好意的な再放送。でも... 「私には見えるんです。十年後も二十年後も、あなたのそばには私がいる。」 そんなことを言った桜子も、20年の歳月がたった"いま"になって再放送が決まった事は、まさに青天の霹靂ではなかったのでしょうか。 神野桜子役の松嶋菜々子さんもそうだったようで、こんなコメントを残しています。 20年の時を経て、まさかゴールデンで総集編が放送されるとは想像もしていませんでした。今でも多くの方々の記憶に残っていることに驚き、リクエストなどで『やまとなでしこ』を
例の経営者さんが月に行くとか、話しになるのはテレビの中だけになって、周りの空気的には正直「勝手にすれば」みたいな印象があるようだけど、私にとってあの人の”月”を欲する気持ちはかなり残念な、というより“やっぱりか”っていう感じだった。 私たちの周りのモノには、どんどん値札が付けられて、なんでも商品になれるようになって、あの人はその富を使えばなんでも手に入れることが可能になった。 もう、地球の中の欲しいものは、全部手に入るようになった。 その先に”月”というものが浮かんでく
満員の車内で、隣の人の体が少し強く当たった。 それだけのことなのに、違和感と気怠さが入り混じった不快な気分が、どろどろと私の規則的な行動に押し寄せてきた。 この完成された通勤というシステムからはじまる、順調だった私の日常が、これまでとても自然に忘却してきた身体性を感じてしまった途端に、適応できなくなるのは、ある種の驚きだった。 お隣さんも、そのまたお隣さんも、しずかにスマホの画面を見ているけど、内心はきっと穏やかではないだろうと、いまは感じざるを得ない。 ここにいる誰
最初に言います。 ハズキルーペの話です。 巷じゃ「キャッ!」や「だーいすき❤️」のフレーズでお馴染みの、と言うか1年半前までは誰もそのネーミングすら知らなかったアレです。 「なんだあれ、ダッサ。」 僕も思いました。 間違いなく昨年末から今年にかけてのワーストです。 しかしながら、“ルーペ”という僕たちが一生触れない可能性があるものを、「文字が小さくて見づらい時は“ルーペ”使えばいいのか。」と思わせましまったところ、そして本当にすごいのが“ルーペ”=“ハズキルーペ”とし
僕の家の近所を、時々けっこうな排気音で疾走する1台のバイクがいる。 まだ寝るにも早い時間なので、とりわけ迷惑に思ったことはないけれど、細い路地を遅くわない速度で走り去るそのバイクが、僕は気にかかっていた。 ある日、そのバイクに偶然駅前で出くわす機会があって、その様子を横目で眺めていると、参考書っぽい本の入った半透明のクリアバックを持った女の子が、あのバイクに駆け寄ってきた。 そこにはちょっとヤンチャっぽい男の子がいて、女の子は彼からからヘルメットを受け取ると、軽く言葉を
僕の家の最寄駅には都内を縦断する路線の車両基地があって、終電近くになるとほとんどの電車が最寄駅止まりの電車になります。 だからと言って、一晩過ごせるような漫画喫茶やファーストフードはないし、居酒屋ですら午前1時に閉まるような、まるで再開発から取り残されたような場所なんだけれど、特に金曜日は電車に揺られて流れ着く人が、この街をふらふらとしているです。 そんな場所にも1軒だけ、遅い時間まで黄色の提灯を灯しているお店があって、僕は勝手にそこを“終点酒場”って名付けて、少し遅い時
仕事が終わって、「あゝ、どこか寄りたいな(行きたいな)」と思った時って、少し自分の内面に耳を傾けられているようで、大切な時間だと思ってます。 でもそんな時、適度に距離があって(僕は運転好きだからクルマ移動を考えて)、適度に雰囲気が良くて、適度に知的好奇心が満たせてくれる場所って、少ないんですよね。 こんな余暇難民の僕が代官山の蔦屋書店を見つけたのは、もう6〜7年くらい前だと思います。 うちからクルマで50分くらいの距離で、フィラメント電球の灯で雰囲気よくて、専門書や雑誌