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「新卒カード」という大前提をぶち壊したいフリーターの叫び 前編


今年の選考解禁の報をネットニュースで開き、ふと自分が就活していた頃を思い出しました。

自分は就活生の「売り手市場」最盛期の2019年に就活をしましたが、20社ほどの選考を受けたのに箸にも棒にも引っかからず自責の念に駆られていました。
そんな当時の自分を苦しめていたのは何だったんだろうと思い、ふと思い出したのが「新卒カード」という存在でした。

【新卒カードとは】
https://note.com/katoshin_/n/n82dd4f34f9ee
引用:katoshin_人生開拓家

就活生ならだれもが一度は意識するであろう新卒カード。
言い方を変えれば「新卒ブランド」とも言いますかね。
そんな幻想に踊らされ、苦しめられていた自分がいたからこそ「そんなの関係ねぇ」と社会人になったいま、声を大にして言いたいのです。

【記事を読む上での注意】
いまだに筆者が新卒カードを意識している可能性は否めません。
筆者が歩んできたキャリアや生き方を正当化したいだけかもしれません。
これまで歩んできた生き方が正しいかもわかりません。

この記事はそんな悩みを持つ筆者の心の叫びだと思いながらご笑覧頂ければありがたいです。
なお、本記事は2部制になっておりまして、就活から現在に至るまで筆者のキャリア変遷についてを書きつつ「新卒カード幻想」を解く筆者なりの考えについてご紹介できればと思います。
世間のキャリア観に対する自分の考えをnoteで共有することで、自分と同じような考えを持つ同士達を少しでも勇気づけることができれば存外の喜びです。

新卒カードは使わなきゃ「もったいない」という風潮

合同説明会のキャリアカウンセラーがよく言っていたのが「新卒なら中途より大きな会社に入りやすい。(知らんけど)」というセリフです。
大きな会社の選考ばかり受けていた自分はその言葉を神様からの御神託のように信奉しながら就活をしていました。
感じ取り方に個人差はあるかと思いますが、当時の就活生の間には「新卒カード」という切り札を使ってなるべく大きな会社に入るのがセオリーといった風潮や空気感はあったかのように思えます。
そんな中、新卒カードを使ってすら一社も内定を貰えていなかった自分は社会不適合者なんじゃないかと自責の念に陥っていたのです。
しかし、ふとした出来事がきっかけで自分のキャリア観は一転しました。

組織に依存せず事業を行う方々との出会い

夕景(坂田)_★S34A5809

就活に疲れた自分は現実逃避で、かつてのシェアハウス仲間と一緒に千葉県館山市へドライブに行きました。
そこでたまたまやっていたのが移住促進系のイベントで、地元の人やUIターンしてきた人たちが自らの生業をいきいきと紹介していたのです。
大企業至上主義にとらわれていた当時の自分にとって、その方々との出会いは衝撃的でした。
とはいえ、大きな組織の一員としての生き様より、リスクを背負いながらも自ら意思決定を行う生き様の方がたまたま自分のなりたい大人像にフィットしたという、ただそれだけのことでした。
ふとしたきっかけでイベント後の打ち上げにも参加させて頂き、会社や組織に依存せず身を立てている方々の生き様に強い憧れを抱くようになりました。

【イベント詳細】
https://minamiboso-2kyoten.jp/?event=event-1673

社会という大海原で自分が乗りたい船は何か

大企業への就活と、個人で事業を行っている方々との出会いを通して感じたのは社会を海に例えるなら「自分が乗りたい船は何なのか」ということです。
例えば、会社の規模を船の大きさとするならば大企業は巨大な船と言えるでしょう。巨大な船は航続距離もあり、丈夫な作りをしているので多少の荒波で沈むことはありません。ゆえに安心して航海できます。しかし、南の島をい見に行きたいと思っていても船長が北に針路を取ると言ってしまえば我慢してでも北へむかわねばなりません。
一方、個人事業主は小型の船と言えるでしょう。船員は一人だけなので自分が西に行きたいと言えば西に行けるし、北へ行こうと思えばいつでも自由に針路を変えて北へ向かうことが出来ます。しかし、一人で船を漕ぐので航続距離は短いです。また、船のサイズは小さいので荒波が来たらすぐに沈んでしまう危険もあります。中企業は図で言うところの「大企業」と「個人」の真ん中くらいのイメージですかね。


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このように、自分の価値観・人生観と照らし合わせて社会という名の海に乗り出す船を選ぶことこそが就活だと思うのです。
針路の自由度を取る代わりに航海の安定性に目をつむるか、航海の安定性を確保する代わりに針路の自由を我慢するか。
今の日本社会ではたまたま大きな船に乗り込みたい人が多いだけで、大きな船に乗り込むことこそが正しい価値観のようになってしまっているような気がしています。
無論、筆者もその価値観を信じ切っていたうちの一人でした。
しかしながら、大きな船に乗り込むよりも自分自身の価値観・人生観と照らし合わせて最適な船に乗り込む方が何より尊いことを忘れないで頂きたいのです。
なぜなら人生を選択することができるのは、この世で唯一自分だけなのですから。

【後編に続く】


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