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【蒸留日記vol.35】矮小カモミールことコジカギクを蒸留してみる回。

どうもこんばんは、青の錬金術師ことエフゲニーマエダです。

前回の青い精油を作り出したアキレア蒸留あって、あちこちアキレアの群生地を探して回る最近を過ごしています。
このごろ札幌近隣ではようやくアキレア開花シーズンが訪れた感じがします。白い花が道路脇の花壇や歩道脇に目立ってきているのがわかるようになってきました。

したっけ、アキレアを探しまわっていると、アキレアのある生育特性に気づかされました。
アキレアはすごい偏屈なところにしか生えてないことがわかったんです。

アキレアがよく生えている代表的な場所

森の中や原っぱに凛と咲く美しいハーブのイメージなんて夢のまた夢。

アキレア・ミルフォリウムことセイヨウノコギリソウ(外来種)は道路ぶちの砂地割れ目あぜにしか生えてないんです。
むしろそんな辺鄙な場所こそが彼らアキレアの安住の地。

いやほんとすごいところに生えるな。。。といった感想。


というのが前置きでして!!

本題はというと、そのアキレア摘み摘み中にみっけた、こやつなんです。

凸った花頭をもつのはジャーマンカモミールとの共通した特徴

初見、超ジャーマンカモミールじゃん!!!と思いました。

去年2021年度、青い精油を採るためにジャーマンカモミール(Matricaria recutita)を育てていた(結果枯らした)んですが、その際覚えた特徴そのまんまだったんですよ。

去年植えていたジャーマン・カモミール

アキレアと一緒に道路ぶちに生えているこいつも
①カモミールと同じく葉っぱがモシャモシャだし、
②花の真ん中がボツっと突き出ているし、
③青リンゴのような甘い香りがするし、

というように、言い逃れようのないTheカモミールの特徴を持っていました。

なので初めて目撃したときは、外来種のアキレアと同様のケースで、誰かの家の庭から脱走したカモミールなのかなぁ〜とか思っていました。

けど明らかに背ちっさいし、どれも花びらぜんぜん付いてないし、明らかにジャーマンカモミールとも違うよね、、、と。


■コジカギク(Matricaria matricarioides)のプロフィール!

どれも背丈10センチで花をつける

大きな特徴としては、大きくならないジャーマンカモミール!という外見的特徴のようです。
そしてやはりジャーマンカモミールにはある白い花弁が、このコジカギクには無いんですよ。この画像で開花状態みたいなんです。

近縁ではないが葉っぱが瓜二つなローマンカモミール(右)とコジカギク(左)の比較

ローマンカモミールとコジカギクの混成地をみっけたので比較画像を、と。

ローマンカモミールは葉っぱこそカモミール類(というかカモミール呼びなんですが)とソックリの針のような葉っぱなのですが、真ん中の黄色いボッチが凸っとしていないのが特徴。
花だけだとマーガレット(フランスギク)のようですね。

対してコジカギクはジャーマンカモミールと同じMatricaria仲間なので真ん中が凸っとしているのが特徴です。
そして絶望的なまでに花びらが無い・・・・・・。


●北アメリカよりやってきたコジカギク

コジカギク(Matricaria matricarioides)は北米原産で、シカギク属を代表するカモミールの一種!
このシカギク属/Matricaria(マトリカリア)に、有名なジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla)も属しています。(青い精油が採れるカモミールね!)

学名で区別してみると、小さいコジカギクは属名のマトリカリアが種名に付いています。
対してジャーマンカモミールは種名にカモミラとつきます。
シカギク属の代表がコジカギクで、カモミールの代表がジャーマンカモミール的な?

そんな違いダヨ!

両者ともカモミールに似ているキク科白花たち

ちなみになんですが、ローマンカモミール(Chamaemelum nobile)はまったくの別属植物で、ただすっごい外見が似ているだけの植物なんですよね。

そしてムスカ大佐のように焼き尽くしたくなるほど生えているフランスギク(Leucanthemum vulgare)。

無論、彼らは蒸留しても青い精油はでてきません。
ぜんぶアキレアかジャーマンカモミールだったらなぁ〜。。。


■コジカギクを集める旅!

セイヨウノコギリソウと仲良く生えるコジカギク

とりあえずここ最近みっけたアキレアの群生地に、一箇所コジカギクがいるのは判明しています。まずはそこ!
相変わらず、セイヨウノコギリソウと同じ外来種同士仲良く生えてますね。

だいたいアキレアミルフォリウムと生育地が重なると思っていて間違いなさそうです。北海道においては。

そして地元の山の上にある耕作放棄地へと続く砂利道にもコジカギクがいました!
コジカギク、ほんとこういう僻地にしか生えてないんですよ。
体小さいから競合がいない場所で光を浴びれるようにこう進化したのかな?


■いざ蒸留してみる!

買い物袋満杯分くらいの収穫量だった

ざっと今回この程度集まりました!

採取できたのはやはり歩道脇のコンクリ割れ目とか砂利道に生えてるやつらです!
それぞれ二箇所、1、2時間程度の採集作業でしょうか。

小さめの植物のため、思ったよりも量採れませんでした。

ミキサーでできる限り細かくし、多めの水に沈める

そもそもコジカギクは矮性種でバイオマス量がそこまで多くならず、意外とグラム数が少ないのでしっかり精油を抽出できるよう、ミカン果皮と同じハイドロ蒸留にしました!

で、蒸留スタート!!

抽出直後、精油が抽出されていた

安心しました!
カモミール類の蒸留はかれこれ初めてだったので、精油ちゃんと出てくんのか心配でしたが、セパレータ内にしっかり油玉が浮いていました!

芳香蒸留水はなんと乳白色!
蒸留水に何かしら有色の芳香成分が溶け込んでいるようです。

フローラルウォーターの香りは、何か要素が欠けたカモミールの香り。
まぁそりゃそうか、フレッシュハーブの香りを水と油に分けてるんだもんねw

■蒸留結果は…

抽出量は1mLあるかないかくらい

出るは出たが、抽出量がすごい少なかった。
そしておもしろいことに、エメラルドグリーン色の精油が!!!!

ハーブの精油抽出量はかなり少ないイメージ

5mLサンプルビンに移すとこんな感じに。やはり1mLない感じ。

やはり販売視野の精油生産には向かないかなぁ〜。

香りは収穫したてのカモミールの青リンゴ感からはやや離れてしまいますが、あっカモミールだなと判別できる香り。

ただ強調しておきたいのは、収穫したての香りとはやや違うという事。


■総評!

同属(シカギク属/Matricaria)で背丈がもっと大きいジャーマンカモミールいるんだから、そっちから精油取ればいいじゃん(笑)

といった、至極当然の結果でした!

まぁほぼ同じ親戚同士で大きい方を商業生産に使えばいいよね、というやつですね、ハイ。


ということで!
アキレア・ミルフォリウムを摘んでいる最中みっけた、カモミールの一種コジカギクの実験蒸留回でしたぁ〜!

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【去年カモミールを植えたnote】

【前回note】

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