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読書記録「紫式部の欲望」

こんばんは。本を読み終えると、「次何を読もうかなあ~♪」と、借りた本や買った本のさわりを読んで迷ってます。今まさにその時間です。こうなると読み始めるまで時間がかかるので、さっさと決めてしまわなくてはと思うんですがねえ…やめられないんですよ。
図書館の本は期限があるし、買った本も積ん読から救助させたい。決められないのは、ここらへんにあると思います。

某SNSで、ミヒャエル・エンデの「モモ」をたくさんの人に読んでもらいたい!と奮闘する書店員さんの投稿を見ました。ご覧になった方いるかなあ?
子どもの頃は、図書館にあるエンデの本はどれも威厳があって、迫りくるものがありました。そのくせチキンなので、借りて読むまでには到りませんでした。

昨日読んだ本いきます。女の欲望恐るべし。

酒井順子「紫式部の欲望」(集英社)

今、大河ドラマの「光る君へ」がどこまで進んでるかわからないけど、道長の娘で、一条天皇のきさきの彰子が男子を出産したあたりでしょうか。その時間になると某SNSが賑やかになります。

ところで、紫式部が清少納言のことを「知ったかぶりしてる」とか批判する場面は欠かせませんよね?(関係ないw)

この本は、清少納言に比べてウェットな気質をもつとされる紫式部が、どんなことを考えて、その願望を源氏物語に落とし込んだ(と推測される)のかを書いた本です。
光源氏が「理想の男性♡」という目線ではありません。「○○したい」「○○されたい」という願望は、むしろ女である紫式部が女に向けたものが多いです。

嫉妬したいって、劣等感でも抱えていたのでしょうか? いや、この「嫉妬したい」の章は主に六条御息所について書かれてますが、嫉妬の対象は源氏の正妻の葵の上に対してのもの。葵の上の出産シーンで、六条御息所は生霊となり、自分の身から魂が抜け出してしまうところ。
紫式部も実生活では、他に妻のいる年上夫と結婚していたのだから、嫉妬していたかもしれない、ともあります。大河ドラマではどう描かれていたか知らないけど、きれいに映像化されていることでしょう。

光源氏の誕生から亡くなるまで、いやその先の宇治十帖の薫や匂宮の話まで書かれています。書いたのは紫式部だから、そこは秘めたる願望を54帖に散りばめたのでしょう。恐るべし紫式部。
物語の順番に「○○したい」「○○されたい」願望が紹介されてるわけではなく、それこそ欲望のおもむくままに、書かれています。ここまで女の情念とか欲望を掘り当てる、酒井順子の力も恐るべし。女子校育ちだから、女社会あるあるを書けるのでしょう。それは1000年前も令和(本が出たのは平成)も同じだと思います。

己の欲望を、源氏物語という長編小説に落とし込んで書いてしまう紫式部、怖いとしかいえない。欲望を本当にありそうなことだと、錯覚しながら読んでました。

【ありがとうございます!】
どこからきたのかわかりませんが、 #66日ライラン に書いていた駄文から来てくださった方、フォローしてくださった方もいらっしゃるようで。ありがとうございます。全部追えない状況ですが、更新の折に訪問させていただきます。

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