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茶の湯の本たち#115 利休と信長
読み易さ ☆☆ (三点満点中)
茶の湯関連のエピソードがコンパクトにまとまっているので、このジャンルの本では比較的読みやすいです。といっても、古文書の読み下し文が普通に出てくるので、ややマイナス評価です。とはいえ、私は原典のウネウネした字が書いてある画像がほしい派です😂
このシリーズについて
茶道初心者が茶道の本を紹介する記事です。ほぼ自分のメモがわりです。
本記事では、茶道の初心者向けのおすすめ本を紹介します。
本の中身と関係ないことがほとんどです。
今回の本はこちら
おすすめポイント
千利休を中心としつつ、応仁の乱以降の近畿における有力都市である堺の豪商たちの動きや、信長以前に京都近辺を掌握していた三好一族や松永久秀と茶の湯との関係性の描写は非常に興味深いものです。
堺の商人たちは武器商人として戦国大名との関わりが深く考察されています。特に、商人たちが資金の担保として茶道具を預かっていたものの、武士が戦死してしまい、それが不良債権化したという話は、当時の仕組みを理解する上で新たな気づきを与えてくれます。
また、信長が堺に対して矢銭(軍資金)を要求し、その後名物狩りとして茶道具を高額で買い上げた行動も興味深い点です。この流れを見ると、信長が堺から得た資金を一部還元する仕組みになっていた可能性があり、茶道具の経済的側面における信長の戦略性が伺えます。
読んで思ったこと
利休の侘び茶は、「その当時の自分の身の丈に合った良い道具を見出して生まれたもの」という解釈が多く見られます。唐物を次々に購入するほどの財力がなかった利休が、自分自身が良いと思うものを見つけ、それを生かしていくという視点は非常に興味深いものです。
現代において、骨董品を見出すことも魅力的ですが、現代の新しい工芸品やデザインを用いて茶の湯を再構築することも、侘び寂びの一つの表現と言えるのではないでしょうか。例えば、現代の工芸品で、水指や建水として活用できるものにはどのような可能性があるのでしょうか。
最後までご覧いただきましてありがとうございました 😀
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