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「勝間式金持ちになる読書法」 勝間和代
「読書」は最強の錬金術です」
「勝間式金持ちになる読書法」 勝間和代
この本を読んだからといってお金持ちになれるかというと、読んだだけではお金持ちにはなれないでしょう。
そこに至る過程において、お金持ちになるための思考を読書で養うということなのです。
経済評論家である勝間和代さんが考えるお金持ちの定義が
「日常生活のなかでお金の不安を感じずに暮らすことができる」
「自分を幸せにするために必要なものは一定の予算内であれば無駄な我慢をせずに購入することができる」
「老後や病気になったときなど自分にとって何かあった場合においても、不安を感じないだけの資産を持っている」
そのためにはどうすればいいのか?勝間さんはこう語ります。
つまり、お金を稼ぐためには、情報を得る必要があるのです。
この「お金は情報」だというのは、今まで考えたことがありませんでした。お金というものは、信用やサービスを情報化したものであると勝間さんは説明しています。
繰り返しますが、世のなかにはさまざまなマーケティングのノウハウが売られています。
しかし、そのほとんどが、情報弱者を感情的に煽り、誤魔化したりしながら、商品やサービスを売りつける仕組みなのです。
ですから、まず必要なことは、なんといっても情報弱者から情報強者になるということ。特にお金にまつわる情報をちゃんと集めて、しっかりと情報処理できるようにすることなのです。
お金の流れやコスト構造、利益の仕組み、どうやってお金を生み出すのかという基本的なお金の知識がないままにお金をただ使うだけ、というのは、別の例えを持ちいるならば、取扱説明書を読まないまま、劇薬を扱うのと一緒です。
この「情報」について、最も安価で教えてくれるものが「読書」だというのです。
本、書籍というものは、ものによりけりではありますが、書かれている内容に比して、非常に値段が安価だと思います。
高額なセミナーに通わなければ教えてもらえないことですら、きちんと読み解くならば、そこに書いてあるのです。
逆に言えば、書籍の著者たちは、ある意味、採算を度外視して自分の知っていることを躊躇せず、隅々まで披露してくれています。その意味で、非常に有益な情報源と言えるでしょう。
本の著者は「こんな面白いことをみんなに知ってほしい」という感情があるそうです。
私がこれまで、さまざまな先人から学んできたことを、ひとり占めして自分だけの知識として抱えたまま死んでいくのはあまりにも惜しい。もったいない。だから皆さんにシェアしたい。
このような気持ちが本の著者にはあるんですね。すべての著者がそうではないのかもしれませんが・・・勝間さんはそう考えていて、読者は本の著者の思考にとても身近に触れることができるのです。
したがって読書は、情報強者になる最高のツールだと考えられます。
しかし今は
ネットがあるじゃないか。
動画があるじゃないか。
SNSがあるじゃないか。
と思われますよね?
本・読書なんて必要ないと考えている方も多いのではないでしょうか。
ネットと本の大きな違いは、さまざまな審査を経てから世に出ていることなんです。
一冊の本が出版されるまでには、かなり多くの厳しい目を通ってから私たちの元へ届いています。また、読者が理解しやすいようにわかりやすく、うまく編集されているということも大きな利点であると言えます。
そして、最大の読書の利点が
私が読書と言うテクノロジーが好きなのは、ありとあらゆるところに先人の道が張り巡らされており、そこへ向けて道路も整備されているイメージがあるからです。
人生は、自分が考えているほど長くはありません。自分自身の経験だけではなかなか考えが浮かばなかったり、アイデアが出てこなかったりします。
しかし、どうでしょう。
世の先人たちの経験やアイデア・考え方・成功法則・思考法。古代から現在までのさまざまな知恵の集積が本にまとめられていて、それらを私たちは読書によってかんたんに得ることができるのです。
もっと大袈裟に言うと、もはや何百年も生きているようなものなのです。それも一冊、高くても3000円くらいまでで買うことができます。
学生の時、試験などで教科書や参考書、ノートを持ち込めたらと思ったことはありませんか?学生の頃までは自分の記憶力や考えることがすべてで、そのように強制させられていました。
でも、それ以後の人生では違うのです。いろんな人の経験・考え・思考・知恵を読書で取り入れたらいいんですね。
私は読書というのは合法的なカンニングだと思っています。
と勝間さんは語っています。
自分のやるべき目的地を設定したら、かなりの近道になりますよね。
勝間さんは、本が同じ情報ツールのテレビやネットなどとどう違うのかということや、なぜ本がいいのかを本書の中で詳しく噛み砕いて解説しています。また、読むだけでなく、行動・実行しないと成果はでないと強調しています。
僕は読書によって効果が大きくなるのは、このことではないかと腑に落ちた勝間さんの記述がありました。
今まで僕は、思考や考えは意識が動かしていると思っていました。最近の脳科学では、意識ではなくて無意識の領域が大きいのだそうです。
その無意識の領域に影響を与えるのが「読書」なんですね。読書が思考や行動を変える大きな力につながるのだと考えが改められました。
たとえ本で読んだ内容を忘れてしまったとしても、十分に無意識にはそれが蓄積されているわけです。
ですから、良い本を読めば読むだけ、その情報が無意識に蓄積されていくので、ある一定の臨界点を超えれば、無意識はガラッと変化していきます。
無意識を変えるには、やはりそれなりの読書量と時間がかかります。読書が効いてくるのは、この無意識が変わったときなのです。
勝間さんのお金の話、読書の効用がとてもわかりやすく書かれていて、複利で良くなっていく思考法がとても有益でありました。
複利で良くなっていくことを想像しながら、読書を楽しんでみてください。
では・では・では~
【出典】
「勝間式金持ちになる読書法」 勝間和代 宝島社