戻る途中には、お洒落な飲食店が軒を並べている。
どの店もお客で満席で、楽しそうな会話が聞こえてくる。
「チェッ」


僕は部屋に戻ってひとり「たこパー」だ。
「。。。」


自宅に戻ると、さっきまで明るかったはずの部屋の中が真っ暗になっている。レースのカーテン越しに見えるビルの灯りは、僕をあざけているようにも見えるし、励ましているようにも感じる。


デスクのライトに火をともし、何気にパソコンの電源を入れてみた。note記事でもみながら「たこパー」はじめよう。


「あなたの記事が話題です」


ん?
なんだろう。えっ、ささみさんやん。



ささみさんが僕の記事を話題にしてくれている。
「ひゃーっ、嬉しい!!!!!!」
50歳を過ぎたオッサンの胸が躍っている。


ささみさんと言えば、note友達の「ともきち」さんが認める押しのクリエーターさん。そのスタイリッシュな文章は、自然でいて無駄がない。樹木を撫でる風の音や花の匂いでさえもしっかり伝わってくる。秀逸なクリエーターのささみさん。サークル「エッセイのまち」で仲良くしていただいている憧れのクリエーターさんだ。そんなささみさんが僕の記事をご紹介くださっている。


なるほど、そんな思いで僕の記事を読んでくださっていたのか。ふむふむ。
読み進めるうちに、涙で文字がにじんでしまった。
さっきまで僕をあざけていると感じたビルの灯りが、今ではローソクの灯りに見えている。そうか、お前らも祝福してくれるのか。ありがとな。


金曜日の寂しいオッサンのひとり「たこパー」も悪くない。
晩秋の夜を彩る中年のパレットに、今夜はささみ色が一色加わった。
何度も何度も読み返し、遠い北国の景色を想う。


最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
今夜も素敵な夜をお過ごしくださいませ。🍁


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