6月上旬の北海道ラベンダーたちをご紹介!
今回特にご紹介したいのが、やっとこさ花茎を立ち上げるまでに成長した英国試験品種たちなんですよ!
植えた去年は用土が悪かったり干ばつ年だったりでずっと苗サイズのまま変わらずじまいだったのですが、用土を変えた途端一気にぐんぐんと成長を開始しました!
■英国品種たち
ビーチウッドブルー(L.angustifolia 'Beech Wood Blue')は英国のナーサリー(苗木園)の商品ラインナップではよく目にする園芸品種です。
俄然開花前なんですが、この状態をみてみると北海道品種の3号濃紫に見た目がソックリです。
3号濃紫と一緒に植えてしまうと、外見だけではまずわからなくなる姿をしていますね。
マンステッド(L.angustifolia 'Munstead')はイギリスではわりと伝統的な品種なようです。
以外にもトルーラベンダーや2号はなもいわのように未開花状態では淡く白っぽい姿をしています。
1916年に園芸家のGertrude Jekyll氏により作出・紹介されたよう。
高さは45cmほどでライラックブルー色の花を咲かせると解説があります。
ピーターパン(L.angustifolia 'Piter Pan')は花穂形状が中間的な品種といえるでしょう。
濃紫のようにまとまっているわけでもなく、ナリサワのように間延びしているわけでもない、中間的な花穂形状をしています。
そしてみょーーんと茎がまっすぐ伸びているようにも見えますね。
(もしやこれが特徴か…??)
インペリアルジェム(L.angustifolia 'Imperial Gem')はラバンジンラベンダーのように穂状花序(円錐形の花穂)をしている特徴的な姿をしたラベンダーといえるでしょう。
スパイカナナ(L.angustifolia 'Spika nana')は名前に"矮小"をあらわすナナがついていますが、花穂はひょろひょろ〜〜と長くつくようです。意外ですね!
コンパクタ(L.angustifolia 'Compacta')は名前こそコンパクタと付いていますが、コモンラベンダーの中では中型種のようです。
ポプリは細長くやや上向きにつくので、特徴的な花穂となっています。
上で紹介した英国品種花壇にいる子ではありませんが、英国の誇る品種たちをご紹介。。。
ロイヤルパープル(L.angustifolia 'Royal Purple')はその名の通り英国王室の称号を冠した由緒正しき英国ラベンダー。(王室に愛されたのかな?)
北海道品種の3号濃紫に負けず劣らずめっちゃ鮮やかな紫色なのかと思わせつつ、未開花状態ではけっこう淡い色あいをしていました。想像したのはエリザベス女王の真紫色のドレスの色。
そしてかなり背が高いんですよね。
対して、かなり画角広めで撮っていますが一番手間にいる白っぽい品種が2000年にノーフォークガーデンで作出されたミスキャサリン(L.angustifolia 'Miss Katherine')です。
こちらも優雅で背が高く、ピンク色の美しい花を咲かせるピンクラベンダーです。
英国ラベンダーの代表的な園芸品種で、イギリスの庭造りにはかかせないピンクラベンダーといえるでしょう。
(ミスキャサリンの奥列、色がやや違っている淡色ラベンダーはNZ品種のブルーマウンテン)
■北海道品種たち
左の薄色ラベンダーはトルーラベンダー(Lavandula angustifolia)といい、原種に最も近いとされるラベンダーなので北海道品種ではないのですが、色合いの比較として。。。
それに比べてわが研究園最年長の3号濃紫ラベンダー(L.angustifolia 'No3 Noushi')はわかりやすく紫色をしていますね。
個人的にラベンダーといえばこの品種を真っ先に思い浮かべます。
2022年度になってやっとこさ自慢できるわが農園の目玉品種!
北海道・ファーム富田が誇る4号オカムラサキ(L. angustifolia 'No4 Okamurasaki')から生まれた後継品種がそれぞれ2種揃い踏み!
それぞれオカムラサキの濃色枝から品種固定されたバイオレットメモリーと白化品種(アルビノ的な??)のオカムラサキホワイトです。
両種とも4号オカムラサキを親に持つので、遅咲き(開花時期が若干遅め)性質をしっかり引き継いでおり、ほかのラベンダー品種に比べて成長度合いがまだ未熟なのがわかりますね!
茎の高さと花穂の長さがこれよりもさらに伸びてくるハズです。
(実はウチにはオカムラサキが1本たりともいません。。。)
2号はなもいわは個人的に気に入っていて、つぼみ状態だと淡く白っぽいですが開花すると一気に鮮やかな紫色に変貌する2度楽しめるおもしろい北海道品種です。
香りもどの北海道品種と比べてあっさりさわやかな香りがするので好きなんですよ。シャンプーとかアメニティの香りづけに使いたい品種!
2号はなもいわは北海道のオイル生産史において1967年に、札幌南区の地区名をブランド名に冠した由緒ある品種です。
中咲性であり、早咲きの3号濃紫と遅咲きの4号オカムラサキのちょうど間の時期に開花するようです。なのでまだ花穂が若いですねー。。。
■それ以外の国のラベンダー品種たち
これまた北海道品種ではありませんが、おそらくオランダの農園さんにシンジェンタが発注しているアロマティコブルーと3号濃紫の色合いを比べて見ました。
まさかの鉢植えアロマティコの方が紫が濃いという結果に。
アロマティコはとにかく早咲き性で、どんどん花穂を立ち上げては花を咲かせるので、そこまで背が高くならない品種です。
中型ピンク品種のココナッツアイスと色がめっっっちゃ濃いバレンスダークバイオレットです。
ココナッツアイスはニュージーランドで作出された有名なピンク品種ですね。
英国ミスキャサリンよりは背が大きくならないイメージを持っています。
なんだって今年度初めて花穂を立ち上げたのです。。。
おいしそうな品種名をしているので、もっぱらアイスにでもしてやろうかと思っています。食用にするつもりで育てていますw
バレンスダークバイオレットはネットでもほぼ情報が出てこない、真新しい園芸品種のようです。
唯一、東欧の園芸サイトでこの商品名がHITするんですよね。。。
めちゃくちゃ色が濃いので染色用に栽培しています。
さすがラバンジン!これぞラバンジン!といわんばかりにビョンビョンと花穂を伸ばすわが園最年長のラバンジン株です。
3年前に初めて買ったラバンジンなので、品種名が不明な苗だったんですよね。
暴れ狂うように育つ謎ラバンジンですが、2020年来た当初はこんなにもちっちゃかったんですよ〜〜〜〜〜
2年であれよあれよと大きく育ち。。。
こんなところでっす!!!
去年はここいらの時期がまったく雨が降らない干ばつ真っ只中でひどい思いをしていましたが、いまも絶賛雨が降り植え替えも順調に進んでいるのでまずまずなところでっす。
今年から客人をラベンダー園に招けるよう、歩きやすく見やすいラベンダー見本園に改修していきます。
ではでは!
6月末の北海道でのラベンダーの様子をリポート回でした!