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包丁のキレ(サラダ編)



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私は実はサラダがあまり好きではありません・・と、カミングアウトしますが、サラダを仕立てるポイントとして大切にしているのが、「包丁のキレ」です。

これは漬物やサラダ、果物に・・・そしてもちろん、刺身にも共通する概念です。

食材と言う物は、金っ気の刃を入れれば入れるほど味わいが落ちると言う考え方があります。

刺身に関しては疑問は残りますが、胡瓜の漬物や葉物のサラダ、果物のリンゴやナシ、モモ等・・・包丁を入れずに丸のまま、かぶりつくのが最も美味だと言う認識が料理人の中にもあります。


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胡瓜や茄子の1本漬けを、握り飯と共に食べてきた世代の私としては、野菜の心地良い食感と味わいを共に楽しんできた歴史があります。

ですが、話は全く矛盾して、刃を入れるのであれば最高のキレを以てスパッと切れている野菜、美しく角が立ち、等間隔で、しかも切ると同時に自然な照らし、盛り付けの角度が付いている。

一目見て、職人の仕事…と感じ入る様な切り方をした野菜は目のご馳走でもあり、やはり味わいも良い物です。

サラダや漬物、そしてもちろん刺身などは特に、包丁のキレを味わう料理と言うのが職人の認識でもあるのです。

生野菜を食べる時の基準、ご自宅で栄養面を考えての献立と言う事なら、その彩りや食感のバランスだけでも良いかもしれません。

包丁を使わずとも、手でちぎった野菜も本来の味わいを楽しめる正当な仕立て方とも言えます。


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しかしながら外食で、しかも職人と言われる者が包丁を持つ店で食べるなら、そのキレも充分に商品と言える次元にまで高める必要を感じます。

ただ生野菜を切って盛り付ける・・だけに留まらず、そこにもうワンランク上の価値観を吹き込む事。

これこそが、料理人の使命ではないかと。

サラダを単なる生野菜の盛合せではなく、新しい命を宿した渾身の作品、魂の一品としてお客様の元へ送り出す。

そんな気概を持ちたいものです。

多少、過大な表現になりましたが、サラダに込める想いをお伝えしました。

今日も良い一日をお過ごし下さい。


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