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【64/66】読書記録「物語のなかとそと」

こんばんは。今日は高尾山に行くつもりで、家族のカレンダーにも「高尾山」と書きましたが、いつの間にか家の用事をすることになってました。高尾山から帰宅しても行ける場所とはいえ、この天気ではそれさえ難しかった。行った先で買い物をし、店員さんからくじ引きの箱を出されたけれど、「残り物には福がある」わけではなく、「ハズレですね」と言われました。

高尾山口駅そばのイタリアンのお店の横にあるオレンジジュースの自販機を試せるのは、いつになるのでしょう?

江國香織「物語のなかとそと」朝日新聞出版

読んだのはハードカバーですが、朝日新聞出版のサイトで検索したら、文庫化されてました。表紙が全然違います。ハードカバーは在庫切れとのこと。

昔、江國香織の小説は文庫化されるとすぐに買ってました。最初に手に取ったのは「きらきらひかる」で、その後ボロボロになるまで読み込んだのは「ホリー・ガーデン」や「神様のボート」あたり。
最近はこちらの頭が弱ったのか、長編を読むのはしんどくなり、図書館で借りてもすぐ返却期限がきてしまいました。

長編は読みますが、短編小説はどういうわけか苦手でした。
この本はエッセイが主です。どこまでが本当の話で、どこから創作なのか、境界線が曖昧な話も収録されてます。

消しゴムの話は本当なのだろうか? 犬を飼っていた話は知ってる。昔「クウネル」って雑誌にも愛犬が出ていた。「雨」という名前だった。
※今見る「クウネル」はまったく別の雑誌になってます。妹さんとの往復書簡の連載はありません

小さくなった消しゴムが、箱からぞろぞろ出てきて挨拶するなんて話、聞いたことがない。でも妙にリアリティを感じる。

いくつか小説を読むと見えてくるんだけど、江國香織という人は実に読む本の幅が広い。エッセイで紹介されている。それが著書に反映されているので、読む側からすると豊かな心になれるのだ。あと一度小説に入り込んだら、なかなか抜け出すことができない。

この本は昨日病院の待ち時間で読んでしまったんだけど、小説はそうはいかない。私の悪い癖なのか「面白ければ面白いほど、読むペースが遅くなる」のは、江國香織の小説世界にどっぷり浸かってしまうからだってことに気づいた。

文章を書いている時間以外は、お風呂に入っているか、別の本を読んでいるか、らしい。これもまたにわかに信じがたい。あれだけたくさんの著作を、どうやって書き進めているのだろう? この「物語のなかとそと」は、20年近く書きためたエッセイだったり掌編小説だったりを収録している。こういう短い文章は、いい加減にすることもなく、さっと書けるものなのだろうか。

久しぶりに江國香織の本を読めて、心が満ち足りた気分になっている。今度は長編小説に向き合いたい。最近の作品は読めてないのだ。


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