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Vol.21 あなたが飲んでいるのは牛乳?低脂肪乳?

今日のテーマは牛乳です。

健康=牛乳と捉える人は多いのではないでしょうか?
"牛乳を飲んだら背が伸びた"とか
"牛乳を飲んでるから骨折しない"とか言われますもんね。

ここで牛乳と、それとよく似た商品で低脂肪乳というものが店頭では売られています。

○牛乳と低脂肪乳,無脂肪乳の違いとは

説明せずともわかるかもしれませんが、
乳脂肪分が入っているか、減らされているか、抜かれているかの違いです。

アスリートだから低脂肪乳!

と飲んでいる人もいるかもしれません。
資質をなるべくとりたくないというアスリートは多いですから割と普通な考えな気もします。

・見た目の違い


画像1

(Twitterより引用)

https://twitter.com/cub_nomad/status/927153237177671681?s=12



牛乳の牛乳パックには上にくぼみがあり、
低脂肪乳などの加工された乳飲料にはくぼみがないです。
上のくぼみはこれは牛乳ですと示すような印なんです。是非スーパーで確認してみてください。


○参考論文

牛乳,乳製品はヒトの健康維持・増進に貢献するか
   ―基礎研究・疫学研究からの考察―

今回の論文は実験の内容ではなく、いろいろな研究をまとめられたような論文です。(文献研究というのでしょうか?)

要は牛乳って健康的なの?という内容です。


○牛乳摂取による主な効果

・脳卒中のリスクを下げる

乳製品由来のカルシウム摂取量を高値を示す人を9.6年間追跡した結果、脳卒中のリスクを下げる効果があったようです。
カルシウムというのは何も乳製品だけでなく小魚などにも豊富に含まれますが、乳製品以外のカルシウム摂取量が高値を示す人々を調べても同様の結果は得られなかったようです。


・Ⅱ型糖尿病のリスクを下げる

過体重者3157人が乳製品を1度摂取するときにインスリンの抵抗性症候群(これが糖尿病のようなもの)のリスクを下げるという研究がありました。

また、ホエイタンパク質の摂取はGLP-1濃度を高め、インスリンの応答を高めると言われています。

GLP-1→インスリンの分泌を促進するホルモンの1つ


・血圧に関する効果

アメリカで4797名を対象に、乳製品を摂っていた量により血圧の変動を見た実験。乳製品の摂取が最も多い群は、1日に3回以上、少ない群は1回未満だった。

その結果、乳製品の摂取が多い群の方が高血圧の割合が低い傾向があったようです。

また、牛乳に含まれる乳脂肪分の摂取により酸化ストレスの抑制や血圧低下作用に加えて、血管機能向上に寄与することも確かめられています。
これも乳製品のカルシウムについてのみこの結果が出ているようです。

○この論文でのまとめ

ここまで牛乳の摂取による効果を見てきましたが、
ポイントは
カルシウムを多く含む食品よりも、
乳製品のカルシウム摂取が効果的だった
というポイントです。

この論文のおわりにも

乳中のカルシウム単独の効果ではなく,タンパク 質およびペプチド,脂質,無機質,生理活性物質が複合 体として作用するミルクマトリックスとしての作用と解 釈すべきであろう

というように書いてあります。

要は乳製品のカルシウムが有効というよりも、
牛乳に含まれる他の成分が良かった
または
それと同時に摂るのが良かった

といえるのでは?というまとめをしています。


○牛乳と無脂肪乳の栄養成分



・牛乳

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=13_13003_6


画像2


・無脂肪乳

https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=13_13006_6


画像3

こう並べてみるとあのように見た目は同じようでもわりと違うもんです。


大きなポイントは
○脂肪分の有無
○カルシウム量
○ビタミン

であると僕は思いました。

・脂肪分
これに関しては当たり前ですが、乳脂肪には様々な効果があるとされています。
有名な効果は疲労回復効果です。
これに関してはこれを書くために論文を探しましたが見つかりませんでした。
今度またこれにフォーカスしたものを書ければと思います。

・カルシウム量
これに関しては無脂肪乳や低脂肪乳の方が多い場合が多いです。
理由は、加工をするときに脱脂粉乳などを加えている場合が多いからです。

・ビタミン
これに関しては牛乳の圧勝な気がします。
脂肪を抜き取るときにやはり脂肪だけを取り除くのはおそらく難しく、多くの有効な栄養が取り除かれてしまうと思います。その一つがビタミンなのではないかなと思いました。
牛乳に含まれるが無脂肪乳には含まれないビタミンがいくつかあります。(もちろん無脂肪乳の方が多いものもあります)


ここの栄養素の違いを見たり、論文のまとめを見ていると、

無脂肪乳→カルシウムとタンパク質を取るためのもの

のような気がしてきますね。
このカルシウムは先程健康に効果がある!と言われた乳製品のカルシウム
と言って良いかが分かれるところだと思います。

脂肪分を抜き取るために様々な栄養素を抜いてしまって、カルシウムを強化したのが低脂肪(無脂肪)乳

これでは先程の論文のような効果が得られないのでは?と思ってしまいました。

疲労回復効果についてはglicoもこのような事を述べていました。やはり乳脂肪に触れていますね。

https://cp.glico.jp/powerpro/citric-acid/entry109/


どこかで無脂肪乳と牛乳の効果の違いを調べた論文が出されたらそれは本当に興味深い内容になりますね。


○牛乳についての私見

牛乳と低脂肪乳を比べると低脂肪乳の方が安いですし、脂肪分がないため僕も低脂肪乳を選ぶことが多かったです。
どちらを選ぶかはやはり目的の違いになるのかなと思います。

カルシウム量をとりたいとかとにかく脂質カット

というなら当然低脂肪乳です。

しかし乳脂肪の効果を活かせるとしたら脂質をカットするから牛乳でカットしなくても良いのではないのかなと思います。
菓子パンを食べながら低脂肪乳
こんなの論外です。低脂肪乳を選んでいる意味がありません。

だったらあんぱん+牛乳です。

乳脂肪に有効な効果があるとするならば、脂質量を気にするとしたら日常の食事の中で他の部分でどこかの脂質を抑えるべきかなと思います。

安易に脂質は悪だ!
と捉えるのではなく、本質を理解した上で
摂るべき脂質と摂らないほうが良い脂質
の区別をしたいですよね。

僕はちなみにIKEさんが普通の牛乳推していたので、低脂肪乳ではなく普通の牛乳を選ぶようになりました。


あのマガジンで言ってたから、この食事にしよ!
運動後にこれ食べよう!
みたいな風に思ってくれる人がもしいたら最高です!

皆さんも牛乳で健康な生活を送ってくださいね👍

#牛乳 #低脂肪乳 #健康 #カルシウム #栄養 #運動生理学

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岩田俊太朗
未来の山形の為に全力を尽くします。 夢の叶え方を教えられるような教育者になります。 よろしければサポートいただけたら嬉しいです!

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