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【蒸留日記vol.72】英国品種'Folgate'を蒸留する!
さて比較的早咲きの米英国品種の蒸留編次なる品種は2020年からウチで育っているフォルゲイト(L.angustifolia 'Folgate')の蒸留回でっす!
実はこのフォルゲイト、過去ポプリ取りでしか扱ったことがなく今回がなんと初蒸留となります…!!
華々しいですね!
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フォルゲイト花壇の隣で可愛らしく開花していたウスベニアオイちゃんも一緒に撮ってあげました。
ハイビスカスのようにいつ見てもかわいいThe花!なシルエットですね。
■'Folgate'のプロフィール!
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イギリスやアメリカではこのフォルゲイトはわりと盛んに栽培されている早咲き性のコモンラベンダー品種のようです。
米国ではウィドビー島のLavender Wind farm, 英国はMayfield lavender, Castle farm Knetなどでフォルゲイトの大規模栽培が確認でき、米英国ではそれほど有用な品種であるとみています。
ここ北海道でこのフォルゲイトを栽培すると、北海道において最もポピュラーに育てられている3号濃紫早咲に、姿と開花時期ともにソックリであることに気付かされます。
この2種が注釈なしに植えられて混同してしまうと、互いに見た目では区別が付かなくなってしまうほどです。
今回の蒸留にてフォルゲイトの精油を得てみて、改めて外見上ソックリな3号濃紫早咲と香りを嗅ぎ比べてみようか〜という実験になります!
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Lavandula angustifolia 'Folgate'は英国Downderry Nurseryの品種解説によれば、1933に英国に導入されたコモンラベンダーのようです。
"導入"とはいいますが、英国の王立園芸協会(RHS)の園芸植物図鑑にレコードされており、2012年にガーデンメリット賞を受賞している品種のようです。
■収穫と蒸留準備!
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ラベンダーはそもそも地中海周辺の乾燥地域で育つ植物のため、花に雨粒・湿気を受けるとすぐに萎れてしまう雨に弱い欠点があります。
今年は開花期に降雨日が多くぶつかったため開花が楽しめる期間が短い年になってしまいました。
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フォルゲイトは今年旧型のレイズドベッドから新しい規格のブロック花壇にやや遅刻気味で植え替えしたせいもあってか、花の立ち上がりボリュームにやや欠ける様子でした。
順調に育てば、それなりに大きくボリューム感じる花穂を立ち上げる性質を持っているコモン品種のようです。花の大きさは来年に期待ですね…!!
これら既存5株と買い足してまだ若い2株を合わせた7株分収穫していきます。
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フォルゲイトも前回の'Irene Doyle'同様に確実な香りの個性を確かめたかったので葉茎を切り落としてなるべく花部の割合が多くなるようエスピール法にて収穫・蒸留としました!
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で、50分ほどでこのように収穫完了です!
見た目汚いですが、収穫現場で"エスピールカット"も施しました。
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バケツ重量などを除いた花部のみでの収穫重量は450gでした。
さて収油率がどうなるか楽しみですね…!
■蒸留結果は…!?
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1.収油率
抽出量[ 3.5mL ]÷ 素材重量[ 450g]x 100 = 0.777%
前回の'Irene Doyle'に比べて収油率がかなり高く出ましたね!
1%は越えていないものの、わりと高収油な部類なんじゃないかと予想してます!
2.香りとか
フォルゲイトは各国の品種説明を見ても「数ある品種のなかでも香りが良い」と高い評価を受けている品種です。
なので北海道品種の、半世紀前の優良品種選抜では落選した3号濃紫早咲とはかなり異なったアロマを持っているんではないかと読みました。
で実際に官能してみる。。。
7/15時点で焼き芋のような蒸留臭が抜けきっていないのでわかりませんが、ちゃんと強く香るアロマがあるのは確かなようです。
数ヶ月時間が経って香りが落ち着いたらまたレポートします。
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