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さいさんの地方創生 note【探究学習ブームの中で①】

上記リンク、新年のご挨拶に続いての本年。
自分のお仕事紹介を兼ねつつ、今月は最近話題の「探究学習」を中心に note を綴っていきたいと思います。

☆全国高校生マイプロジェクト

というわけで、全国高校生マイプロジェクト長野 summit 終了後も、オンラインでのサポーター&ファシリテーターとして活動を続けている(2月まで)最近の自分でもあります。

この全国高校生マイプロジェクトは、2013年に東日本大震災で被災をした岩手県・大槌町、宮城県・女川町の二つの場所から始まりました。僕はこの年に大槌のコラボスクールにボランティアで入った経緯があって、その中でこのプロジェクトとの縁が出来た・ともいえるわけです。

そして、12プロジェクト、18人から始まったこのプロジェクトは10年後の2023年には98935人の高校世代が参加する「探究学習」を象徴する大会へと成長していったわけです。日本のこの世代は三百数十万人くらいと言われていますので、1クラスに1人くらいは参加しているような状況とも言えるでしょうか。学校の教科にもなったこれからを考えると、将来的には100万人を超える高校生達が関わる、認知するような状況も起こりえるかもしれません。*詳細は下リンクをご参照ください。

そしてやはりこのひろがりは、科学的知見の裏付けが土台にあってこそということはきちんと触れておくべきでしょう。慶応義塾大学大学院准教授であった井上英之研究会のソーシャルアントレプレナーシップ(社会起業家)研究の中で生まれたマイプロジェクトの流れを基礎にしていることやスタートから鈴木寛さん(元文部科学副大臣/東京大学公共政策大学院教授)をはじめとする方々がしっかりと入って、エビデンスや知見の裏付けを得ていることといった背景はかかせないわけです。

いつだったかははっきりと覚えていないのですが、鈴木寛さんが
国(文科省)が変わるのには数十年かかってしまう。それを漠然と待つわけにはいかないから、こうした民間の挑戦を進めていく
といった内容の話されていたシーンは、記憶から薄れずに今もあります。

☆大人側の「探究課題」

かくして、高校生マイプロジェクトの爆発的な成長に象徴されるように、今や都会も地方もなく「探究」学習がもはやブーム(流行現象)となってきています。そして、こうしたブームは当然のように需給ギャップを生み出していきます。特に大人側に課題が多くて、玉石混合というよりは、当たりの少ない宝くじのような様相にすらなっているようにも見えるわけです。

先の鈴木寛さんは「調べ学習は探究ではない」とはっきり明言されていますが、本当の意味で「探究」を実践として若い世代に体験させるためには、大人側にも相応のトレーニングと実践が欠かせないことは明らかです。

そもそもですが、こうした「探究」が実装されていく背景は、次の時代を見越した人材育成。いわゆる*VUCA(先行き不透明で、将来予測が困難な状態)と呼ばれるこれからの時代を見据えた新しい教育が人々に必要とされているからです。

*V(Volatility:変動性)、U(Uncertainty:不確実性)、C(Complexity:複雑性)、A(Ambiguity:曖昧性)
元々は軍事用語。2010年代に変化が激しく先行き不透明な社会情勢を指す言葉として、ビジネス界においても急速に使われるようになった。

しかし、この日本ではこうした正解のない世界や未知、未踏の領域でロールモデルとして実践者である大人の数が圧倒的に足りていません

知識としてこれらの情報を伝達する人やいわゆる大学の先生方のような専門職の方々は少なからずいますが「傾聴が大事だ」といいながら周囲の参加者に傾聴することなくワンマンショーで話をしてしまう先生や「時代は変わる!」とか「イノベーション!」とか言っている大学教授達の大学では、未だに進路指導で「旧国営(NTTやJR各社等)が一番」とか「新卒は上場企業一択」みたいな進路指導がされていたりします。

さらには10年も同じような事業を名前だけ変えてやり続け、あまつさえ人様の資料や著作物等をコピーしてあたかも自分のものであるかのように使っている奴や他者の積み重ねを上書きしているような輩に委託したりするようなこともしばしば起こっているわけです。

これらの行動はおよそ探究的ではないばかりか、むしろ有害にすらなりうることは明らかでしょう。情報や知識。あるいは文部科学省の綱領等を「正解」として単なるマニュアルのように扱ってしまうようでは「探究」が全く意味をなさないわけです。

*このあたり詳細は、先進国一学ばない日本を題材にした過去 note 【間違いだらけのキャリア教育を解説するシリーズ】等をまたご参照頂ければとも思います。

というところで程よく次回に続きます。
次回は「探究」の伴走者に必要な「学び」に具体フォーカスしていきたいと思います。


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