業田良家の政治風刺マンガは凄い!
明日に予定されている内閣改造を話題に、ステテコ腹巻姿の総理『世直し源さん』が国務大臣の半数を非・国会議員から選ぶエピソードを書きました。
マンガとはいえ、今から30年以上も前にこの問題を指摘していたゴーダ堂は凄い!
せっかくなので、彼の他の作品も紹介させてください。
ゴーダ堂の政治風刺マンガは、国内と海外に分かれます。
国内政治家のキャラを極端に描き、コメディとしているのが、『ど忘れ日本政治』。登場する政治家の皆さんはおそらく不快でしょうが、それぞれの特徴をよく捉えています。
いや、ここに登場するだけでも政界の★スター★ということかもしれません。
さて、さらに容赦しないのが国外版です。
ネタバレになるからだけではなく、ここで内容を例示すべきではないでしょう。ぜひ読んでいただきたい。
『独裁君』は文句なく傑作です。いや……笑えないものも……。
その国の人びとは当然こんなマンガを読むことはできないわけですが、もし読んだとしても、
「……で、何か?」
と言うかもしれません。
「そんなこと、わかっているけど、で、何か?……」
と。
「それ行け! 天安悶 伝説の独裁者が現代に降臨」は特に素晴らしく、作者の身辺が心配になるほどです。
当事国では当然、《発禁》でしょう。
某国を建設した英雄が生まれ変わったら、という設定ですが、10年前に連載が開始した時点で、マンガの中ではこのクレイジーな英雄を持て余し気味だった後継者が、今や先代英雄そっくりになりつつある、というのも怖いところです。
続編ではトランプさんも登場します。
一番怖いのは、ウクライナ侵攻を命じた某独裁者に関するマンガであり、侵攻のはるか以前に彼の本質を捉えています(上記の東アジア系独裁者たちも、マンガ中でこの人の『桁外れ』に驚いている)。
トランプさんのアメリカを除いては、当然、これら独裁者たちが治める国の人びとは、この種のパロディ・コミックを読むことはできません。
スターリンが亡くなった際のソ連首脳部のドタバタを描いたコメディ映画(といっても、かなり真実に忠実)「スターリンの葬送狂騒曲」は、現在のロシアでは上映禁止になっています。
冷戦時代の米国大統領が、ソ連の書記長と会った後、
「我々は毎日のようにマスメディアを通じて罵詈雑言を浴びているが、彼にそんな経験はまったくない」
と話したエピソードを昔、聞いたことがあります。
トランプさんにも、選挙で決して敗けることのない某国独裁者をうらやましく思っておられる発言がありました。
私たちは幸せな国に生きているんだな、と思うと同時に、ゴーダ堂の『ど忘れ日本政治』にカリカチャライズされても気にしない(いや、してるかな? ……でも少なくとも弾圧はしない)日本の政治家もなかなかのものだ、と思うのデス。
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