手放すという仏教思想を活かしたプログラム作り
仏教思想をお寺という世界で閉じさせずに、どうすれば違う領域と接続することができるのかということをこの半年くらい模索しています。具体的な接続させる領域としてはアートと人材育成の分野につながりを作ろうと努めてきました。
その結果、とある企業さんの人材育成の案件を手がけることができるようになりそうです。仏教では「手放す」ということが重視されるのだけど、それを人材育成のプログラム作成時の下敷きにして、その手放しの技術の構築を行うプロジェクトになります。
なぜ仏教を人材育成の領域にぶつけているかというと、教育業界・学び業界のいわゆる一般的になってきている考えをほぐすためです。多くの場合が、学びは「意味づけをすること」や「選択肢を獲得すること」の意味合いで語られることが多いと思っています。
個人個人の人が意味づけしていくという視点は重要だと思っていて、たとえばワークショップなんかもそれを行うものとして優秀なツールになりうると思っています。
その一方で、意味づけしていくことではなく、これまで意味付いてきたものや行ってきた慣習を止め、解き放っていくことも人の変化を語る上で重要な論点だと思います。
世の中の主流の考え方は多くが意味づけすることに向いていると言ってもいいですね。こういう風に考えましょうというふうに方向付けることを志向するプログラムが氾濫している気がしています。
では解体・解放の智慧はどこに眠っているかと考えた時に、仏教の「手放すこと」の思想と実践にヒントがあると思いました。
特に、昇進した後のトランジションをまさに迎えているマネジャー層の人たちや新入社員として入社した方々、さらには部下に仕事を任せるところにおいて、手放すことは効力を発揮します。
これまでやっていた仕事を手放して、本当に今の自分に必要な仕事に集中していくための手放しの技法を開発したり、自分が執着してしまう役割や活動を手放すことで他の人に機会を与えたり、たくさんの観点でビジネスの現場においても活用できそうな仏教思想の活かし方を思い付いているので、今回の仕事の案件をきっかけにしながら模索してみようと思います。
半年前くらいから言っている、仏教思想を活かした機会作りを一つ形にしていくことができそうで嬉しい限りです。
自分の役割は仏教思想をそういう方向に展開しうるという回路を開いていくことだと思っていて、むしろ仏教的なエッセンスを理解している人たちにもっと他の領域に出て行ってほしいと思っています。そういう意味では、自ら実験して、勘所をつかんだら、あとはそこの知識と知識の接続点を言語化しながら、他の人たちへの機会作りとして役割を手放していけたらいいなと思います。
数年前までは仏教・お寺なんてクソだと言っていたので、こういう考えになってきたのは自分でも驚きです...笑 👀
ちなみにアートの方も、もうすぐアウトプットを出せそうなところまできているので、それはまた他の投稿で扱えたらいいなと思います。