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【蒸留日記vol.39】ラベンダーロイヤルパープルの蒸留!

ついに来ました!
ラベンダー栽培歴4年目にして記念すべき初のラベンダー蒸留回です!


これも農家の宿命といいましょうか、作業の開始はなななんと早朝4時半から!
山の向こうにまだ太陽が隠れている時間からの収穫作業でした!

ではラベンダー収穫→蒸留→オイル採りまでの順序をリポートしていきますbb

●ラベンダーロイヤルパープルのご紹介!

開花したロイヤルパープルの花穂

ラベンダーロイヤルパープル(Lavandula angustifolia 'Royal Purple')はその名の通り、英国生まれのラベンダーです。
英国王室に由緒あるロイヤルの名を冠している高貴なラベンダーで、イギリスではその美しい香りから精油抽出用の品種として長らく栽培されていたようです。

エリザベス女王が砂糖の中にこの花を埋め、それを使ったお菓子が好物だったんだとか(※この話よく調べてない)
英国女王にも愛された、由緒ある品種のラベンダーです。

甘く癒される香りが特徴のコモンラベンダーであるロイヤルパープル

よく英国品種問わずコモンラベンダー(L.angustifolia)をイングリッシュラベンダーと呼ぶ俗称がありますが、このロイヤルパープルに限ってはれっきとした"イングリッシュラベンダー"といえるでしょう!


●収穫タイミングは太陽の昇る直前、朝とした!

早朝に収穫した

北海道の富良野を中心としたラベンダー産業の歴史では、「ラベンダーの収穫時刻は開花した早朝で収穫後蒸留する」とあります。
理由としてはおそらく、太陽の照りつける日射と高い気温によってオイルの歩留まりが大きくロスするのを防ぐためなんじゃないかな?と考えてます。

ひねくれ者のエフゲニーマエダは北海道ならではの伝統法には素直にならわず、各国のラベンダーオイルにまつわる論文を半年間読み漁り、いつどきがオイルの抽出・品質にGoodなのか?を調べ上げました。

エビデンスデータに従うと、
①花の開花前と開花後ではとある成分の値が逆転することや、
②開花から雨日を経れば経るほどオイルの質は落ちることや、
③早朝と昼とではとある成分がかなり減ったり増えたりを繰り返すことなどを知り得ました!

などなど、、、
各国の農業研究機関が公開している論文を読んだ結果、ロイヤルパープルの収穫と蒸留は早朝に行おう!という決定を下しました!

刈り取り後のロイヤルパープル花壇

ロイヤルパープルの株数は現在16株。
昨年2021年の春に20株苗木を購入したのですが、うち2株は干ばつによって枯れ、うち2株は間違いで名の知らぬ謎苗でした。

で結局、今年のこの夏にようやく花を咲かせたので株はやや小さいまま。
なので株数のわりに収穫量は多くなりませんでした!

朝AM6:00前に収穫完了したロイヤルパープルの花束

初年度の生育量で想定されるラベンダーオイルを販売ベースに乗せることは考えてなかったので、抽出さえできればオイルサンプルとして持っとくだけでも十分だよね!ってことで蒸留しました!

ではいよいよ蒸留釜に本命であるラベンダーを詰めてあげましょう。。。


●ラベンダーを蒸留してみる!

ラベンダーの花束を蒸留釜につっこんでいく

昨年12月頭のラベンダーの枝葉蒸留と数日前の葉っぱ蒸留回、加えて海外論文から、ラベンダーの花穂(Bud,Calyx)と葉っぱや茎(Leaves)とでは、香りの性質がぜんぜんちゃうよ!ってことがわかっています。

なのでラベンダー オイルを採る際は、①花部分を切り落として花穂のみで蒸留するか、あるいは②伝統的な方法と同じく収穫したまんま釜に突っ込むかのいずれかの蒸留方法をとるかによって、オイルの質を意図的に変えることができます。

で朝摘みロイヤルパープルはそのまま蒸留を実行!

冷却管を通るラベンダーオイルを含んだ水蒸気

冷却管を水蒸気が抜けていく様は蒸留をやっているときの見どころなんです。。。
油玉を抱えた水蒸気がジョバジョバと冷却管を伝って滴っていくのがまぁ圧巻の壮観で。。。

この画像もガラス管をよーく見てみるとラベンダーオイルの油玉がたくさん滴っているのがみえますよっ!


●蒸留結果は…!?

蒸留時間1時間30分で抽出されたロイヤルパープルの精油
歩留まりは2mLといったところ

こんな感じでした!

いやーせっかく昨日にMax5kgまで測れる軽量計を買ったのに、ちゃんとラベンダーの重量測っとけばよかったなぁーとちょい後悔。。。

ハーブの中でも歩留まりが最大3%~1%と精油が多い部類に入るラベンダーですが、もっと採れるかと思ってた…

そしてやはり蒸留直後は焼きイモ焼き栗のような甘ったるい蒸留臭がついているので、ラベンダーオイルとして真価を発揮するのは約半年後〜からになるようです。(半年で蒸留臭が抜けるため)

まぁ初年度の初めてつけた少ない花からこれだけの100%オイルが採れたのもすごいもんだ!と思っておきましょうw


ちなみにちなみに、、、

セミがラベンダーの花茎で脱皮している図

朝こんな来客とも一緒に仕事してました。
セミさんがラベンダーを脱皮用の枝として使っていました(笑)

こんな細い茎でも脱皮するんかいな、、、!!


ではでは!
記念すべき初のラベンダー蒸留回でした!

【花ではないけど初めてラベンダー素材を蒸留した回】

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エフゲニーマエダ(平成林業。)
若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。