谷 俊彦

小説家;執筆活動再開しました。 「木村家の人びと(小説新潮新人賞⇒映画化)」「東京都大学の人びと(映画化)」など。 有料記事も無料領域がかなり長めですので気軽に覗いてやってください。 まずは江戸期にいた、とてつもなく弱い力士の物語から……。

谷 俊彦

小説家;執筆活動再開しました。 「木村家の人びと(小説新潮新人賞⇒映画化)」「東京都大学の人びと(映画化)」など。 有料記事も無料領域がかなり長めですので気軽に覗いてやってください。 まずは江戸期にいた、とてつもなく弱い力士の物語から……。

マガジン

  • ぼちぼちエッセイ

    ぼちぼちと、日々の暮らしを描いたり、過去の引き出しをさぐったり。

  • ヒミツの図書館/ノンフィクション棚

    エッセイ、旅日記、調査報告など、心に残ったノンフィクション記事をまとめています。

  • 呑み書きスル晩

    旅の愉しみのひとつは地酒やクラフトビールを呑むことです。土産のほとんどは、実は自分向け。旅の景色を振り返りながら酒を呑む、そろそろとやって来る晩年を思う。

  • エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ

    エレクトロニック・ショート・サーキット(ESC)社は、今日もトンデモ商品を開発して世に送り出し、社会に幸福と混乱を巻き起こします。 かつて月刊誌に連載し、単行本化もされた近未来SF短編小説を、note用に加筆修正した作品、さらに新たな作を加え、有料マガジン化しました。 週1ぐらいの頻度で作品を挙げ、最終的に30作以上が読み放題となります。 お楽しみください。

  • ヒミツの図書館/創作棚

    小説、マンガ、イラストレーションなど、感銘を受けたオリジナル創作をまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

すぐそこにある地獄(SS;2,000文字)

「ただいまあ、おやつある? あ、おばあちゃん、お客さん?」 あらまあ、お孫さん? お邪魔してますう。まあ、お利口そうなお子さんね、ユウタくんっていうの? 何年生? 「5年生です。おばさんは? ── おばあちゃんの友だち?」 そうよう、今日公民館で知り合ったばかりだけど。ボク、どう、学校は? 困ってることとかある? 勉強がうまくいかないとか、学校に行きたくないとか、お友だちとの仲で悩んでるとか? ……お父さんお母さんとはどう? よく叱られたりする? 「おばさん、面白い人

    • 1,000 m上がれば景色も変わる、北八ヶ岳ロープウェイで坪庭へ

      蓼科の旅日記を始める前に、フライングで北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅のトイレで見た掲示板について書きましたが…… 別の宿に泊まっていた他の家族と北八ヶ岳ロープウェイの駐車場で待ち合わせした。 そして、100人乗りの大型搬器(と呼ぶそうです)に乗って、標高1,771 mの山麓駅から2,237 mの山頂駅まで一気に上がります。 下図は八ヶ岳の峰名をイラストで示した宿のランチョンマットですが、一般には硫黄岳と根石岳の間にある夏沢峠より右が南八ヶ岳、左が北八ヶ岳と呼ばれています。 (

      • 八ヶ岳上空に上弦の月

        蓼科で少々遅い昼食に地元産の新蕎麦をいただいた後、酒とつまみを調達し、宿に向かいました。 翌日の夜は他の家族メンバーと合流して宿のレストランで食事を取ることになっており、前夜は現地スーパーで食糧調達して部屋食&吞みとしました。 『食』の方は、いくつか買いましたが、『らしい』モノということでは、『信州サーモン』の刺身です。 これは、長野県水産試験場が開発した、「ニジマス」のメスと「ブラウントラウト」のオスを交配した一代限りの雑種養殖魚です。適度に脂がのっており、イケます!

        • 蓼科で八ヶ岳山麓産の新そばをいただく

          秋旅6日間の最初の日です: 中央道を諏訪ICで降りたのは既に14時過ぎで、遅い昼食に当地の蕎麦を食べようではないかとGoogleさんで何軒か探すも、 『間もなく終了』 ばかり。どうやら14:30で閉める店が多いようです。 その中で見つけたのが、そばきり吉成: 店の前にはバイクが10台ほども停車し、ちょうど店からライダーが出てきて、出発しようというところでした。 おススメは新そばの十割です、と: もう14時過ぎなので『どうづきそば』は売り切れており、『十割極みそば』を

        • 固定された記事

        すぐそこにある地獄(SS;2,000文字)

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        • ぼちぼちエッセイ
          327本
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          55本
        • 呑み書きスル晩
          61本
        • エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ
          23本
          ¥500
        • ヒミツの図書館/創作棚
          95本
        • アノ人の正体
          24本

        記事

          人生に迷い無し(SS;3,300文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

           自動車よりも高価なその家電品に爆発的ブームが起きたのは、あの、歌手兼俳優で映画監督もこなす可児輝彦が、国際映画祭でグランプリを獲得した時のインタビューがきっかけだった。 「常に新しい世界に挑戦し、成功をおさめてきた可児さんですが、新しい仕事に踏み出す時に、迷いは無かったのですか?」 「まったくありませんね」  可児は記者を見渡し、断言した。 「でも普通は、失敗したらどうしようとか、今のままでも十分幸せなのにとか、或いは新分野に踏み出すにしても、どの方向にどんな手段で踏み出す

          ¥100〜

          人生に迷い無し(SS;3,300文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

          ¥100〜

          旅から戻った夜のラムしゃぶ

          今回の蓼科行で、『食』の面から特筆すべきは、八ヶ岳山麓産の新そばをいただいたこと、およびいつも宿泊するホテルの夕食メニューにラム肉料理が2点もあったことでしょうか。 蕎麦については別途書きます。 後者のホテル夕食はビュッフェ形式ながらけっこうな値段を取るだけあって、いつもなかなかの料理が並ぶ。 今回はいつもの和牛ステーキの他に、ラムロースの焼肉、さらにラム(スネ肉?)のトマト煮も取り放題で、ラム好きジジイは感激!してしまいました。 あまりにはしゃいでトマト煮を食べている

          旅から戻った夜のラムしゃぶ

          秋旅より戻り、和英併記標語を想う……

          6日間の旅より戻りました。 名古屋から中央道を北上して蓼科、紅葉を愉しみつつ家族と過ごした後、甲斐路を南下して静岡県の長泉町に移動して養生中の友人に会い、さらに清水の近くで富士を愛でた後、自宅に戻りました。 この間、車の運転はずっと同行者で、妄想にふけりがちの私はずっと助手席で景色を眺めていました。 旅の記録はおいおい書き散らしていきたいと思いますが、帰宅後にGoogle Photosを整理していたら、景色、人物、食物の中に1枚だけ、異質の写真がありました。 男性ならよく

          秋旅より戻り、和英併記標語を想う……

          本棚紹介;寓話・童話が好き in note 創作

          コメディ系創作ばかり書いていると思われがちの私ですが、実は寓話・童話の読み&書きがけっこう好きです。 (本棚紹介がテーマなのに自分の作品を紹介していてはいけませんので、記事の末尾に貼りつけておきます) ヒミツの図書館/創作棚』にも寓話系作品が入っています。 創作の多くは、日常を描く作品か、非・日常を描く作品に分類されます。日常の方は説明不要ですよね。非・日常系は、異世界転生などファンタジーやタイムトラベルものなどでしょうか。宇宙系もありますね。 では寓話は何か ── い

          本棚紹介;寓話・童話が好き in note 創作

          鯛の昆布締め(コブジメ)は冷酒によく合う

          今夜は焼肉、と既に材料を買ってあるタイミングで魚屋を見て回り、安くて旨そうな白身の柵を見つけた時にどうします? ── 迷わず入手して昆布締めにしてもらい、翌日や翌々日にいただきます。 いつからだろうか? ── 母にはその知識がなかった。同居人がこのワザを始めたのはいつからだろうか……。保存できるだけでなく、旨みが増す ── いや、刺身とは別の旨みと言うべきか。 ヒラメ、ハマチ、カンパチなど各種コブジメでいただいてきましたが、やはり鯛が一番このテクニックにフィットするような

          鯛の昆布締め(コブジメ)は冷酒によく合う

          愛と機能に包まれて(SS;2,900文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

           単身赴任を始めて三ヵ月、栄養が偏るのか過労なのかはわからないが、ひどい肩凝りに悩まされるようになった。  医者に相談に行ったのは、症状がかなりひどくなり、日常生活にも支障をきたすほどになったからだ。 「パソコンを使う時間が増えているんでしょう。時々休憩を取って、腕を回したり伸びをしてみるといいですよ」 「簡単な体操ならいつも心がけています。週末にはスイミング・クラブにも通い始めました。それでも、凝って凝って仕方がないんです。マッサージにかかるとかなりいいんですが、残業続きで

          ¥100〜

          愛と機能に包まれて(SS;2,900文字/エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ)

          ¥100〜

          note内ノンフィクションを書棚に入れる時に考えること ──『眼から鱗』に出会いたい

          ヒミツの図書館には『創作棚』の他に『ノンフィクション棚』があります: こちらも、きわめて個人的な図書館棚で、私的テイストにはまったり、勉強になった記事を配架させていただいています。 ただ、『ノンフィクション棚』とはいえ、感銘を受けたり勉強になったとしても、やはりオリジナリティーの高い記事を納めたい。 個人的経験や思考はもちろんのこと、映画や本の感想、TV番組やニュースを見て思ったこと、歴史や政治・経済などのまとめ記事であっても、その人なりのユニークな視点が欲しい。 ──『

          note内ノンフィクションを書棚に入れる時に考えること ──『眼から鱗』に出会いたい

          本棚紹介;落語が好き in note 創作

          東京での学生時代、目白に下宿する友人宅に遊びにいくことがありましたが、駅から歩く途中、電柱に落語の案内らしきものが貼ってあるのを見ました。 「ああ、それはね、この近所に小さん(5代目柳家小さん)の家があるんだ。敷地に剣道場があってさ、そこで時折、弟子が練習を兼ねて落語会をやるんだよ」 「誰でも行っていいの?」 「いいよ。練習会だから無料らしい」 落語好きなので上京して間もない頃、末廣亭で寄席を聴いたことが1度だけありましたが、何せ貧乏学生、無料というのに喜び、友人と、あるいは

          本棚紹介;落語が好き in note 創作

          カラオケ進化の過程で気付く、情報量の増大に伴って退化する想像力について

          「今の若いモンは知らんだろうが……」 ジジイになったらこんなセリフ言ってみたいものだ、とかねがね思っていたら、あっという間にジジイになっていた ── このセリフを言う暇も無く。 いつ玉手箱を開けたのだろうか? 乙姫様や鯛・海月と飲めや歌えの楽しい日々を送った記憶はないのだが……いや、あるかな…… ── それはともかく 先日、久しぶりにカラオケスナックで絶叫して、想い出したことがありました。 学生時代、既に8トラックのカラオケシステムは存在していたけれども、普段は居酒屋で

          カラオケ進化の過程で気付く、情報量の増大に伴って退化する想像力について

          イトヨリの煮付けを山形の酒『九郎左衛門/雅山流』と共に

          イトヨリのすご~く新しいのがあったから、と同居人が煮魚にしてくれたので、冷蔵庫で寝ていた酒の封を切った。 これも夏にいただいたのだが、猛暑でビールばかりの毎日だったのだ。 若い頃日本酒は辛口が好みで、ぐいぐい飲っていた。 リタイア前後の辺りからFDAで出羽の国(山形・秋田)に何度か飛び、温泉旅館ではたいてい『冷酒飲み比べ』をいただいた。この地の酒は、辛口銘酒も甘口芳醇系も美味い。 この地方の majority は芳醇なやや甘口で、これがなかなかいい。ジジイになってからは芳

          イトヨリの煮付けを山形の酒『九郎左衛門/雅山流』と共に

          言葉の順序「ビーフカツカレーって?」

          今日は午前中某ゴルフ練習場に行って90分間ボールを打ち、そこのレストランで昼メシを食べようと食券売り場に行った(半セルフサービスになっている)。 日替わりのランチがドリンク付きでお得なので、それを頼むことが多いのだが、今日はメニュー表を見て、少々心が魅かれた: (……おお、ビーフカツが載っているとは珍しい!) ビーフカツレツ ── ウィンナーシュニッツェル(厳密には少々違うが) ── は好物であーる。 ということで、本日は迷わずこれを注文した。 人手不足なのか、かなり待た

          言葉の順序「ビーフカツカレーって?」

          本棚紹介;日常の隣にある『怪』『妖』を描く note 創作

          『ヒミツの図書館/創作棚』からの紹介シリーズです。 さて、この人は、 note の森の中で見つけた作家 と私がひとり勝手に思い込んでいる……ええ、実は、密かに自慢にさえ思っているのです。 4年近く前に始めた別のアカウントでもこうした書棚を持っていましたが、この作家の初期(たぶん)作品をいくつも納めています。 今回紹介させていただく中でこちらの書棚に入れていない作品があるのに気付き、急遽2作を配架しました。 この記事の最後に、一番好きな作品を紹介していますので、どうかそこま

          本棚紹介;日常の隣にある『怪』『妖』を描く note 創作