【蒸留日記vol.38】シーズン初手、余り出たラベンダー花茎を蒸留してみる。
さぁぁぁぁぁぁぁぁていよいよラベンダーの本格蒸留!!!!!
とはならないのが、エコイストの考え方で営まれる蒸留だったりします(笑)
改めまして、"エコイスト"のエフゲニーマエダですどうも。笑
えーラベンダークッキーやラベンダーアイスに使う食用ラベンダーは開花直前のポプリを使っています。
なので、開花前にも3号濃紫ラベンダーの収穫作業が始まる寸法です。
富良野ファーム富田さんのようなラベンダーオイル専門農家は開花後8月あたりに収穫作業が始まるのですが、ウチでは7月なった途端に始まります。
開花直前(1,2分咲き時点)で食用ポプリ採取のために未開花ラベンダーを摘んでいました。
切り分けたポプリは乾燥台に乗せて1週間ほど乾燥させ、保管用の紙缶に移されます。
こうして食用に設定している開花前のラベンダーは乾燥され、、、
花穂だけ回収するのですが、この部分が余されますね。
■葉っぱと茎が余りました。それも大量に。
さて、エコイスト蒸留ラボでは、このビョーンと硬く長いラベンダー茎(Stem)をどうにか有効再利用できないかと模索してきました。
乾燥したやつは粉末にするなり、ハンドメイド手持ち花火の持ち柄にするなりいっくらでも活用法はみっかったんですが。。。
Freshな状態の茎&葉っぱ(Fresh leaves&Stem )はどうしようかー…
粉末にできないしな〜…
というのがまさに目の前の課題だったりします。
花部分(オイル含有)をキレイに取り除いたんだから、じゃあ実験的に茎と葉っぱだけを蒸留してみて、はたしてどれぐらいオイル抽出量やアロマ(香り)に差があるのか?を実際に調べてみようではありませんかーーー!!
という回です(笑)
■L.angustifolia Summer Leaves & stemの蒸留。
かなり踏み込んだ学術的な話を展開すると、実はラベンダー葉茎(Leave&stem)の蒸留はこれが2度目。
初回は蒸留器が届いた昨年12月の、この蒸留マガジン初回記事になります。
上の記事では雪が積もる直前時期、ラベンダーの冬剪定で出た枝葉を蒸留材料としています。
同じコモンラベンダーだし、この時期の葉っぱにオイルって含まれてるのかなー?という疑問のもと蒸留を実施しました。
ラベンダーの冬葉が白っぽい理由
常緑樹であるラベンダーの冬葉(Winter leaves)は夏の繁茂期・開花期の葉っぱとは色が違っていて、英語圏ではGray green,Silver leaf,Sage greenなんて説明されています。
冬葉(Winter leaves)が白っぽくなる理由というのは、
①気温低下で葉っぱの伸長が滞り、産毛みたいな繊毛の密度が高くなる
②Camphor/樟脳およびBorneol/竜脳とよばれる白っぽい結晶物質が多く作られるようになる
ためだったりします。
その蒸留を昨年12月に実施したのですが、今回はその"相対時期"となる成長・開花時期の葉茎(Leaves & Stem)の蒸留となります!
■蒸留素材の用意
素材を用意するまでもなく、花穂(Calyx)、ポプリ(紫色の部分)をカットして残った葉茎(Leaves & Stem)がコチラ。
この時点で計量器がなかったので重さは測れませんでした。Dammit!
バケツに入っているままでは水蒸気が大きな隙間から素通りしてしまうので、茎を細切れにして全体に蒸気が行き渡るよう蒸留素材の充填を工夫します。
で釜を閉じて蒸留スタート。
■蒸留結果は…!?
色の濃いオリーブ色の精油が1mLほど回収できました!すっくねぇ!笑
あーーーっれぇ、冬葉のときと抽出量にそんな変わりない気が(笑)
香りはやっぱり、焼き芋のような超甘ったるいラベンダーの香りがします。
明らかにフラワーから抽出されるオイルとは違った香り・成分のオイルであることは間違いなさそうです。
そして葉茎付きのままラベンダーオイルを抽出すると、このオイル分が混ざることで香りに雑味が付加されることになるんですナ!
オイルに色がついている理由はおそらく炭素数がやや多いC15セスキテルペン芳香分子によるものでしょう!と予想しています。
カリオフィレン(β-caryophyllene)なんかでしょうかね?
ではでは!
ラベンダーシーズンインに際して、初手余り出たラベンダー葉茎の蒸留をやってみた回でした!う