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結婚しようと言ってくれた彼との間に起こったこと、そして別れを選びました

(少し長文です)
「発達障害とは言わないけれど、かなりコミュニケーションに偏りがある感じがするね。脳の器質に違いがあるというか、そういうことなのかな」

私の話をひとしきり聞いてくれた医師である友人は、冷静に話してくれました。

『器質』とは、臓器や器官に認められる形態的・解剖的性質のこと

weblio辞書より

2024年10月初旬、結婚したいと言われて舞い上がってしまった私。
次にお付き合いする人とは、また生活を共にしたいと思っていたので、彼の一言は本当に嬉しかったのです。

ただ、一方で不安も感じました。
彼が仕事を以外の私と会っていない時間をどう過ごしているのか、まったく見えてきていなかったのです。

6月からたっぷり4ヶ月、ほぼ毎週末会って、なんなら平日にもご飯を食べに行ったりしていました。

週末はなんらかのお出かけをしており、水族館館、映画、お笑い、美術館、競馬、海水浴、公園での散歩、イベントなど、考えられるありとあらゆることをしました。(ありとあらゆるところに行きました。)

遊びに行けば楽しいし、毎朝の挨拶は欠かさず続いていたし、私と会う以外の日々を彼がどう過ごしているかはあまり干渉しないでいました。

でも、結婚という言葉が出てきた時、もう少し彼の生活ぶりや考え方を知りたいと思ったのです。結婚するとなれば、もっとよく彼を見つめなければならないと改めて思いました。

そんな視点を持って彼とやり取りを始めると、今まで彼の「個性」と思っていたことが、実は私との「ズレ」であるのではないかという気がしてきたのです。

そして、11月初旬くらいからモヤモヤがどんどん大きくなっていって、私は自分の中で「なぜ?」という質問を繰り返すようになっていました。彼の言葉、行動に関して理解ができないことが増えていったのです。

なぜ、私がしてほしくないとお願いしたことを繰り返すのか?
なぜ、自分で言ったことを忘れてしまうのか?
なぜ、彼の決めた通りにならないと不機嫌になるのか?

そのほかにも、小さな「あれ? なんでそういう反応なのだろう?」ということが積み重なっていきます。

初めのうちは、

私の伝え方がよくなかったのかな
うっかり忘れてしまったのかな
ただ、機嫌がよくなかったのかな


そんなふうに解釈をしていたのですが、それが度々起こると、私は彼の性格を疑うようになりました。

実は彼はものすごく自分勝手で性格が悪いのではないのだろうか……。

そして、彼とのコミュニケーションにモヤモヤとした感情が広がり、違和感がかなり大きくなってきた時、私の頭の中には「発達障害、アスペルガー症候群」という言葉が思い浮かんだのでした。

過去に何度か友人や知人から「アスペルガー症候群」の話を聞いたことがあり、その症状の特徴と彼の行動、言動が重なったのです。

私は友人に聞き返しました。
「じゃあ、単純に言えば、私と彼の脳の器質が違うってことなの?」
と聞くと、
「まあ、そういうことだね。そもそも、発達障害っていうのは、社会的な生活を送るのに困難な状態になっている時に医師が病名としてつけるものなんだよ。彼は社会的な生活を送ることが困難な状態ではないから、発達障害だと言い切ってしまうのはちょっと違うよ。人間は多かれ少なかれ人それぞれ脳の器質の違いがあるわけだし」

彼の解説を聞きながら、私と彼の感覚のズレが脳という器(うつわ)の質の違いだと言われて、少しホッとしました。

私は彼に大切にされていないのではないだろうか、彼がそんなに性格がいじわるなのかとか、そんな話ではないのです。変えられない性質の問題であれば諦めもつくというものです。

友人曰く、彼は人の気持ちや感情を読み取る能力が(通常よりも)低い脳を持っている可能性があるということ。男性は察するとか、共感の能力が女性よりも低いという話がありますが、もちろんそんなレベルの話ではありません。その上、仮に感情を言葉でうけとっても、それを受け取るだけでそれによって自分の感情が動いているということでもないようなのです。

以前、ちょっと気持ちのすれ違いがあった時に、LINE上のやりとりで一旦仲直りをしたものの、声が聞きたいから電話で話せないか彼にメッセージを送ったことがありました。

すると彼は「電話だと何を言っているかわからないから、あまり得意じゃない」と返事がきたのでした。そもそも人の感情を読み取るのが苦手な彼はは、表情が見えていない電話だと、余計に感情がよくわからないのだと思います。

結局、私は彼とつきあっていたこの半年間で、一度も電話で話すことはありませんでした。

LINEのメッセージに関しても、「書いている以上のことはよくわからない。文字に書いている通りに受け取っているから、女心なんてわからないよ」と言われたことがありました。

彼が文字から何を受けとっているのかと言えば、例えば
「昨日は会えなくて寂しかった。もっと会えると嬉しいな」と私がメッセージを送っても

「そうか、寂しかったんだね。もっと会えたら嬉しいんだね」……以上。
寂しいと言っているのだから、会えるように時間を作ろうという発想につながらないし、会えたら嬉しいと言ってくれるなら、もっと会おうという発想につながっていかないのです。つまり、共感していないということです。

私が書いていることを文字として事実として受け入れるけど、簡単に言ってしまえば「だから?」って感じなのです。
だから、私が「それをされると悲しいから、それはやらないで欲しい」と言っても「悲しいんだね」……以上。
私の感情を文字でしか受け止めていないからなのか、同じことを繰り返します。

彼とのLINE のやりとりは、デートの内容と待ち合わせ場所を決めるやりとりがほとんど。それが決まってしまえば、あとは滅多に甘い言葉なんて送られてくるこもありませんでした。

満月の日に、私が送って月の写真の返事に送られてきたのは歌の歌詞でした。私は当時、このやり取りを楽しんでいました。でも、次にお月様が綺麗だった夜も、私は月の写真を送ってはいないけれど、全く同じ内容のLINEのメッセージが送られてきたのです。これを見た時、何かがおかしいと思ったのでした。


「発達障害、アスペルガー症候群」という病名がつくような状態ではないけれど、そのほかのいくつかの特徴も現れていました。

ある行動へのこだわり、なにかとルーティーンにしたがる、ルールを決めたい……。それらのことが思った通りにいかないと、不機嫌になる、攻撃的になるなどの反応が起こります。

「じゃあ、どうしたらいいのかな」
と私は友人に尋ねました。

「よくなるとかそういう話ではないので、ありのままの彼を受け入れていく覚悟がなければ、一緒にいるのはとても辛いことになるよ。だって、もう辛いんでしょ」

そう言われて、涙が出そうになり俯くしかできませんでした。
彼の反応に戸惑い、寂しさを感じ、結婚したいという言葉はなんだったのだろうとわからなくなり、彼の気持ちもわからなくなっていました。

でも、その原因が彼の脳の器質の問題で、私はこの状態を乗り越えていく気持ちになれるのだろうかと自問してみました。
なにかこの状態を乗り越える方法はあるのかと、彼に対しての反応を変えてみたりもしてみました。

結局、全ての彼の行動と言動に対しての違和感を私と彼の脳の器質の違いのせいにしていることに気がついたのです。その時、「もう、疲れた」と思ったのでした。

結婚という話が出てから2ヶ月。
もちろん、結婚の話が具体的に進むことはありませんでした。

そして、どんなに私が感じている違和感を隠しつつ一緒にいても、やっぱりギクシャクしてしまうものです。
11月下旬にギクシャクした際に

「僕はちゃんとプレゼンをして、〇〇ちゃんを満足させているよね。僕のプレゼンはうまくいっていないの?」と言われた時に、プレゼンという言葉にひかかってしまいました。まるで仕事のクライアントや上司を満足させているかのよう。彼は私に恋愛感情を持ってくれているのだろうか……。

プレゼンして喜ばせるというテクニック的なことは、今までの人生で身につけてきたけれど、きっと相手の感情をちゃんと感じていないんだろうなと思ったのでした。

そして、同時に「私は彼に恋愛感情を持っているのか? 愛情を注ぎたいと思っているのか?」と自問したのです。
もう私の心の中からも「恋愛感情」という言葉が消えてしまっていました。


仕事も忙しく、12月に入ってから少し会えない状態が続いていました。そんな中、彼から週末のデートプランを提案された時に、私はそのプランではない案をお願いしました。

彼の案は、都内のイルミネーションをいくつか巡ってご飯を食べに行くというもの。私はイルミネーションは一ヶ所でいいから、その後、彼の部屋で一緒に過ごしたいという内容でした。
私は彼の案だったら、デートはしないとはっきりと伝えました。

彼はこの時、都内のイルミネーション沢山見て、見比べるということに強く執着している様子でした。彼はこうすると決めたら、何がなんでも実行するのです。これが一つの行動へのこだわりなのです。

ですから、一度は私のデート案を受け入れたけれど、おそらくデートをキャンセルしてくるだろうなと思っていました。その時はもう別れる時だと決めていました。

そして、私が思った通り、デートをキャンセルしたいと連絡がありました。
私は本当にホッとし、「これで別れる理由ができた」と思いました。

デートのキャンセルを了解する返事と、最後に
「今まで本当にありがとう。楽しかった。感謝しています」
とメッセージを入れました。別れ話を切り出したつもりでした。

その日は何も返信がなかったけれど、きっと自分がキャンセルしたことで私が別れるつもりになったということを理解してくれたのだと思っていました。

が、次の日の朝。

「おはよう、〇〇ちゃん! 今日は会社の人たちと飲み会だよ」というメッセージがきました。

そう、はっきりと別れるとか、もう会わないとか書かなかったから、彼は文字通り今までのことを感謝されていると思っただけなのです。

急ぎ友人に連絡をとり、どうしたらいいのか尋ねました。

友人からは
「もっとはっきり伝えてあげないと、文字通りにしか読めていないんだから。もう会わない、別れるということをはっきり書いて」とアドバイスがありました。

私はアドバイスに従って、もう会うつもりがないこと、朝のメッセージを送る必要がないこと、あらためて今までの感謝をはっきり書きました。

すると彼からすぐに
「なんで? なんで会えないの? また飲みに行こうよ」とメッセージがきました。

彼は本当に自分のこだわりを優先しているだけで私とのデートをキャンセルしたことに悪気がないのかもしれません。
でも、このメッセージを読みながら、本当にもう一緒にいるのは無理だと思いました。私はこの感覚の違いを受け入れることができないのです。

彼に「もう二度と会うことはないです。元気でね」と返信をし、LINEをブロックしました。そしてその場で全て削除しました。


彼が「発達障害、アスペルガー症候群」と断定するつもりはありません。それに、私が感じた違和感も単なる性格の不一致からきているものかのしれないということも理解しています。

でも、彼という人がこういう人である限り、それがいかなる原因や理由があったとしても、私は自分のこれから人生を共に歩んでいく人として彼を選ぶことができなかったということです。

残念だけど、そういう結果になってしまった……。

6月から向き合ってみて、沢山の経験をしました。お出かけは十分楽しむことができました。

でも、次はもっと落ち着いたお付き合いをしていきたいと思います。そして、お互いの気持ちを伝え合い読み取り合って、心がつながる関係を築いていきたいです。

私には心のつながりが必要だし、同じレベル、感覚で、感情を表現し理解できる人がいい。

もう次の恋をスタートさせたから、この彼を思い出すことはないですが、こうやって書いて、あの時の気持ちを整理することができました。

最後までお読みいただきありがとうございます。










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shu_kozoo
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