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「必要そうなものをつくる」から「本当に必要なものを一緒につくる」へ。Co-Creationによるプロダクト/事業開発への挑戦

こんにちは。現在はトレタで新規事業開発・推進をしている高武です。
このエントリーはトレタ Advent Calender 2021の17日目の記事です。

冒頭に完全に余談で恐縮ですが、寂しいかな子どもが大きくなって親離れし始めており、生涯楽しめそうなライフワークとしてトライアスロンにここ数年挑戦しています。
最近インドアでもバイクトレーニングができる環境を整えまして、事業開発におけるHard Thingsを一瞬でも忘れたいのか、プレッシャーの遥か彼方に向かうために朝6時からペダルを漕いでます。トライアスロン&Zwift仲間募集中!

新規サービスをローンチしました

さて仕事の話を。この一年は激動でした。(というか、平和な一年というものを経験した事がキャリアの中で一度もありませんが)
トレタは飲食業界にコミットしているVertical SaaSなので、飲食店の皆さんと一蓮托生であり、COVID-19の影響を非常に強く受けました。

環境が激変した飲食業界において私たちに何が出来るのか。ここ数年の様々な試行錯誤の末、大きなポテンシャルを感じ次の柱に育てていこうと決めたのがトレタO/X(オー・エックス)というモバイルオーダー事業です。

小さな芽が出たこの苗に水と養分を与え、強くたくましく育てていくのが私のミッションなのですが、昨年秋から協力店舗さまでのPoCを経て、今年正式にリリースしました。

このプロダクトの世界観は上記LPをご覧頂くとして、SaaSとしてバックエンドは共通化しながらもフロントエンドは柔軟なカスタマイズ性を持つことができるという、一見すると相反する概念を「AND」で繋ぐという挑戦をしています。

詳しくはアドベントカレンダー第一弾、トレタのオードリー•タンである(絶対怒られる)、CTOのブログをぜひご覧ください。

どう形にしてきたのか

構想からPoC、そして今年正式リリースを経て現在数社の法人さまに本プロダクトを導入いただいてます。
この法人さまは皆、昨年時点では形が無い中でプロダクトの世界観に共感を頂き、やると意思決定して下さいました。ではそこからここまでどう進んできたのか。キーワードはCo-Creation(共創)。

パートナー法人さまと改めて飲食の体験について見つめ直したワークショップ

このモバイルオーダープロダクトの開発にあたり、飲食法人さまと我々でパートナーシップを組み、先方は役員をはじめ営業部門やシステム部門等の各責任者さま、我々もBiz、開発、デザインメンバーでチーム組成。あるべき姿を両社で考えていきました。

我々が「必要そう」と決めたものを作ってただ導入するのではなく、また法人さまがこういうのが欲しいというのをそのまま作るのでもなく。以下の様な根本の部分を対話を重ねてきました。

その飲食ブランドにおいて本来あるべき体験はどのようなものか?
お客様に伝えたいストーリーはどんなものか?
プロダクトはどうあるべきか?
これを導入した後の現場のオペレーションはどうあるべきか?
スタッフさまの介在価値をどう最大化するか?
それをプロダクトとしてどう支えるべきか?

飲食法人さま側はブランドや料理、接客にまつわる資料を持ち込み、こちらが体験フローやデザイン素案を持ち込み、更にディスカッションを深め、仕様に落としていくといった進め方をしてローンチを行い、その後も磨き込みをしています。

もしかしたら相手からすると面倒な相手なのかもしれません。欲しいといったものをそのまま実装する事は基本無く、場合によっては「それはスタッフさんの接客の中で提供した方が体験としては良いのでは」と見送る提案をする事もあります。

先方のニーズは非常に重要なインサイトなので深く理解に努めつつ、私たちの方でそれを咀嚼してベターなやり方を提案するという応酬を繰り返しながら本当に必要なものを探索します

個人的に重要な点だと思っているのは、アジャイルな開発プロセスをパートナー法人さまとも一緒になって進んできたこと。これは従来、サービスを売る側と買う側という単なる受発注の関係値だったら難しいと思います。

はじめから100点満点のものは出せませんし、ミニマム要件でリリースして検証をクイックに重ねる方が重要。理想形を描きつつ、リリースを繰り返し、お客様や現場の反応からチーム皆で学習しながら磨き込みをしています。

この顧客とテックカンパニーである私たちがCo-Creation、共創姿勢で開発をしてきたプロセスの中に、星の数ほどプロダクトがあって大体のものが表面的には満たされている様に見える時代における新規プロダクト開発・事業開発のヒントがあると思います。

エンジニアも何度も現場に足を運び検証
モバイルオーダー上の体験を最適化すべく、両社デザイナータッグを組んで全商品を再撮影
初回導入時に現場に一緒に立たせて頂きました(塚田農場さま)
ダイヤモンドダイニングさまとは業態ごと一緒に開発させて頂きました(焼鳥IPPONさま)

毎週の様に定例ミーティングを重ねていて、この一年で過ごした時間はパートナー各社さま数十時間にもなります。自身も想い入れが強過ぎて今では知人や取引先さまからその店舗に行ったと聞くと「ありがとうございます!」とつい言ってしまう癖がw
お前スタッフかよという位、魂は現場にあります

なんとスタッフ名札まで作っていただきました涙(よなよなビアワークスさま)
確かこれは初めて決済機能をリリースした日。サービスリリースはいつでも思い出深い瞬間。(よなよなビアワークスさま、ビールご馳走さまでした!)

実際、モバイルオーダーを導入して、お客様ご自身のスマホで注文や会計が全て出来る様になり、スタッフさまの働き方も大きく変わっています。緊急事態宣言が明けて、一気に来客数が増えた中でも少数精鋭で店舗営業が出来ているというお話も頂けています。

今、議論しているのは事務作業から解放されたスタッフさまの今後の接客や採用・育成のあり方など。未来の飲食店づくりの一丁目一番地がここにあります。

今、そしてこれから

と、ここまでかなり美談を述べてきましたが、事業として、プロダクトとして、チームとして、まだまだ沢山のイシューが残っています。

一社一社と狭く深くプロダクトを育てつつ、その取り組みから得た知見を元にして、よりクイックに導入できて価値提供できるプロダクトの開発も進めています。

トレタが実現したい世界に対して、チームメンバーが完全に不足しています。全方位でメンバー募集中です。

COVID-19で飲食業界厳しいなと思っている方、むしろこれまでに無いくらい市場機会・成長機会に溢れています

自身が携わったプロダクトが新しい時代をつくる、人の働き方を変える。
そんな時代変化の当事者になりたい方はぜひ直接でもwantedly経由でも気軽にコンタクトください!

最後に

最後が採用じゃないのかよって感じですが、トレタO/Xを体験できる店舗さまを紹介して終わります。
今年一年を労う一杯はぜひ以下にてどうぞ!

※新宿東口店/恵比寿店/吉祥寺店/赤坂店/神田店にてご利用可能


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Shumpei Kotake
スタートアップ/ビジネス開発といった自身の仕事について整理し書いてます。時々は子育てやローカルネタも。